荒池
Pond Araike

2004年12月の早朝の荒池。冷え込みもそれほどではなく、水面には氷も張っていない。「浅茅が原の向うに見える若草山一帯の新緑を窓から眺めていると、いかにも京都とは違った気分が追ってくる。奈良の方がパアッとして大っぴらである。T君はあの若王子の奥のひそひそとした隠れ家に二夜を過ごして来たためか、何となく奈良の景色は落ちつかないと言っていた。確かに『万葉集』と『古今集』との相違は、景色からも感ぜられるように思う。」(和辻哲郎「古寺巡礼」)今日は奈良の大寺を見るのは我慢して、ここから吉野に出かける。もったいない気がするが、こういう旅が一度はあってもいい。 次へ