第8話「Relience 『Reason,2-C』」
「そっか・・・確かに昨日は私、変だった。何だか私の中で勝手に解釈して・・・
自己完結しちゃって・・・変な事言ってゴメンね・・・シンジ・・・
(あれ、何言ってるの私?嫌われたいのに、馬鹿にして振ってやるつもりなのに・・・
これじゃ仲直りのセリフじゃない。しかも私から謝ってる・・・仲直りしたいの?
そう・・・嫌われたくないのは・・・私・・・
コイツの前ではいつの間にか素直になってしまう・・・それが今のアスカ・・・
下手なプライドや誇りの彩色がない・・・下地のアスカ・・・それが今の私)
でも一つ聞きたい。昨日はなんであんなに急いでたのよ。何かあったわけ?
私を無視してまで足早に歩くなんて・・・あれが私の誤解の元なんだけどな」
シンジは恥ずかしそうにうつむきながら口を開く。
「そんな・・・無視してた訳じゃないよ。
実は・・・格好良く言えばアスカに風邪を引かせないために急いだんだし、
ホテルに着いてから話は暖かいカフェでしようと思ってたんだ。
でも本当は・・・黙っていた最大の理由は・・・
アスカは固唾を飲んで待つ。昨日のシンジの黙っていた最大の理由って・・・何?
・・・・・・トイレに行きたかったんだ。しかも両方」
「はぁぁっ??」
アスカは呆気にとられると同時に馬鹿らしくなった。
そんな事のためにブルーになっていたのかと思うと今までの悩みや
昨日の想いや行動がアホらしく思えると同時に、
昨日の事はすっきり水に流せそうな気がした。
「このっ!」
アスカは背を向けるシンジに軽く正拳突きを当てた。
シンジは恥ずかしさでビクついていただけに軽く当たったアスカの拳に必要以上に
反応して、飛び上がらんばかりのリアクションをしながらアスカに向かい振り返る。
「いきなり何するんだよ。驚くじゃ・・・・ない・・・・か・・・」
シンジの言葉尻の声量が落ちていった。
彼は自らの目の前で少し微笑んでるアスカに見とれてしまった。
心臓の鼓動が早鐘を打ち、彼の耳にまで聞こえるほどに鼓動が膨らむ。
この時シンジがアスカを別の目で初めて見た瞬間であり、
これはシンジにとっては初めての感覚、感情だった。
アスカは微笑みながら1歩シンジに歩み寄る。今までとはまるで違う胸の動悸が
シンジを襲う。アスカはそんなシンジに笑いかけ、
「ば〜か!アンタみたいな情けない奴初めて見たわ。
ま、気兼ねなく付き合えるって所が良いのかもねっ」
そう言って彼にウインクする。
シンジは口から飛び出しそうな心臓を感じながらアスカの青い目を見ていた。
「・・・ねえシンジ」
アスカもシンジの黒い瞳を見つめている。
「な、何?」
シンジがそう聞き返すとアスカは目線を落とし、
庭の芝生を泳ぐように視線を彷徨わせながら、口を動かした。
「これからは期待しないから・・・今まで通り・・・相手・・・してくれるかな」
彼は悲しそうな、恥ずかしそうなアスカを抱きしめたい衝動にかられる。
今回は本気でそう思った。しかし彼はアスカを抱きしめる事で被る不利益が恐かった。
折角また笑いかけてくれる彼女を一時の感情に任せた行動で失いたくはなかった。
彼は自らの欲望に負けるほど弱い人間ではない。
かといって今この感情が一時の物とも思っていない。
彼は彼女を明らかに今までとは違う目で見ていた。
熱気を秘めた瞳の視線が彼女に注がれている。
シンジも彼女を本気で好きになりかけていた。だがここで口に出すことはない。
