僕達はシャトルの発着場に着くと、VIP用の控室に案内された。


僕はシャトルの搭乗手続きを済ませた後、

残りの時間を、皆と昔話に花を咲かせた。


出発まで残り40分に迫った時、ミサトさんが個室に、僕とアスカを案内してくれた。


部屋にアスカと2人で入った途端、アスカは僕にしがみ付いて号泣した。


僕達は激しくキスした後、アスカが僕の顔を見ながら言った。


アスカ:シンジ、私、シンジが私から離れて欲しくないの。

        もう一人になるのは耐えられないの。


        いつもシンジを苛めるのは、

        何時も私を見て欲しいから、

        何時も相手にして欲しいから、

        何時も私だけを考えて欲しいから。


        いつもシンジを叱るのは、

        シンジに立派になって欲しいから、

        私好みの男になって欲しいから、

        愛しているから。


        いつも私がシンジに求めるのは、

        何時もシンジを感じていたいから、

        何時もシンジと気持を共有したいから。


        私が日本に来た一番の理由は、仕事じゃない。

        私がシンジを想う気持を押える事が出来ずに、

        シンジに気持を伝えたくて来日したの。もう離日はしない。


        仕事は、たまたま日本に研究所が作られる事になったから、

        extremely fortunate 幸運なだけ。

        仕事を辞める覚悟でもいたの。


        シンジが私に付き合ってと言ってくれるまで、とても不安だった。

        だって4年間も何の連絡も無いから。

        4年前、シンジの顔を見ると辛くなるから、空港へ来ないでと言ったの。

        多分シンジの事だから、私が嫌ってると思ったんじゃないの?


        私、いつもシンジに辛く当ってたのは、

        シンジが私に、私に対して何の気持も伝え様としないから、

        イライラしてたの。


        私、私がEVA02に乗らなくなった今となっては、

        ミサトと同居する必要が無いもの。

        でも、一時(いっとき)でもシンジの傍に居たかったから、帰って来たの。


        私がシンジに気持を伝えなかったのは、

        シンジから本音を聞きたかったの。

        私から告白すれば、シンジが了承するのは解ってた。

        それでは嫌だったの。        


        シンジ、私は今は幸せ。

        昔は、男や子供なんて要らないと思ってた。

        でも今は、私にとってシンジは私の一部。

        私が生きていく上では必要不可欠な存在。

        だから、浮気しても良いから、必ず帰ってきて。お願い。

僕は胸の中にいるアスカの髪を撫でながら

僕    :浮気なんかしないよ。

アスカは僕を見上げて、悪戯っぽく

アスカ:無理しなくても良いのに。

        4年も我慢してたら、また鼻血出るわよ。

僕    :僕は普通の男の人と違うみたいで、

        アスカ以外の女性を見ても何も感じないんだ。

        鼻血が出るのはアスカだけだよ。

        僕は、アスカの気持が十分 解ってるから。

アスカ:うん。I have conceived a deep love for you.愛してる。

        I profess yours love.愛していると誓います。

僕    :僕もアスカを愛していると誓います。


ミサト:あと、5分よ。

ミサトさんの声がドア越しに聞えた。


僕の両手でアスカの頬を包んで、アスカにキスをした。

アスカは両手を僕の胸に当てて、震えていた。


キスが終ると

アスカ:ふうっ・・シンジ、キスが上手になったね。

僕    :そうかな?

アスカ:うん。とっても心が籠(こ)もってた。

        Hも上手になったし、えらい、えらい。

僕    :アスカに誉められるの初めてだよ。

アスカ:そうだっけ?

        ふふっ、シンジ!私、頑張るから!思いっきり暴れてきて!


        じゃあ、そろそろ行こう。


僕とアスカは、しっかりと手を繋いでドアの外に出た。

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僕は皆に挨拶した後、搭乗口に向った。


アスカはミサトさんに抱き付いていた。


綾波が僕のアタックザックを持ってくれた。

レイ  :お兄ちゃん、頑張ってね。

        お姉ちゃんと、未来の子供は私が守るからね。

僕    :ありがとう。毎月、MDかDVMを送るよ。

レイ  :うん。

        お兄ちゃん、お姉ちゃんを悲しませるような事しちゃ駄目だよ。

僕    :解ってる。


僕と綾波はお互い見つめた。

綾波は僕に手を差出した。

僕と綾波は握手した。

レイ  :シンジ、頑張って!

僕は搭乗口を抜けてシャトルに搭乗した。

2021年9月10日(Fri) 快晴/無風 15:00

スペースプレーンは、ロケットブースターを点火して、空高く舞上がった。

辺りには爆音と水蒸気を残して・・・

/* 出発 fly me to the moon */

次回、思いの露

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