Last Up Date 2006.03.01          

日記を物語る 2006年02月INDEXホームに戻る 

            


02月25日(土曜日) Special Thanks 224,000 Hits

快晴。『浜松中納言物語』巻一を読む。「九百九十九人の王」の説話の引かれている辺り。こう言う本文になると、僕は、俄然、元気な読者となるのです。

02月26日(日曜日)

雨。今度は『元輔集』注釈。ひとつの歌語を徹底的に洗い直して、何度も書き直された原稿はまた真っ赤になる。文献実証は人文科学の基礎作業なのだと実感します。

生涯一文人の人、関根賢司さんからまたまた『古典逍遙』(書肆山田、2006.03)を頂戴する。若き日の同人誌から、勤務先の小文拾遺、研究会会誌への寄稿などを、瀟洒な装丁に包んでプレゼントしてくださいました。ありがとうございました。

02月27日(月曜日)

雨。関根さんの『古典逍遙』にこんな一節がありました。「当初、沖縄の新聞社を通して、この大会のことを報じてもらい、地域(沖縄)との交通を図ろうと<開かれた大会>をイメージしていたのであったが、前例がない、ということで却下され…断念せざるをえなかった(物研、夏の大会)」。今から二十年前の文章だが、この前例は数年前の高知の大会であっさりと打破されていました。時代は革新されて行くのだなあ、でも反動もあるけれど…としみじみ読み耽りました。それにしても「前例がない」なんて官僚のみたいな答弁がまかり通るなんて、ずいぶん息苦しい沖縄だっだんですね。

02月28日(火曜日)

雨。校正、校閲、『源氏物語』。そして、夜は無駄な電話の対応に辟易する。春はまだかいな。


02月01日(水曜日) Special Thanks 222,000 Hits

雨。肌寒い一日。原稿などデスクワーク。ジムはこの時期風邪を引けないので諦めました。

02月02日(木曜日)

晴れ時々曇り。茨城県つくば市内の高校で小論文講座。今月は時折このあたりに出没します。この時期の教室は三年生が自宅学習期間に辺り、整然とした部屋とそうでない部屋(はっきり書くと失礼に当たることも)とあって、このコントラストがなんとも言えない初春の光景です。

02月03日(金曜日)

晴。終日デスクワーク。偶然、母校で『楚辞』などの漢文学を教えておられた黒須先生の古典文学探索教室を拝見。僕の前著も御覧頂いていたことを知る。僕が博士課程進学と相前後して、大学院で「比較文学」を担当なさり、すでに僕は週一日しか通学できない出来ない状態だったために履修できませんでしたが、あの著名な「夕顔」巻の「心あてに…頭中将誤認説」や花の表象性を講じておられたようです。僕の文学研究のベースにある江戸漢学流の訓読も、こうした温床が育んでくれたものであるように思います。

02月04日(土曜日)

快晴。午前中、明治の教務課に成績を提出。明日から入試の入構制限となるため、あれこれと準備中。教室案内の掲示板前で、お子さんの受験教室を確認しつつ、写真に収めて歩くご夫婦に遭遇しました(感動)。移動して所沢市松井公民館で「古典に親しむ会」藤裏葉巻巻頭より。まず時節柄「追儺」の話をしてから、内大臣・夕霧の物語を読みました。夕方は近所にある自動車工場で六ヶ月点検のために車を預け、代車で帰宅。やはり馴れた車がいいですね。

02月05日(日曜日)

快晴。この寒いのに暖房機器がダウン。新型に買い換える。いろいろ事故もあるようですから、中古品は見送りました。もちろん、部屋もすぐに暖まり、安全性も高し。環境も再び整い、筆の進み具合はすべて僕の気力次第となりました。

02月06日(月曜日)

曇り。終日デスクワーク。しばらく毎日が『源氏物語』です。

02月07日(火曜日)

快晴。終日デスクワーク。明けても暮れても『源氏物語』。

02月08日(水曜日)

晴。終日デスクワーク。あともう少しで脱稿のところでタイムアウト。渋谷に向かう。帰宅してまた原稿です。

02月09日(木曜日)

快晴。朝五時に起きて原稿を書き、入稿。時間ぎりぎりまで机にかじりつく。午後から埼玉県熊谷市内の高校で進路講話。一年生対象でしたが、三年生が自宅研修期間に入り、と言うより、入試真っ盛りと言う切迫感がどことなく感じられ、真剣そのもの。あと二年間の指針を提示しました。教室に入りきれないほどたくさんの生徒さんが話を聞いてくれました。

02月10日(金曜日)

