無認可保育の供給量を決める要素

「認可園以外の施設で保育を受けている子どもの人数」を、「認可園の定員」で割った値を、無認可率と呼ぶことにします。都道府県別の無認可率の分布を、図にしてみました。
無認可率(GIF,4KB)
何となく、日本の真ん中では低く、端っこに行くほど高いような気がする。

無認可率が一番高いのは、沖縄県の100.4%です。二位の福島県(32.2%)を大差でぶっちぎりました。子供を預けて働くのが当たり前で、出生率が高く、街のあちこちに託児所がある沖縄県ならではでしょうか。

無認可率が一番低いのは、愛知県の2.0%です。しかし、認可保育所が特に多いわけではありません。理由はまったく不明。 公営保育園の私的契約児もずば抜けて多いのだけど、関係があるのだろうか。

いくつかのファクターと、無認可率の相関を求めてみました。ただし、沖縄県は計算から除くことにしました。あまりに沖縄の無認可率が突出して高過ぎるために、計算結果が沖縄の事情に大幅に引っ張られてしまったためです。
 
相関関係 相関係数
認可園定員合計と出産適齢期女性の比 弱い負の相関 -0.3
幼稚園児と認可園児の比 弱い負の相関 -0.34
認可定員と未就学児の比 弱い負の相関 -0.33
住宅地の地価 弱い負の相関 -0.38
乳幼児の母親の就業率 関係なし
女性の賃金 弱い負の相関 -0.41
一世帯の人数 関係なし
中心都市の保育料 関係なし
 
まとめると、

なお、地価と賃金の間には、強い正の相関(相関係数0.8)がありました。

元データをCSV形式でセーブしたファイルも付けておきます。
なお、各データの出所は以下の通りです。

認可定員、無認可園児、25-29歳女性の人数、世帯人員、25-29歳女性の賃金
「国民生活白書 平成9年版」 経済企画庁編、大蔵省印刷局発行
幼稚園児数
「保育年報1997 」全国保育協議会編、全国福祉協議会発行
出生数
厚生省ホームページ
住宅地の地価
国土庁ホームページ
中心都市の保育料(三歳未満児の第九層の下限を採りました)
「'97保育白書」全国保育団体連絡会 保育研究所編、草土文化発行

未就学児の人数が見つからなかったので、未就学児の人数として、「出生数×6」を使っています。

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