この感情はまだ彼すら理解は出来ていなかったのだから。
そんな彼であるから返答はアスカの要望通りの当たり外れのない物だった。
「もちろん。アスカは僕の大切な友達だもの」
彼女がシンジに振り向くのに合わせて彼はアスカに微笑み返す。
アスカも胸を撫で下ろした様に表情も緩やかに変化していき、彼に優しく笑いかける。
「ほら、いつまで油売ってるの。レイが待ってるから早く戻ってあげなさいよ」
機嫌良さそうな声。アスカはシンジの横を通り過ぎて自室に帰ろうとしたが、
「ア、アスカ。良かったらこれから綾波の看病一緒にやってくれないかな」
シンジは出来ればレイをアスカに看て欲しかった。レイと同じ部屋で暮らすのは
何かと問題があったし、言葉通りアスカと一緒にいたかった。
それを聞いたアスカは振り返ってシンジに向かい、
「今から?」
「う、うん・・・」
「悪いけど、私これからデートなのよ。ごめんね」
『ココン』
4時ジャストにアスカの部屋をノックするのはアベル。
彼は全身純白のタキシードに白いエナメルの艶のある靴を履いていた。
胸元には1輪の赤いバラが飾られており、アベルはそのバラを抜いて臭いを嗅いだ後で
バラを持った手を戦闘配備位置に固定した。
その頃アスカがようやくドアノブに手をかける。彼女の服装は昨日と同じ服装だった。
同じ服を2日続けて着るのには抵抗があったのだが、他にドレスがなかったので
このドレスを仕方なくクリーニングに出して、今日また着ていた。
そしてアスカがドアを開けた時、目の前に1輪のバラが差し出された。
「こんにちは、フロイラインアスカ。お迎えに上がりました」
アベルはそのバラを持った手を自らの胸の所まで持っていくと、そのまま1礼した。
「ご、ご苦労様アベル」
そう言う彼女にアベルは持っていた真紅のバラを、再び彼女の前に差し出した。
「そのドレス、とてもお似合いですね。そのロインズリボンが魅力を更に引き出して
実に魅力的だ。しかもそれを纏う君は雲に舞い降りた天使のように美しい。
あなたこそ、この真紅のバラに最もふさわしい可憐な女性だ」
アスカは口元をちょっとヒクつかせながらもバラを受け取った。
「・・・ありがとうアベル。そう言ってもらえてうれしいわ」
(・・・凄い人ね・・・彼の爪の垢を煎じてシンジに飲ませてあげたいわね。
いや・・・でも少しだけにして欲しいけどね)
「さあ、では参りましょうか。フロイラインアスカ」
「えぇ」
彼らは会場に向かうためにホテルの正面玄関に向かった。
『ガササッ』
ホテルの通路に置かれた観葉植物の物陰から出てくる彼は碇シンジ。
彼は先程の光景を見ていた。
というよりもアスカのデートする相手をこの目で見たいという気持ちがあったので、
ここに張り込んでいた。彼は服に付いた葉っぱを払いながらアスカが去った方向を眺める。
「なんだよあの男。キザで派手、おまけにナルシストじゃないか。
何でアスカはあんな奴と一緒に・・・まあ確かにいい男だし金持ちそうだけど・・・」
そう呟くシンジは(何やってるんだ)という意識が強くなってきた。
『悪いけど、私これからアンタとは違う素敵なカレとデートなのよ。ごめんね』
シンジは少し誤植の付いたアスカのセリフを思い出した。
(くそぉ〜。あんな奴のどこがいいんだよ。あんな奴のどこが・・・
いいじゃないか、別にアスカが何処で誰と何してようが関係ないよ)
そう思うことにして、レイの待つ自分の部屋に帰り始めた。
