阿弥陀寺
Amida-ji Temple

山号は心光山、浄土宗の寺だ。半島中心部の寺は天台寺院の牙城で、浄土宗はめずらしい。江戸初期にできたとのことだが、天台宗の権威から自由になろうとした赤根の人の進取の気風を表わしているようでもある。石段を登ると狭い境内に西南戦争の戦没者供養塔があった。西郷軍に加担したら慰霊塔が立つこともないだろうから、政府軍に加わって田原坂で戦ったのだろうか。田原坂では両軍の放った銃弾が狭い谷あいの空間で衝突して、食い込み合って一つの塊になったものが土中から幾つも出てきたそうだから、そのすさまじい激戦の只中で倒れたのかも知れない。「国見町史」によれば、昭和4年に種田山頭火がここを訪ね、「つかれた脚へトンボとまった」の句を残した、とある。   戻る