第6回神奈川GE1.0TUMT内容紹介 8.18.2002/8.27追加アップ

8/17 川崎幸病院で第6回神奈川GE1.0TUMTが開催されました。予想した通り、参加者は少し少な目の37名でした。皆さん御参加ありがとうございました。

今回はGEYMS 営業本部長の久保さんに御挨拶をいただきました。今後のGE SIGNA製品の構想?等を熱く語っていただきました。今後とも宜しくお願いします。

今回は教育講演が2題、テーマ演題が4題でした。フィルムカンファランスでは4症例でした。発表していただいた演者の方、本当にありがとうございました。

初学者のためにGEが誇る?バンド幅の講演を用意しました。新しい技術としてFIESTAの技術を用意しました。どの講演も画像を使って解りやすい解説を目指しましたので、皆さんよく理解できたのではないでしょうか?

どれもこれも素晴らしいできでしたので、聞いていて嬉しくなってしまいました。皆さんはいかが感じましたか?

教育講演の司会はMR応用自在のバンド幅の章の著者 川崎幸病院 谷口さんにお願いいたしました。(写真左)

皆さん真剣な眼差しでこの教育講演を聞いていました。前回はこの会場に入りきれない人が参加してくれました。

NTT関東病院の奥秋知幸さんです。大変上手にバンド幅を表現していただきました。ありがとうございました。
昭和大学豊洲病院の高橋俊行さんです。臨床画像をたくさん使っていただいて、FIESTAを表現していただきました。ありがとうございます。 TRUE FISP(脂肪抑制)が有用であった1例を紹介してくれました。そちらの症例は高橋さんのWEBへ 
テーマ演題は、前回疑問に生じた内容に関して勉強し発表するものです。今回は4演題用意されました。

司会は若きパワーとして北里大学東病院の尾崎さん(1.0Tユーザー)と北里大学病院の秦さんにお願いしました。(写真斜め左)

外傷のFLAIR法の有用性に関する実証ということで、川崎幸病院の谷口さんにお話をいただきました。外傷の基礎的な話と症例を提示していただきました。外傷にFLAIR法を追加するというは非常に重要だと実感いたしました。また冠状断や矢状断を追加することで、反衝という現象も説明がつくということです。ほとんどの施設がルーチンでFLAIR法を撮影している今、検出ということでは問題はないと考えます。冠状断、矢状断を追加することで付加的情報を追加するということです。是非皆さんもお試し下さい。

川崎幸病院の中さんは高速SE法T2強調画像の至適ETLについて検討をしていただきました。

ファントム(水、Gd-DTPA各種濃度)を用いて、ETLを変更し、各ファントムのコントラストを調べていただきました。若い人が自分1人で考えて、自分で考えをまとめ、大勢の人の前で成果を発表する。素晴らしいことだと思います。

ユーザーミーティングでは自分の施設でやっていること、こうこうこうだから、これでやっている。だからこれでいいんだ。こういうスタンスで良いと僕は思います。

そこから議論を重ね、自施設に持ち帰り、更に勉強してもらう。またそのことに関して議論をする。これが本来のユーザーミーティングのあるべき姿だと思います。

中さん、次回も期待してます。がんばって下さい。

このあと当方がDiffusionのBWによる画像の影響の実証ということで簡単にまとめてみました。バンド幅を狭くすると磁化率アーチファクトが大きくなるという話です。NTT関東の奥秋さんが教育講演で、綺麗にまとめていただけると思っていたので、逆に簡単にSIGNAの画面をたくさん使用して、DWEPIの撮像シーケンスに関して検討をしてみました。TRの考え方B=0とS-I, R-L, A-PのMPGグラジェントと撮影時間の考え方、エコー間隔等、詳細に分析できなくてもある程度全体がわかったような気になりました。今回このようなテーマを与えていただいた、川崎幸 谷口さん、北里東 尾崎さん、北里 秦さん、ありがとうございました。
北里秦さんにはMR Venographyでの撮像プロトコールの議論-特に造影剤濃度について-をまとめていただきました。造影剤は2CCに生食30CCを追加して15倍程度に薄めると良いということでした。当方のWEBでは5倍と書き込みましたが、これは間違いでしたね。秦さんらの検討では10倍程度で良いというファントム実験でした。

GE的にはSMART STEP MR Venoということでしょうか?MDCTでは造影剤も多量にいる、骨処理(削除)が必要ということで、煩雑です。以外とこのDirect MR Venoは今後、他施設で行われる検査なのかも知れません。尚造影剤は0.4ml/secでいれると良いそうです。

フィルムリーディングでは引き続き尾崎・秦コンビで進行していただきました。髄膜炎の1時間後のFLAIR法の写真と、造影直後のFLAIR法の写真ということで大変興味のある症例でした。1時間後の撮影では非常に染まっていますのでわかりやすいという主張です。尚造影直後でもよくわかります。造影前後のFLAIR画像ですが造影前では特に硬膜の肥厚等の所見は見られません。しかし造影後では脳溝に沿って造影効果が認められます。このコントラストの機序に関しては引き続き尾崎さんが検討されるということで楽しみです。ファントム実験なので、是非、実証していただければ幸いです。楽しみしています。

WEB 最後に尾崎さんからの提供画像が見れます。

低髄液圧症候群の症例も提示していただきました。NTT関東の奥秋さんによると硬膜の損傷によって出血等を引きおこすそうです。したがって造影FLAIR法で顕著に病変がわかるということです。これは大変勉強になりました。こういった症例でも造影FLAIR法が有用だということです。

WEB 最後に尾崎さんからの提供画像が見れます。

当院でも低髄液圧症候群に造影FLAIR法を撮影していますが、まだ病変は検出はできていません。他施設でももし造影FLAIR法を施行して良い症例があれば、今後もUMTで発表していただければと思います。尾崎さん、司会に発表に大変お疲れさまでした。

時間が少し残っていましたので、当方が3例ほど紹介させていただきました。

セクレチンを投与して3D FRFSE ASSETを使用してMRCPを撮影してみました。症例は癒合不全の方です。立体的に把握できるこの撮影方法はとても有用ということで、紹介させていただきました。

もう1例はT1 FLAIR法、上腹部応用例です。これは当方のWEBに掲載済みです。

皆さんお盆の中、お暑い中、参加ありがとうございました。

次回は9.21(土曜日)です。宜しくお願いいたします。

北里東病院 尾崎さんの御厚意による症例画像です。

髄膜炎の単純FLAIR画像(左)と造影1時間後(右)の画像です。吃驚するくらい病変のコントラストが違います。実は同じ時期ではないのですが造影直後の画像も見せていただきましたが、これほどコントラストはついていません。この症例のように1時間後に再度撮影できると良いということでしょう。上記の栄共済の症例でも1時間後に撮影しておけばよかった.....と思ってもあとの祭りですが....

低髄液圧症候群の画像です。単純でも硬膜の出血は確認できます。造影すると広範囲に造影効果を認める硬膜が描出しているのがわかります。

こういった症例でも造影FLAIRが有用であります。

写真を提供していただいた尾崎さんどうもありがとうございました。

送付されてきた画像は12Kですが、綺麗ですね。実は写真も綺麗だなーっと思っていました。