しかし頭の隅ではアスカのことがどうしても忘れられなかった。
「でも・・・本当に良かったんですか?あの決断で」
「もちろんさ。僕もいずれはやりたかったからね。今がいい潮時だよ。
それに僕のレーサーとしての才能のなさをマヤちゃんも知ってるだろ。
元々去年レーサー不足で技術畑から駆り出されたにわかレーサーに
才能なんてある訳ないし、第一この方が向いてると思う」
EVIA施設内の廊下で歩きながら話をするマヤと日向。マヤにしても日向の気持ちは
理解できた。2年間走ってきて通算ポイント2点・・・あまりに報われない成績では
そう思うのも無理はない。だが確かに今リツコから相談された職の方が彼の才能、
経験を生かせるのは間違いのないことだった。
「私は日向さんが才能がないとは思いません。確かに成績はイマイチでしたが・・・
あっ、いえ・・・パッとしませんでしたが・・・ア、ソノ」
どうも上手くフォローを言えなかったマヤに日向は笑いかける。
「はは、いいんだよ。その通りさ。だから分かるだろ?。
2つ返事でOKした僕の気持ち」
マヤは黙って聞いていた。
「そういう意味では今回の話はチャンスなんだ。願ってもない話だよ。
このままレーサーとして生きて行くよりも監督として頑張ろうと思う」
綾波は昨日までの疲れからか、僕が帰ってきたときには彼女は寝息を立てていた。
まあ今日の彼女の状態からしてもかなり歩いて来たのは明白だったから
疲れていたんだろう。そして食事を取り満腹になれば眠くなるのが自然だろう。
綾波は今までぐっすりと眠っていた。
僕は薄暗い部屋で綾波のベッドの横で彼女の寝顔をずっと見ていた。
僕はアスカと別れた後、この部屋に戻ってきてからずっとこうしている。
彼女を眺めながら不思議な感覚を覚えていた。前から知っているような感じ。
その愛くるしい寝顔の彼女をずっと前から知っている感覚を僕は感じていた。
普段、目がキリッと鋭い眼光の彼女とはまるで違う穏やかな寝顔を懐かしく感じる自分。
今まで眺めていて動くことのなかった唇が少し動いた。
何かを言っているようであったが声にはなっていない。
ベッドの横に置かれた照明器具に薄っすらと照らされる綾波の閉じた瞼の下が鈍く輝く。
それと同時にベッドの中から左手が滑り落ち、軽く握りしめてられていた。
僕は彼女を夢の中にまで迫ってくる程の事とは何か、彼女に何があったのか
無性に知りたくなった。しかしそれは聞いてはいけないことだった。
僕は投げ出された手をベッドに戻そうと綾波の手を握った。
彼女は落ち着ける場所がないのだと思う。だからせめてここだけは彼女の居心地を
良くしてやりたい。なにせ今の彼女は夢の中ですら安息の地ではないのだから。
僕は綾波の手をベッドに入れて、手を離そうとした時、綾波が僕の手を
握り返してきた。今まで外していた視線を彼女の顔に合わせると
綾波は目を開いていた。潤んだ赤い瞳。まるで宝石のような綺麗な瞳。
僕はどれくらいの時を彼女の瞳に費しただろうか・・・。
「このまま・・・
彼女の声で、我に返る。切ないような細い声。
・・・握ってて」
ここに来たときは冷え切った氷のような冷たい手、でも今は温かい手。
彼女の心も溶けだしているように思えた。それがこの行動。
綾波は僕を信じてくれようとしているし、僕だけは彼女のオアシスになってあげたかった。
「大丈夫、僕はずっと側にいるから。
疲れてるだろ、今日はもう10時過ぎたし、このまま寝ちゃいなよ」
そう言いながら僕は綾波の手を握り返す。
