第59回ユーザーミーティング内容
8.3.13

去る7/6 第59回神奈川GEMRUMが川崎幸病院で開催されました.この週は早々と梅雨明け宣言.この日も暑い,暑い.駅の途中で,汗ふきシートを購入して,トイレで上半身を拭きました.こんな暑い中,UMもとても熱気を帯びていました.

いつものように川崎幸病院 中代表からの御挨拶で始まりました.

今回も前回に続いて,40名近くの参加がありました.会場も満員御礼です.最近は参加者が増えて嬉しい限りです.

今回も世話人で,内容を練りに練りましたので,大勢来てくれたものと思います.

MRI条件付き対応ペースメーカ患者に対する,MRI検査施行の為の準備ということで,北里大学病院の秦さんが発表してくださいました.最近は先行発売:日本メドトロニクスのSure Scanみならず日本BIOTRONIK ProMRI(胸部検査はできない)セントジュードメディカルのAccent MRIなども発売される予定だそうです.全部1.5Tのみ対応です.安全マニュアルの改訂など,恥ずかしながら,行っていたなかったので秦さんの話を聞いて,早速手直ししました.今話題の話なので,皆さん,真剣に聞いていました.北里大学のような大きな組織になると,マニュアルなども詰めに詰めなければならないので大変参考になりました.

続いて,実際に検査経験のある,川崎幸病院の経験談です.

前回のUMの最中に,初めてSure Scanの方のMRI検査をしたということでした.その後2例ほど経験したということで経験談とマニュアルを紹介してくれました.参考になりました.

今回,神奈川UMの様子を動画配信するということで,GEヘルスケアの新島さんから概略を説明していただきました.また今回GE MRに関わる一連のソフトの不具合などの情報もUMで紹介しようということで,こちらは詳細に説明してもらいました.安全面においても情報共有しようということです.こういうことは紙で送られてくるだけでなく,こういった場所で噛み砕いて説明してもらうことは重要だと思います.

基礎コーナー 各施設における骨盤撮影の拘りということで昭和大学藤が丘病院の本寺さんと東海大学大磯の上薗さんにお話ししてもらいました.ブスコパンは用いてない.FSET2の基本FOVは20cmを用いている.sad padやコイルで腹部を圧迫固定をしているということであった.モーションアーチファクトの抑制は位相方向と周波数方向でswapをしている.子宮奇形の症例を紹介してくれました.:(Wunderlich症候群はWolff管とMuller管の発育障害により,重複子宮・片側腟閉鎖および子宮頸部留血腫・患側腎無形成を示す稀な子宮奇形で,多くは初経発来後に次第に増悪する月経困難症を機に発見される.)前立腺の拡散強調画像では最近b1500を用いている.b1000よりも良好であるというお話でした.膀胱ではSagの拡散強調画像を撮影しているということでした.

骨盤領域の拘りとしては8ch Body Array CoilのConfigはupperを用いているということでした.実際に感度Mapも見せていただきました.巨大な子宮筋腫の場合はちょっとした工夫で対処しているということでした.(ここは内緒)

FSET2の基本FOVは28cmを用いている.呼吸同期を用いているということでした.TP,TWも工夫してました.呼吸の安定度でResp1, 2を切り替えているということでした.

膀胱の撮影ではFLAIR法を最新のシーケンスで撮影していました.撮像パラメータが固定化していますが,様々な工夫でなんとか欲しいvariableパラメータを変更していました.私はこういった創意工夫が大好きです.

Advacedコーナ 動きに強い撮影法を極める ということでGEヘルスケアの中村さんに基礎というか基本的なことをレクチャーしていただきました.また応用編として,新百合丘の堀さんにもレクチャーしていただきました.実はこのコーナは大変人気のシリーズなんですよね.これで3回目です.

様々な腹部で見られるアーチファクトを紹介.また撮像パラメータとその関係など,本当にいろいろ検討してくれました.FAT SATの強度を若干弱めて,T2w likeでありながらアーチファクトを抑制できるという方法はなるほどと思いました.さすがです.なるほど.

けいゆう病院 木村さんの発表は2D TOF 呼吸補正を用いたMR Venographyの話でした.膝下静脈の描出が悪いということで,駆血帯を用いて表在静脈を抑制.描出改善した例を紹介していただきました.秦さんもコメントされていましたが,膝屈曲の仕方を再検討すれば画質改善するのでは..ということでした.しかしながら,いろいろ試すことは重要だと思いますので,いろいろ試していただければと思います.勉強になりました.

再び本寺さん,小児急性脳症 二相性のお話でした.

webより痙攣重積型急性脳症(AEFCSE)または二相性経過と遅発性拡散低下病変を伴う脳症(AESD)

日本の小児急性脳症では最も多いパターンである。発熱を伴うけいれん重積状態を発症し、その後の意識回復中途(第4病日付近)において意識障害の悪化と群発痙攣(遅発けいれん)を認めるという二相性の経過が典型的である。遅発けいれん時期にMRIでは皮質下白質に拡散強調画像で高信号を認める。前頭葉を主体とする分布であることが多い。

示した症例ではMRSも検討されていました.グルタミン酸の代謝異常もいわれているようです.

再び上薗さん,乳腺の症例を提示していただきました.IDEAL T2Wの画像と拡散強調画像です.非常に綺麗に撮影できていました.拡散強調画像は約5分で撮影 FOV32cm 128*128 b1000です.6nexを選択されていました.IDEAL waterイメージではT2延長病変が多数描出されていました.拡散強調画像では悪性の部分を除いて低信号に描出されていました.

北里大学病院 秦さんは血管炎の症例と,頭部:こんなの見たことある?アーチファクトの画像を見せていただきました.IDEAL FSEではespが若干長く設定されるのでflow voidになりやすい.そこで造影剤を注入すると,炎症壁が造影され,非常に見易いという画像が撮影できます.秦さんは,以前よりこの症例が来るチャンスを待っていたということでした.あともうひとつは整髪剤で磁化率アーチファクトは呈した例でした.

表記で発表させていただきました.すべて3.0T 750wの画像です.後循環脳梗塞ではintracranial plaqueの画像を供覧しました.またHRMRCPでは患者様の体型に合わせて,3Tのメリットを生かして,FOVを小さく撮影する試みを紹介しました.

さて,次は甲子園神奈川予選です.発表する方も,しない方も,大勢来て頂いて,盛り上がりましょう.ちなみに私も今年の題材は決まりました.すでに臨床例を蓄積しつつあります.宜しくお願いします.

…Ÿ神奈川GE MR UMT…Ÿ