新春特別企画です。今回は仙台を離れて郡部で見かけた変な看板を紹介しましょう。
 場所は宮城県登米郡南方町。仙台から北東へ走ること2時間ほどの田んぼばかりのところです。そんな田園風景の中に突如出現するのがこれ。よく見えないかもしれませんが「モスキート系及川鳩舎」と書いてあります。

 一体何でしょうか? 看板のすぐ下に木製の扉状のものが付いています。そしてそのさらに下にあるガラス窓はやけに下にあります。右側面の窓を見れば判るでしょう。現在は廃屋、もしくは倉庫のようなひとの出入りがあまりない施設のようです。看板右に鳩の絵があるので“伝書鳩”の飼育場か何かだったのでしょう。そう考えれば、木の扉や低い位置の窓も納得できます。

 しかーし、「モスキート系」って何でしょか? 伝書鳩にも階級があるのかしら?
この表現だといくつか系統があってその中の1つがモスキート系なのでしょうね。果たして、身長制限か重量制限があって、大会直前になると減量に入るのかな。水しか飲まないで、「おおーっ、ジョセフィーヌ(仮に鳩の名前とする)! 40グラムも減ったぞ! これで重量検査はクリアだぞ!」なんてオーナーの叫ぶ姿が容易に目に浮かびます。一方、「フランシス(これも鳩の名とする)、お前は随分と骨格がいいからモスキート系じゃ無理だ。階級上げてジュニアフライ(仮定の話)で頑張れな」ということでよそのジュニアフライ系鳩舎に移籍する、ちょっとほろりとする場面もあるかもしれません。

 伝書鳩の世界も随分とストイックなものだったのですね。なーんて、勝手な想像を喚起させるじゃないですか、この看板。月に2、3度この看板の前を通りますが、その度にかつてここで行われていたであろう出来事をあれこれ好き放題想像してしまいます。

 冗談はさておき、私はその筋のプロでないのでよく判りませんが、「モスキート系」というのは、恐らく鳩の種類ではないでしょうかね。鳩も種類によって性格がだいぶ異なってそうですから、1つの小屋の中でいろんな種類の鳩を飼うともしかしてケンカが起きるのかもしれないですね。

 ということで、鳩の世界の奥深さがお判りいただけたかと思います。鳩に興味がある方は、ピジョンスポーツ・マガジン『愛鳩の友』という月刊誌があるのでそちらを参考にされるのがよろしいかと思います。私も読んだことがないので詳しいことは知らないのですが、通勤で通る鳥屋(やきとり屋ではなく生きている鳥を売る店)のサッシの枠に縦長のポスターで『愛鳩の友』という文字と鳩の顔のアップがでかでかとのっかっているのが張ってあるのです。さて、サブタイトルの“ピジョンスポーツ”ですが、これまた意味不明です。直訳すれば“鳩の運動”です。まぁ、文字通り鳩が運動するのですが、別に鳩は必死であって“スポーツ”しているだなんてこれっぽっちも思っていないでしょう。では、鳩の飼い主で大会の参加する手続をするひとにとってのスポーツなのでしょうか? いや、スポーツと言えるほど大して動かないでしょうね。釣りにも言えることですが、それにも増して「どこがスポーツなの?」と“ピジョンスポーツマン”の耳もとでそっと囁いてあげたくなります。

 いやはや、なんともかんともニンニン。