「でも碇君は・・・どこで寝るの?」
この部屋にはベッドは一つ。もちろん綾波が寝ているのがそのベッド。
「ああ、僕はそこの床で寝るよ。明日になればツインルームを予約してあるから」
綾波は僕の手を強く握ると少し引っ張ってきた。
「駄目。私と同じ思いはして欲しくない。・・・一緒に寝ましょう」
「ええっ?!でも・・・そんな・・・」
「あんな辛いこと・・・碇君に味わって欲しくない」
憂いを秘めた瞳が僕を見る。彼女は僕の事を本気で心配してくれている。
でもここの床で寝たとしても綾波が昨日受けた苦痛に比べれば天国だろう。
僕は彼女の思いを無にするのは気が引けたし、このまま彼女が眠れなくなっても困る。
真剣に心配してくれる、赤い憂いを秘めた潤んで綺麗な瞳の彼女・・・。
僕は・・・その瞳に絆されるように招きに応じてベッドの中に入っていった。
握られた手はそのままに、彼女の横に体を横たえる。
「・・・あったかい。僕も寝るから綾波も眠りなよ」
彼女は一度頷きを見せると、ルビーをその瞼の奥にしまい込んだ。
僕は顔を傾げて瞳を閉じている彼女の顔を見ていて、このままじゃダメだなと思う。
いくらなんでもこのシチュエーションはまずいから・・・。
綾波が寝息を立て始めたらフロントで布団を借りてこよう・・・。
君が眠るまでは手を握り続けてあげる・・・。
ゆっくり、安心して眠りなね・・・綾波・・・。
僕は彼女の顔に向かい、そう思いかけて彼女の手を少し握りしめていた。
流石にもうこの時間には車はまばらで、周りには私達の車しかない。
彼方まで続く街灯とその先にライトアップされた橋の光一つ一つが存在を主張し、
宝石箱の中を走り抜ける程の綺麗さを味わいながら、広い三車線の道路に
この車のエキゾーストの演奏のみが流れる。芸術的なその調べも楽器にして、
この車に流れる楽曲に深みを出していた。静かなバイオリンの調べ。
優雅なフルートの響き。流れるようなテンポ。全てが気に入ってしまった。
私は彼との会話そっちのけでこの音楽に聴き入っていた。適度にはいる雑音も
この楽曲には合っていた。そして3回目の演奏が終わった時、彼はCDドライブ
に入っていたCDをケースに入れて渡してくれた。
「気に入ってもらえたようですから、プレゼントしますよ」
この楽曲の名前は「ルドルフ」ドイツ・ハプスブルグ王朝のご先祖を忍んだ楽曲。
特に有名作曲家が作曲したわけでもないが、全てのメロディーが私の好みだった。
かといって市販はされてないということだった。いわばアベルの家歌とでもいう音楽。
「ありがとう。よく見てるわね、流石はプレイボーイアベルね」
そんなちょっと意地悪な口調にも彼は笑って
「ハハッ、それはどうも。女性の望む事一つ分からないようじゃ男じゃありませんよ。
そういう意味でプレイボーイというのは最高の誉め言葉です。
特にあなたのような美しい女性の言葉なら尚更嬉しいですよ」
今日彼とつき合ってみて本当に良く気がつく人だと感じた。
パーティーでも忙しい身なのに私の事を忘れることはなかったし、
態度も紳士的でとても好感が持てた。
少し尖った私の言葉にも柔らかく対応出来る柔軟な性格、話術と一緒にいて楽しかった。
「まあ確かにあなたは素敵な人ではあるけどね。でも私を口説こうとしても無駄よ」
「そうですね。あなたの態度から分かってますよ。でも僕にはあなたを振り向かせる
自信はありますよ。それにあなたの想いの人って彼でしょう?
