明通寺本堂と三重塔
Main Hall and three-storied pagoda ; Myotu-ji Temple

神宮寺とは尾根を隔てた東側にある。坂上田村麿の発願寺とのことで、神宮寺創建から92年後の大同元年(806年)の創建。密教の香りが強い。
本堂、三重塔共に鎌倉時代の再建で国宝。神宮寺もそうだったが、ここでも本堂で丁寧な説明をしていただいた。御本尊は薬師如来(藤原時代)。
古代、この辺り、小浜市の南方の山を「後瀬(のちせ)の山」と呼んだようで、万葉集に大伴坂上郎女の娘の坂上大嬢が家持に贈った歌と、家持がこれに和した歌が残っている。
「かにかくに人はいふとも若狭路の後瀬の山の後もあはむ君」(大嬢) 
「後瀬山後もあはむと思へこそ死ぬべきものを今日までも生けれ」(家持) (巻四 737、739)
後に二人は結婚し、大嬢は家持の正室になる。