講堂は鑑真和上が唐招提寺を創建したときに、朝廷から平城京に十二棟あった東朝集殿の一つを賜ったもので、現存する平城京唯一の遺構だ。新築ではなく移築したのは、和上の年齢を考えてのことだったのだろう。伽藍の中心の金堂が完成したのは、和上の後継者の一人である中央アジア系の碧眼の僧、如宝の時代だった。 次へ