毘盧遮那仏
Birushana Butsu seated

大仏様にはご無沙汰していた。10年ぶりだと思う。東大寺は昨年も一昨年も訪れたが、大仏殿の中には入らなかった。戒壇院の四天王さんには何度もお目にかかりながら、どういうことだろう。大仏殿の敷居が高いというのは冗談にしても、やはり大仏様の大きさがそうさせるのだろう。
中に入ったら大仏様と視線が合わない。視線を合わせるには大仏殿正面上部の扉を開いて、大仏殿前の広場から拝観しなければいけない。本来外から拝観して、窓越しにその大きさを畏怖をもって感じるように設計されているとすれば、中に入れば無視されたような軽い疎外感を感じるのも当然か。拝観方法が古人の設計思想に沿っていないのではないかと愚考する。    次へ