銀輪の心臓

「どこへ行ったんだろう」二人は顔を見合わせましたら、
燈台守は、にやにや笑って,少し伸びあがるようにしながら
、二人の横の窓の外をのぞきました。二人もそっちを見ま
したら、たったいまの鳥捕りが、黄いろと青じろの、うつ
くしい燐光を出す、いちめんのかわらはこぐさの上に立っ
て、まじめな顔をして両手をひろげて、じっとそらを見てい
たのです。                      

戻る