成仏寺
Jobutu-ji Temple

成仏寺は岩戸寺と交代で修正鬼会行事を行っている。門前の仁王像はめずらしく二対ある。近世に寄進されたようだ。本尊は不動明王であり、寺の左手の長い石段を登ると今はささやかな奥の院がある。これも他の天台寺院同様の石窟になっている。鐘楼の鐘の下には鬼会の松明を束ねるのに使い残したと思われる太い蔓が大蛇のように蟠っていた。そういえば、このあたりに棲む悪竜をこの寺の僧、順清が岩に封じたことが「竜下山成仏寺」の由来だ。成仏したのは竜だが、つまるところは人でもある。人は鬼でもあり、したがって鬼会は千年も続いている。