多宝塔
Tahou-tou Hall

鎌倉時代の優雅なお堂だ。5月28日の業平忌に開扉される。平屋なのになぜ多宝塔という名前がついているのか不思議に思ったが、尋ねてみたら明治以前には桧皮葺きの上層部があったとのことだ。この寺を訪ねるなら伊勢物語の文庫本でも持ってくるべきだった。「昔、男ありけり。」で始まる小さな物語が集まって、恋多き業平の一代記になっている。高校の古文で読んでも理解できるわけがなかった。今ならわかる気もするが、わかっても遅い。
「月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして」(古今和歌集巻第十五)