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――狂気が優れた作品を生み出す?
精神科医であり、作家でもあるTaigaの個人的な趣味の話をしましょう。
精神分裂病
ゴッホ(非定型精神病)、ニーチェ(分裂病)、ヘルダーリン(分裂病)、カフカ(分裂病)、フローベール(てんかん)、ワーグナー、夏目漱石など精神分裂病を患った天才は、枚挙にいとまがありません。ムンク(分裂病)は幻覚そのものを『叫び』に描いています。ドストエフスキーはてんかんの体験を『白痴』に詳しく書いています。迫害妄想に苦しんだルソーは、人権の思想を生み出しました。
分裂病圏の人は、臨床的な発病前の時期に、「真の存在」との出会いへの強い意志と激しい情熱が認められることがしばしばあります。彼らにとって、創造行為とは死を賭した冒険なのです。創造行為は分裂病の発病状況の一つです。想像の冒険の旅に出る芸術家には、創造行為は自己破壊の危険を覚悟した、果敢な真の存在追究の試みなのです。
「私が愛するのは、自分自身を超えて創造しようとし、そのために破壊する者だ」――ニーチェ『ツァラトゥストラかく語りき』
気分障害
Jamisonがイギリスとアイルランドの少なくとも一つの賞を取った詩人、小説家、芸術家47人を面接したところ、38%が感情障害の治療歴を持っています。また、軽躁状態(高揚状態)の時に高い生産性が発揮されるようです。芸術家は感情障害のハイリスクを持ち、自殺の危険性が高いと共に、気分障害が創造性の発現に寄与しているようです。
人格障害
Postが291名の世界的著名人を調べたところ、人格障害の基準(DSM-III-R)を満たす者はいなかったものの、人格障害の傾向が見られる者は、作家では90%、科学者では50%弱であったという。クラスター別では、引きこもりがちで臆病といったC群が38.9%と高かった。
家族歴
傑出人や偉大な指導者では、親を亡くしている人が多い。養子研究でも、生物学的両親に精神的異常を持った人が多いことから、環境要因よりも遺伝要因の関与が大きいようです。
IQ
創造性とIQに相関は見出されていません。
応用
芸術療法
発病と創造の拮抗
創造することにより、発病が回避、抑止され、自己治癒を助けるといわれています。
物語ることと癒し
自分の病気(身体的なものも含め)について自ら語ることは、病んだ者としての自分を認め、自分の中に病を位置づけ、一つの自己実現をもたらします。つらく絶望の淵に追いやられる孤独な出来事である病気を、自分の体験として物語ることは、回復を容易にすることさえあります。語りには癒しの効果があります。もちろん、治療者にとっても、治療を進める上で、患者が書いたものは参考になります。
精神分裂病の薬物療法の始まりとなったクロルプロマジンは、作家でもある精神科医のフランス人によって発見されました。
僕も生物学的視点を保ちつつ、創造性を発揮できればと考えています。
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