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復帰のブライアント28得点=レーカーズが優勝に王手?NBAファイナル(時事通信)

 【インディアナポリス(米インディアナ州)14日時事】米プロバスケットボール協会(NBA)のファイナル(7回戦制)は14日、当地で第4戦が行われ、左足首ねんざから復帰したブライアントが28得点したレーカーズが延長戦の末、120?118で勝ち、対戦成績を3勝1敗として、12年ぶりの優勝に王手をかけた。

 試合前、ブライアントの状態を聞かれたジャクソン監督は、「前日の練習は途中でやめさせた。回復具合はまだ80パーセント」と答えていた。しかし、この日のレーカーズの勝利を決めたのは、足の痛みがまだ取れていないブライアントだった。

 36得点、21リバウンドしたオニールが延長戦で6つ目のファウルを取られて退場し、118?117とわずか1点リードで迎えた残り5.9秒。レーカーズのショウが外したショットをブライアントがジャンプしてとらえ、そのままゴールに沈めた。ウイニングショットを決めたブライアントは「オニールが退場になって、もっと挑戦者のようなつもりでやらなければと思った」。ベンチで見守ったオニールも「退場になったとき、ブライアントが僕にウインクをして『心配するな。僕に任せておけ』と言ってきた。これが僕たちのワンツーパンチさ」と満足げに語った。

 優勝の懸かった第5戦は16日、インディアナポリスのコンセコ・フィールドハウスで行われる。 

[時事通信社 2000 615 18:19

スポーツにおけるエンターテインメント性  NBAファイナルを見て

小山幸宏

バスケットボールといえば、アメリカの国技ともいえるスポーツである。「アメリカの国技は野球ではないのか」と思われる人も多いかもしれないが、アメリカは、野球、バスケ、そしてアメリカンフットボール、さらにはアイスホッケーなどが盛んな国でもある。

 その全米プロ・バスケットボールリーグ(NBA)は、今年もプレーオフ・ファイナルを迎えた。昨日の第4戦は、レーカーズが勝ち、対戦成績を3勝1敗とした。第5戦には12年ぶりとなる優勝がかかることになる。

 プロ・バスケットボールの凄さは、日本人にはなかなか分からないであろう。2メートルを超す大男達が、小さなボールを奪い合い、ゴールへと突進して行く姿は、さながら飢えた野獣を見ているかのようである。走、投、跳、全ての要素を兼ね備えているスポーツはバスケットボールだけだ、といってよいだろう。ドリブルやスティールにおけるスピード、リバウンドにおけるパワー、そしてシュートにおける技。狭いコートを縦横無尽に駆け巡るその姿に、観客は熱狂するのである。日本人のプレイの場合には、やはり体格的不利があるため、迫力に欠けてしまうことが多い。日本リーグの強豪であるいすゞ自動車などの試合でも、小さな体育館をいっぱいにすることもままならないのが現状である。アメリカは、バスケ専用の体育館があり、収容人数も一万人を楽に超える、人気スポーツである。日本の場合、バスケットで一万人を超える人間を収容できる体育館があるだろうか。

 レーカーズが、今年強い理由は、技のコービーブライアントと、力のシャキールオニールのコンビが大量得点を挙げているからである。このコンビは、現在のNBAのなかでは最強かと思われる。コービーは、まるで神様ジョーダンを髣髴とさせるようなシュート、パスの技術を持っており、シャックは、NBAのなかでは下手なほうであるフリースローも、今年は成功率が高く、ゴール下は鉄壁のリバウンド、そして豪快なダンクシュートも健在で、他者の追随を許さない。今年のレーカーズは力と技の融合が完璧に成されたチームであると言えよう

 ここで、アメリカ人と日本人とのスポーツの見方の違いについて触れてみることにする。日本人はいわゆる「判官贔屓{ほうがんひいき}」という傾向があり、絶対的強さを見せつけるものよりも、それに対抗しようとする弱者を応援する傾向がある。例えば、プロ野球では、エリート街道をひた走る西武の松坂大輔と、雑草魂でプロに入ってから才能が花開いた巨人の上原浩治という、二人の経歴の違いをクローズアップして盛り上がっている。勝者よりも、敗者に焦点を当てることによって、「お涙頂戴」の場面を演出しようとしている。高校野球の選手が、甲子園の土を持って帰る姿などは、その典型的な例であろう。

 しかし、アメリカ人は少し違う。強いものは強い、弱いものは弱い。白黒はっきりつけるのである。勝者にスポットライトが当たり、敗者にはなにも残らない。アメリカンドリームという言葉があるが、これは勝者にのみもたらされるものである。

例えば、野球は1A,2A,3A,メジャーという選手の力に応じてランク分けがされている。何百万ドルという年俸を勝ち取る選手は、その全選手のうち、ほんの数%である。相手を蹴落としてでも上に這い上がろうとする、そのハングリー精神が、今日のアメリカのプロスポーツを支えているといっても過言ではないだろう。

 スポーツのエンターテイメント性は、いろんな要素によって生まれるものである。人それぞれいろいろな見方があり、もちろんその見方を形成するのはマスコミという媒体を介してのものかもしれないが、研ぎ澄まされた技と技の競演に酔いしれるのも良し、贔屓のチームや、選手を追いつづけるのも楽しいだろう。アメリカのNBAは、選手そしてチームの力が結集したエンターテイナーの集まりなのである。個人技に多くの視線が注がれるなか、コービー、オニールを中心としたチーム力で勝ち進むレーカーズは、そのエンターテイナーの集まりの中における頂点に立ったチームである。ストライキ問題や、神様ジョーダンの後継者争いといった問題を乗り越えて、NBAは更なるエンターテイメント集団として進化していくであろう。スポーツの楽しさは、無限である。オリンピックイヤーとなる今年、日本をはじめ世界のスポーツにますます目が離せない。

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