西明寺本堂
Main Hall of Saimyo-ji Temple

本堂は山の緩やかな傾斜に立っている。ここでも石垣がしっかりとした基礎を作っている。本堂の瑠璃殿は鎌倉初期の和様建築で、正面から見ると向拝部分が持ち上がった二重の屋根に見える。瓦屋根だとこうはいかない。本堂で善男善女に紛れて案内の方の説明をうかがった。ご本尊の薬師如来は昭和30年に開扉されて以来50年近く秘仏のままである。年に何度もお目にかかれる「秘仏」もあるが、ここはご住職も生涯で一度しか拝観できないとのことだ。したがって次の開扉はいつになるかわからない。薬師さんの両側には日光、月光菩薩が侍し、十二神将像が脇を固めている。壁を隔ててご本尊と背中合わせに裏内陣があり、不動明王さん他が座している。これは興福寺東金堂と同じ配置だ。