孝謙天皇陵
Ancient tomb of Emperor Koken

恋多き女帝だ。藤原仲麻呂を重用しながら、弓削道鏡と親密になり、仲麻呂を葬った。仲麻呂が擁立した淳仁帝を廃して、称徳天皇として重祚した。西大寺などの無用の大寺が建てられ、財政は窮迫して、奈良時代の爛熟と腐敗が始まった。
唐招提寺に孝謙帝の宸筆の扁額「唐招提寺」が残されているが、伸びのある直線と筆の運びが美しい。生まれの良さと奔放な性格がよく表われている。もし帝位につかなかったなら、本人も世の中も、もう少し幸せになったかも知れない。 次へ