LCLの海。砂浜に横たわっているシンジとアスカ。
赤黒い不吉な空。瞬く星。
ふと、横を見るシンジ。
水の上に立つ制服姿のレイ。
次の瞬間、そこには何もない。
シンジは、上半身を起こすと、しばらくアスカを見ている。
シンジは、馬乗りになると、ゆっくりとアスカの首を絞める。
シンジの顔を見つめているアスカ。
シンジの頬に、包帯が巻かれたアスカのそっと右手が触れる。
首を絞めていたシンジの手がゆるむ。
すすり泣くシンジ。涙がアスカの頬に落ちる。
アスカ「気持ち悪い……」
******
海に向って膝を抱えているシンジ。
ただ横たわって空を見詰めているアスカ。
不意にアスカが立ち上がる。
「シンジ?」
つらそうに振り向くシンジ。
「?」
「アタシ、行くわね。」
「!ど・・・どこへ!」
「どこか。アタシの居るべき所!」
「・・・僕を・・置いて行くの?」
アスカは背後の山並みをじっと見詰める。
「・・・そうね。」
「どうして!・・僕を置いてかないでよ!・・僕には…・ア、アスカが必要なんだ!!」
まっすぐシンジを見据えるアスカ。厳しい表情。だがそれが不意に緩む。
「・・・・・・そう。・・・今なら、それが本当だって事、信じられる。・・・・
・・・でも、・・私は駄目なの!。」
それからシンジに背を向け、歩き始める。
そして立ち止まり、
「わたし、貴方を愛せるようになるなんて、全然、思えない。
ゴメンね・・・。今は駄目。
私は、まだ私じゃない・・・。」
アスカは走り出す。それをぼんやり眺めていたシンジ。
そして膝を抱えて再びすすり泣き始める。
やがて人々は自分の姿を取り戻し帰ってきた。復興が始まったのだ。