快晴。朝一番で茨城県つくば市内の高校で進路講話。保護者の皆さんも大勢見えて熱心にメモをとっていました。午前中で終わったので出光美術館で「歌仙の饗宴」。招待券を頂戴した某先生、眼福のひとときをありがとうございました。

02月11日(土曜日)

快晴。終日デスクワーク。明けても暮れても『源氏物語』。人物毎に引歌を見ていると、同じ歌が特定の人物に集中していることなどが見えてくるものです。

02月12日(日曜日)

快晴。このところ学校は春休みになったのに更新は滞っています。それだけ机の上の仕事が溜まっているものとご理解下さい。またまたま終日デスクワーク。夕方、一時間ほどジムに出掛けた他は帰宅してもまたデスクワーク。校正には辞書がかかせません。当たり前のことですが。

02月13日(月曜日)

快晴。終日デスクワーク。注釈の点検をしているとこの作業は“汎人文学創成”そものであるように思われます。もちろん毎日が『源氏物語』です。

02月14日(火曜日) Special Thanks 223,000 Hits

快晴。一気に春の陽気でしばしストーブをとめて換気をを繰り返しつつデスクワーク。もちろん明けても暮れても『源氏物語』。

02月15日(水曜日)

曇り。またまたデスクワーク。脱稿の目処をつけて、夕方は渋谷で仕事。今月末にある医学部入試の「小論文など」と称される問題に取り組む。人文系の基礎教養的な事項を若い諸君と勉強しました。

02月16日(木曜日)

雨。朝五時に起きて原稿を書き、午後には入稿。下原稿は作ってもらってあるけれどこの一週間で180枚。とりあえず、峠を越えたので明日からしばらく<自分だけ>の仕事ができます。夕方は、池袋の主要書店を三軒周り、西口へ。かつての大型書店には別のテナントが入っていました。池袋のマルイは、僕が服を購入する前に必ず立ち寄るお決まりのところ。八勝堂書店の棚に目を通し、目的地のふぐよしで、明治の若い諸君、その友人の学生起業家さんと「ふぐ」。なかなか美味でした。学生企業家さんは古本のネット販売を生業としているとのことで、聞かせていただいた話も勉強になることばかり。

02月17日(金曜日)

快晴。すっかり気が抜けました。やや余裕が出来てのんびりと校正作業。しばらくこんな日々を送る予定なり。

02月18日(土曜日)

快晴。少し骨休めに帰省しました。ただし、合計500頁を越えるゲラは僕と一緒に移動しました。

02月19日(日曜日)

晴。信州・鹿教湯温泉の斎藤ホテルで湯治。のんびりと英気を養いました。メンバーの最年少は三歳。保育園で習ったのか、「みんな、集まれ〜」と何度も招集をかけています。僕もカルタ取りの講師(こうじ)をつとめました。

02月20日(月曜日)

晴後曇さらにに雪と雨。佐久インターから碓氷峠あたりまでは吹雪で50q走行。群馬にはいると雨に変わり、快調に帰宅しました。校正も投函。また次の校正に取りかかります。

02月21日(火曜日)

快晴。埼玉県立歴史資料館で「まほろぼの里・比企ー慈光寺とその周辺」へ。慈光寺の持つ国宝『法華経一品経』を、同行の宗教史の若き泰斗の先生の解説付きで堪能する。足を延ばして、慈光寺を参拝。宝物館を開けて頂き、企画展には出品されていない平安仏などを拝む。さらに数q先にあって、歴史資料館に「役行者絵巻」を出品していた多武峯神社を尋ねる。藤原鎌足から数えて65世の当主が快くご案内をしてくださり、修験道の霊場を歩く。武蔵・藤原氏と言うことで、明治の廃仏毀釈以来、「武藤」氏を名乗っておられるとのこと。伝来の宝物から、本尊「聖観音」までじっくり拝させて頂く。本尊も「平安」のいにしえを今に伝えるものでした。かくして奥秩父が平安密教の霊場であることを実感した一日でした。なお、武藤家蔵の絵巻は『図説役行者』で見ることが出来るようです。御覧あれ。

02月22日(水曜日)

晴。終日デスクワーク。短めの校正五本。

02月23日(木曜日)

曇りのち雨。校正と索引作りを並行して進める。自宅でこんなに長時間過ごすのはここに来て以来かもしれないと思われます。

02月24日(金曜日)

雨。索引は「人名、書名・琴名、事項」として鉛筆とラインマーカー三本で書き分ける。とりあえずゲラにしてもらってまた考えることにしましょう。


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