フフッ、彼のようなくだらない男に良くあなたが惹かれましたね」
アベルの言いように今日初めて嫌な思いだった。
シンジを馬鹿にされたことで頭に血が上る。
とっさに私は彼に向かって文句を言いたくなった。
「くだらないなんて事はないわ!シンジは優しくていい奴だもの。
会った事もないで文句を言わないでよ!」
私がキツい口調で言ってるにも関わらず彼は冷静に切り返す。
「大したことありませんよ。ドライビングだってヘルナギサの方が遥かに上手い。
しかも性格もアレでしょう?議論の意味すらありませんよ。それに僕は今日彼に
会ってますよ。僕があなたの部屋に行ったとき隠れて覗いていたのを見ましたから」
「覗いてた?私とあなたの事を?」
「えぇ。観葉植物に隠れてね。僕はああいう人間は嫌いですね。最低な輩ですよ」
あまりの言いぐさに腹に据えかねた私は殴ってやろうかと思ったが、言葉で返す。
「そ、まああなたもいずれ分かるわよ。最終戦でシンジにボロボロに負けて
彼の凄さを思い知る事ね。あなたがそう言えるのも今の内だけよ」
その時彼は私に対して微笑みかけてきた。
「そうですか、じゃあ賭けをしませんか?僕と彼どちらが勝つか」
「いいわね。受けて立つわ。私はもちろんシンジが勝つと思うけど」
「ほう・・・これでBETが成立しましたね。で、何を賭けましょうか」
「そうね・・・あのニューマシンを来年私とシンジに供給するってのはどう?」
(*あのニューマシンはウエールズ家の出資の元に完成した物であるから
ゲンドウも何も言えないところがある)
「よろしいですよ。では来年ニューマシンをあなた方にプレゼントしましょう」
「ずいぶん気前がいいわね。で、あなたはどうするのかしら」
「決まってるでしょう。僕の欲しいのはあなたですよ、フロイラインアスカ」
「えっ?」
戸惑う私に彼は私を見つめながら
「恋人とは言いません。・・・私が勝ったら、一晩お相手願いますよ」
これの意味する事は私にも分かった。流石に即答は出来なかった。
暫しの沈黙が車内に流れた後で彼が口を開いた。
「そうですよね。勝てる自信のない賭けに自分を賭けるわけには行きませんものね」
私の頭に血が上る。漫画なら頭からピーって湯気が上がるところよ。
「いいわ!その賭けで行きましょう!シンジは絶対勝つもの!」
そう言った時ホテルに車が横付けされる。出来過ぎてる、そう思った。
彼が車を止め、私に向かって
「では、それでよろしいのですね」
もう私としても後には引けなかった。
「ええ、早いところニューマシン用意する事ね」
彼は私に軽く笑いかけた後で外に出て助手席側に回り、ドアを開ける。
私は持っていたバックに貰ったCDを入れる。そして車から降りる私に、
「次にお会いするのはサーキットですね。これで楽しみになりましたよ」
「そうね。私も来年はあの速いマシンで走れると思うとワクワクするわ」
彼はドアを閉めながら私を部屋まで送ろうとしたので、
「ここでいいわ。もう遅いし」
それを聞いた彼は私の手を取ってきた。いつもの挨拶かと思ってさして
気にしなかったが、彼は私の手を掴むや否やいきなり抱き寄せられた。
(なっ?!)
驚く間も、抵抗する間もなく彼の腕の中にいた。
「ちょっ」
文句を言ってやろうと上を向いたとき視界に彼の顔が一杯に広がる。
その後で彼の唇の感触が・・・私の・・・・・・・唇に
「・・・・・んっ・・・・・・・・」
必死で引き剥がそうとした。でも彼の左腕が私の腰に強く巻き付き、
首を捻ろうにも顎をしっかりと捕まれて動きが取れない。腕で引き剥がそうと
して肩を思い切り押したがビクともしなかった。その時!
「!!」
視界に見慣れた奴の姿が映った。目は合わなかったが紛れもなくシンジ・・・
その瞬間・・・頭が真っ白・・・
その後はどうしたのか、
どうやって別れたのか、
どういう風に帰ってきたのか
記憶に無かった・・・・・
・
・
・
・
・・・気づいた時には私の部屋で泣きながら口を洗っていた
私はワナワナ震えている手に持つ物を見た
手にはホテル据え付けの歯ブラシ
ブラシは既に広がっていて
そこに赤くなった歯磨き粉の泡が付着していた・・・。
=次回予告=
アベルの行為・・・悲観に暮れ、自らを追いつめてゆくアスカ。
一方、マヤに見つかったレイ。マヤはレイに麻酔薬を打ち込み、シンジの部屋から
強引にEVIAに連れて帰った。そして・・・手錠につながれた彼女の前にゲンドウが現れる。