中離宮客殿
Kyakuden of Middle Villa

客殿は、中宮の東福門院(徳川秀忠の娘、和子)が亡くなった後に、光子内親王のために女院御所から移築したとのこと。
光子内親王は、女官の櫛笥隆子との間に生まれた皇女だが、東福門院の養女となり、内親王になった。東福門院の薦めによる将軍との縁談もあった。後水尾上皇はこれを拒否した。内親王は生涯独身だった。

参観後間もなく、テレビで溝口健二監督の「雨月物語」を観た。若狭姫(京マチ子)が、陶工源十郎(森雅之)を誘惑する朽木屋敷の場面を見て、棚や襖の意匠がこの座敷とそっくりなので驚いた。ここで撮影したのではないかとさえ思ったが、多分映画はセットだろう。溝口監督はこの客間を再現したのではないだろうか。
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