北野 萌黄の館
The Palace of Moegi ; Kitano in Kobe City

1903年に建てられたアメリカ総領事の邸宅が公開されている。煙突の造形が美しい。裏庭には2年前の大震災で落ちた同じ形の煙突が地面に突き刺さったそのままの姿で残されている。

北野通りを東へ歩くと「加納町」に入る。町は新神戸駅から三宮、神戸市役所を経て神戸税関前まで、南北に帯のように細長い。ここは、かつて氾濫を繰り返した旧生田川の流域であり、紀州出身の材木商、加納宗七が私費を投じて開発し、現在の神戸市街を形づくる南北の中心軸になっている。

付け替えられた生田川は、布引の滝の下から脇浜海岸まで一直線に流れ下っている。明治四年、44歳の宗七はこの大工事を3万両で請け負い、3か月で完成させた。宗七は海援隊の陸奥宗光らと共に坂本龍馬の仇討ちのため、京都油小路の旅館・天満屋を襲撃して紀州藩三浦休太郎や新選組と戦ったことがある。この工事のわずか4年前のことだ。   次へ