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1.山登りのきっかけ |
私が本格的に初めて「山」に登ったのは、中学校の修学旅行で大雪山の「黒岳」に登ったのがおそらく最初の「山登り」だった。中学校側が、事前に生徒の体力を判断するための強行遠足のような行事が釧路湿原を舞台に行われ、そこで「健脚」の折り紙が付けられた者だけが、日帰りで北鎮岳往復コースに挑み、それ以外の「普通」の大多数が黒岳山頂までのコースに挑戦した。 当時、北海道内の公立中学で、修学旅行で「登山」を実施している所は、大変珍しかったのではないだろうか。詳しい事情はよく分からないが、その中学は、学力別のクラス編成を取り入れたり、変な体操を作り出し、生徒に強制したりと、とにかく変わった事をやるのが好きだったようだ。今なら、事故があった場合、責任問題となり、なかなか難しいと思う。 当時は、ぶつぶつ文句を言いながら、いやいや登った黒岳であったが、最後の急な登りの後にたどり着いた山頂からの360度の眺めはそこに行かなくては絶対に見ることが出来ない風景で、強く印象に残った。その後、家族で軽い登山に出かけたり、近郊の山に山菜取りに出かけたりと、結構将来「山好」となる土壌が形成されていった。 東京での学生生活では、全く「山」とは無縁な生活を送ってきたが就職後、山好きの職場の先輩に誘われ、近郊の山に出かけるようになって、密かに培われてきた「山好」の種が発芽してしまい、現在に至っている。 |
2.山登りのスタイル |
登山を始めた当時は、職場の先輩に「連れて行ってもらって」いたが、レベルが相当違い、体力的にも、相手に迷惑をかけるという精神的負担もあって「単独行の山登り」になっていった。最初の出発は、「山で孤独を楽しむ」とか、「集団登山が嫌い」とかいうかっこいいものではなく、きわめて後ろ向きな理由での「単独行」の始まりだった。 その後、自分の体力とレベルを考えて安全に上れる山を選んで徐々にステップアップしながら、気ままな登山を楽しんでいる。 |
3.軟弱登山のすすめ |
山に1人で行く場合、最大の課題は「事故」だろう。山では、何が起こっても不思議ではない。急に病気になる場合。(以前、健康な山の大ベテランの方が、芦別岳の山頂で高山植物のお花を撮影中、急に心臓発作を起こされて、亡くなったこともある。)登山中けがをして、動けなくなる場合。悪天候で、行動不能となる場合。あるいは、突然ヒグマに襲われる可能性も十分に考えられる。北海道の山の場合、オン・シーズンの表大雪ででもない限り、そのうち誰かが、必ず通りかるという可能性も期待できない。携帯も、アマチュア無線も交信圏外の所が極て多く、最悪の場合には、人里離れた山中に、外部との連絡も取れず、1人取り残される危険が極めて高い。当たりまえの事ばかりだが、そんな危険を少しでも回避するため日頃次の事を心がけている。
続く |