2025年9月12日(Fri) 快晴

僕は自分の店の厨房で料理をしている。

今日はお世話になった人に集ってもらい、僕のデビュー作を味わって貰うんだ。

綾波も僕の隣で手伝ってくれている。


カズミは大人しくテレビを見ていた。


僕はお昼ご飯をテーブルに並べながら

僕    :カズミ、ご飯だよ。

カズミは席に就くと

カズミ:いただきます。


カズミは僕とアスカの間に授かった子供。

僕がフランスに行ってた間、綾波が育ててくれた、

その為か綾波の事をママと呼ぶ。

性格も綾波に似て、おっとりしていている。

綾波には言葉では表せない程、お世話になった。

精神的な面は勿論の事、

このお店と家を作るのに要したお金の8割を綾波が出してくれた。


昼食後、暫くして綾波は厨房へ消えたが、

僕は綾波の要望により、暫くカズミと遊ぶ事にした。


カズミは僕と会って10日目というのに、

もうすっかり僕に懐(なつ)いて、

何時も僕の膝の上に乗って、胸に凭(もた)れ掛って寝てしまう。

カズミはアスカにも懐いているのだが、やはり一番は綾波で、二番が僕みたいだ。


カズミは、僕の膝の上に頭を乗せて寝てしまった。

カズミは3歳の筈なんだけど、見た目と知能は、7歳の子供と変らないのだ。

僕はカズミの髪を撫でた。

髪の質は綾波に似ている。

お風呂を綾波と入る事が多い為か、綾波と同じ匂いがする。

顔も綾波に似ている。

何だか不思議な感じだ。


僕と綾波は医学的には親子だから、

カズミが綾波に似るのは不思議ではないのだけど・・・

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17時に皆が揃ってやって来た。

加持さん、ミサトさん、ミサトさんの子供、ペンペン、青葉さん、青葉さんの子供、

日向さん、日向さんの子供、伊吹さん、冬月さん、冬月さんの子供


伊吹さんは青葉さんと結婚していた。


17時10分

トウジと洞木さんがやって来た。

洞木さんは結婚していて、鈴原となっていた。


トウジはカズミを見て、

トウジ:綾波が二人・・せやけど、惣流が二人やのうて良かったな


17時20分

アスカは居ないけど、皆に食べ始めてもらった。

円卓テーブルには、ヨーロッパで知った田舎料理を並べてた。


17時30分

爆音が響いた。

綾波が来たわねと言った。


お店の前に真赤なスポーツカーが止った。

エンブレムには跳ね馬が付いていた。


車からアスカが出てきた。

トウジ:相変わらず、派手なやっちゃな。

アスカはお店に入ると、頭をペコッと下げて

アスカ:遅れて済ませんでした。

トウジ:遅刻やで!

アスカは微笑みながら

アスカ:ごめんね。

        シンジ!車を駐車場に廻して

アスカが僕にキーを渡した。

トウジ:相変わらず人使いが荒い奴。

僕    :えっと・・僕、車の運転できないんだ・・

綾波がキーを受取り車に乗込んだ。

タイヤを空転させて、白煙を上げながら駐車場へ車を運んだ。

アスカ:シンジ、早く車の免許を取らないとね。


全員が円卓テーブルに座った。

席の並びは、僕の右にはカズミ、綾波、洞木さん、トウジ、

青葉さん、青葉さんの子供、伊吹さん、日向さん、日向さんの子供、

冬月さん、冬月さんの子供、ミサトさん、ミサトさんの子供、加持さん、アスカ


ミサト:さて、みんな揃った事だし、そろそろ始めましょう。

        今日の主役はシンジ君だからね。

僕はスープを注ぎながら、

僕    :えっと・・・今日はお忙しいところ来て頂いて有難うございます。

        今日は僕の奢(おご)りなんで思う存分食べてくださいね。

アスカ:そうよ、シンジの手料理を食べられるあんた達は幸せもんよ。

        残したらビンタするからね。


洞木  :このお店は何の料理を扱うの?

僕    :うん。

        今、円卓に並べてるヨーロッパ中の田舎料理や、

        日本の田舎料理を出そうと思ってるんだ。

        洒落た料理ではないけど、

        美味しくて、リーズナブルな料理にしたいと思ってるんだ。

伊吹  :美味しいわよ。

        構えて食べなくても良いわね。

冬月  :これなら何時でも食べたくなるな。


洞木  :お店の名前は決めたの?

僕    :まだなんだ。

トウジ:ど根性、がええな。

レイ  :初号機?ATフィールド?

洞木  :オリーブはどう?

        花言葉で平和を意味するの。

伊吹  :じゃ、rose(薔薇)はどう?

        花言葉は純愛。

        シンジ君とアスカにぴったりでしょ。


ミサト:アスカはどう考えてるの?

アスカは綾波を見ながら

アスカ:私はReiが良いと思うの。

ミサト:レストラン Reiか。


アスカ:このお店を出すのに、2億円はレイが払ってくれたの。

        家を建てる時だって、15億円はレイが払ってくれたの。

        だからって訳じゃないの。


        レイはこの4年間、私を何時も支えてくれたの。

        一緒に居て良く解った。



        レイはシンジの事、愛してるでしょ。



        もし、シンジとレイが、血の繋がらない他人なら、

        レイはシンジを選んでると思うし、

        シンジもレイを選んでると思う。


        私もシンジは取られたくないから、

        レイに宣戦布告するけどね。

        けどレイなら諦めも付くかもしれない。

        私は諦め悪いけどね。


        レイは私の生涯のrival、好敵手。

僕    :アスカ・・・

綾波はカズミを抱しめて泣いていた。

カズミはママと言いながら、綾波の髪を撫でていた。


トウジ:よっしゃ、今日からこの店はRestaurant Reiやな。

        看板は、このデザイナーのわいに任せてくれ!

洞木  :玄人跣(はだし)だもんね。

ミサト:へー、鈴原君、頑張ってるじゃない。


トウジ:そらそうと、シンジも惣流も痩せたな。

        何発やったんの?

僕    :・・・80回かな・・

トウジ:シンジも言うようになったな。

アスカ:帰って来た日が15回、金曜日が7回、土曜日が10回、日曜日が13回、

        それ以外は毎日5回ずつで85回よね、シンジ。

トウジ:・・・・

レイ  :・・・・

ミサト:・・・・

洞木  :・・・・

シンジ:みんな、どうしたの?

        何か変かな?

トウジ:お前ら、やっぱ、おかしいわ。

        人間離れしとるわな。

シンジ:そうかな?

洞木  :1桁多いと思う。

ミサト:1月に1回かな・・・

アスカは僕の手を握り締めて

アスカ:いいの!

        私とシンジはこれで旨く行ってるんだから。

トウジ:そうやな、

        そんなに愛し合えるお前らは幸せやもんや。


それから和やかな雰囲気の後、何時もの乱痴気騒ぎとなった。

/* 新しい生活 restaurant Rei */

次回、日常

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