#09 動物の眼
死んだ草食動物の眼は
まばたきができないから、水分を失って
干しブドウのように、しわしわになる。
生きているときは、いつも潤ってキラキラ輝いていた。
草食動物は、とにかく眼が大きくて飛び出ているのだ。
何度まぶたを下げても、手を離すと開いてしまう。
閉じろよ。
水分が蒸発する。
どんどんモノへと近づいていく。
だから人は、死んだときまずまぶたを閉じさせるのだろう。
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