函館山冬のハイキング(334m)
2000.3.12


春間近の「函館山のハイキング」を計画していたが、突然、冬将軍が戻ってきてしまった影響で、すっかり“冬山ハイキング”へと変わってしまった。 午後1時15分、管理事務所前の登山口駐車場に車を止める。駐車場は、数台の車しか駐車しておらず、閑散としている。夏の土曜のこの時間なら、間違いなく駐車場は満車状態なのに、さすが、この季節はすいている。 靴を軽登山靴に履き替え、雪よけのロングスパッツを装着する。 以前はショートスパッツを愛用していたが、ロングの方がズボンの汚れが少なくて済み、足元のまとまりもいいので少々大げさとも思われるが、最近は、夏場でも、もっぱらロング派となっている。 滑り止めの、軽アイゼンを忘れずにリュックの中に忍ばせ、午後1時20分登山口駐車場を出発する。

まず、管理事務所の横から、安全策を取って、旧登山道コースに取り付く。 登山道は、散策する人に踏み固められ、けっこう堅く締まっている。 大きな円筒形の水槽?の横を抜け、現在冬季閉鎖中の観光道路へと出る。観光道路は、山頂での工事のため、除雪されており、大型車両のわだちがハッキリと残されている。 ツルツル滑る観光道路を横切り、いよいよ、本格的に旧登山道へと進む。 登山道は、取り付き付近より滑りにくく、歩きやすいため、どんどん高度を稼いでゆく。 歩きやすいと言っても、やはり夏のような訳にはいかず、少し歩くとジワリと汗が浮き出てくる。 汗を拭き拭き登っていくと、午前中に登った子供が作ったのか少々不格好?だか、愛嬌のある“雪だるまくん”が出迎えてくれた。 坂を登りながら作るのは、けっこう大変そうなので、おそらく下りながら作ったのであろう。登山道には、踏み固められた、歩きやすい道と、ノルデック用と言うか、歩くスキーというか山スキーよりは、明らかに幅の細いスキーの滑り跡が一緒に続いている。  そうとうきれいな滑り跡なので、おそらく滑り降りた跡と思われるが、もしかしてよっぽどの上級者かもしれない。 人数はおそらく2人と思われるが、3人とも思われる跡もあり、謎が残る滑り跡である。

しばらく、つづら折りの緩い登りが続き、山頂のアンテナの林が、間近に見え始めると高度が上がったためか、積雪が多くなってきたようだ。 つつじ山駐車場まであとわずかというところで、吹き溜まりのため、相当な積雪量となっており、道を踏み外した踏み跡が、膝上ほどに深く埋まっている。 登山口から、登り始めてすぐに気がついたのだが、登山道に付いた足跡は、すべて下を向いており、山頂へと向かう足跡は、皆無なのである。 踏み跡は、一本道に近く、積雪も多いため、見逃すはずはなく、おそらく山頂にはほとんど人が居ないことが予想される。 深い吹き溜まりを抜け、何とかつつじ山駐車場到着が午後1時45分。 夏なら、ここまで平均で約15分の行程なのに、やはり雪道では、倍に近い時間がかかってしまうこととなるようだ。

つつじ山から、除雪された観光道路を通って、山頂へ向かう。 途中、麓から登ってくるロープウエイと出会う。 ロープウエイには、たくさんの乗客が乗っており、冬の函館観光も盛況のようだ。 ロープウエイの下をくぐる、山頂へと向かうが、駐車場とトイレの改修工事が行われており、工事車両が忙しく動き回っている。 しかし、観光道路から展望台への通路は、全く遮断されており、誘導の警備員も全く、見あたらない。 そもそも、こんな季節に、のこのこ下から登ってくる人間を想定しろというのが大きな誤りとも思えるが、こんな季節でも、登山者がいることは、分かっているのに、全く展望台への通路も確保していないのは、いかがなものか。 ぜひ、市役所に改善を求めたいものである。

山頂到着は、午後1時55分。 予想以上に、風が強く、帽子が飛ばされそうとなる。 頂上展望台で写真を撮り、早々に下山する。 山頂から降りた所で、初めて、中年の登山者と出会う。 挨拶を交わし、山頂からつつじ山展望台駐車場に戻り、旧要塞跡の砲台の横から、千畳敷方向へ向かう。 途中、千畳敷方向から来た、男性の2人組に出会う。 上から、下まで今時のアウトドアスタイルで決めている。 でも、年齢は50歳前後と私より一回り上と思われるがけっこう渋い。

千畳敷到着午後2時15分。 千畳敷の広場でしばらく休憩を取るが、天気が下り坂となり、激しい雪となる。 早々に、千畳敷広場を出発し、旧登山道を急いで下山する。 登りは、軽アイゼンの必要性を全く感じなかったが、さすが下りは、けっこう足元が不安定となる。悪天候を避け、全速力て゜旧登山道を駆け下り、登山口駐車場到着午後2時30分。 この時期としては、雪に悩まされたが、静寂に包まれた函館山の魅力を、十分楽しむことが出来たと思う。