「上代文学」受講生のページ
講義要項 物語文学の成立までを考える。まず、「物語−モノガタリ」の語源を『万葉葉』に辿り、口承から語りへの生成を考える。ついで、竹取翁の伝承が、天平の時代思潮と融合して、『竹取物語』が形成された過程を考えてみたい。『竹取物語』は、登場人物も天平朝の功臣をモデルとし、求婚難題物も正倉院の宝物をヒントに作られた歴史小説である。このテクストを通して、古代を考えることとしたい。
評価方法 定期テストと小レポートを課し、総合的に評価する。
教科書 阪倉篤義校注・『竹取物語』岩波文庫
講義日程・前期
1999年
@04月15日 ガイダンス。物語とは何か
A04月22日 語りと口承伝承−フルコト・語り
B05月06日 古代伝承の生成−モノガタリ−『人麻呂歌集』より
C05月13日 古代伝承「淡近県の物語」から、「ふじのけぶり」古代地名起源伝承へ
D05月20日 平安時代の「物語」例、『竹取物語』「今は昔」の段
E05月27日 『竹取物語』の成立背景、「妻問い」の段 ビデオ・「歴史発見、『竹取物語』」
F06月03日 『竹取物語』の成立背景、「妻問い」の段
G06月10日 「妻問い」「仏の御石の鉢」の段
H06月17日 「蓬莱の玉の枝」の段 プリント「求婚難題物」
I06月24日 「火鼠の皮衣」「龍の頸の玉」の段
J07月01日 「龍の首の玉」「燕の子安貝」 プリント「『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』」
K07月08日 「御狩の御行」 プリント「絶望の言説」
L07月15日 「天の羽衣」「富士の煙」
07月29日 期末テスト テキストのみ持ち込み可