2021年9月9日(Thu) 快晴

僕とトウジは、デパートに居た。

アスカと洞木さんが来るのを、吹き抜けのフロアーで待っていた。


明日の出発を前に、皆で最後の時を楽しむのだ。

突然トウジが

トウジ:なあ、シンジ

僕    :何?

僕はアイスクリームを食べながら答えた。

トウジ:あの金髪姉ちゃんの後姿。

        エッチな体しとるな〜

        見てみ!

        あの足、生唾もんや。

        体の線もグッドやし。

        ええな〜

トウジを見ると、鼻の下を伸ばして間抜面していた。

僕    :トウジ、涎(よだれ)!オヤジ臭いよ。

        それに女の人をそんな風に見るなんて失礼だよ。

トウジ:何言うてんねん。

        あれは、男を挑発する体や。

        男なら、これで喜ばんで何で喜ぶんや。

        シンジ、蒲魚(かまとと)ぶらんでええ。

        お前も男なら、興奮するやろ。

僕    :どうしてさ。

トウジは呆れたように

トウジ:お前は、おかしんちゃうか?

僕    :だって、あれ、アスカだよ。

トウジ:げっ・・・・・

僕    :アスカ!こっちだよ。

トウジ:シンジ声掛けるな!

アスカが傍に来た。

トウジは、ばつが悪そうに下を向いた。

アスカは僕に挨拶した後、トウジの様子に気付いて

アスカ:バカトウジ。

        何、下向いてるのよ。

        相変わらずスケベね!

        まあ、私も罪よね。

        でも御生憎(おあいにく)と、この体はシンジのものなの。

        卑陋(ひろう)な目で見ないでよね。

        ヒカリに言うわよ。

トウジ:すみません。

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夕方、16時帰宅した。

最後の晩餐、アスカが腕によりを掛けて素敵なディナーを作ってくれた。


夕食後、時計を見ると、何時もアスカが見るドラマが始る時間になった。

何時もなら我先に飛んで行くのに、テーブルから離れ様としなかった。

僕    :アスカ、もうドラマ始ったよ。

アスカは僕を見つめていた。

僕    :どうしたの?

アスカ:シンジに聞きたいの。

        ねえ、子供の事どう思っているの?

        シンジが10代で子持になるのって嫌じゃないの?

僕    :いきなり何、言ってんだよ。

        どうして嫌がるんだよ。

        僕とアスカの分身だよ。

        子供が出来たら喜んで育てるよ。

アスカ:シンジの覚悟を聞いてみたかったの。

        もし、嫌なら止(よ)してもいいけど・・・

        今日はね、排卵日なの。

        どういう事かというと、

        今日Hすると、子供が出来る確立が高いの・・・

僕    :じゃ、迷う必要ないじゃないか。

        今日の次は、4年先になるもの。

アスカ:いいの?

僕    :何言ってるのさ。良いに決ってるじゃないか。

アスカ:ありがとう・・・

アスカは大粒の涙を流した。


アスカは涙を拭きながら

アスカ:善は急げ、さっそく朝までやるわよ。

僕    :ぶっ!朝までするの?

アスカ:そう、次は4年先だもの。

        しっかり体で覚えておきたいもの。

僕    :アスカは元気になるから良いけど、僕は干からびて死んじゃうよ。

アスカ:ふふっ、乾涸(ひから)びるなんてHね。

        じゃ、かさかさにしてあげるから、早く布団に行こう!!

僕    :ひえー悪魔!

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アスカが風呂に入っている間、僕は布団にうつ伏せになり、ノートパソコンで、

明日のスケジュールを確認し、フランス語講座のwebを見ていた。


カラッと襖が開き、アスカが赤いバスタオルを体に巻いて入ってきた。

アスカはノートパソコンを覗き込み

アスカ:何見てんの?また、スケベなsiteでしょ。

僕    :見てないよ。

アスカは僕の顔を見ながら意地悪く

アスカ:どうだか。前科が在るもの。

        白を切ってもcacheを見れば、一目瞭然よ。

        種は上がってるのよ。白状しなさいよ。

僕    :アスカ、タネじゃなく、ネタだよ。

アスカは肩を竦(すく)めて

アスカ:おばかね。

        寿司の種、このタネの隠語がネタなの。

        日本人の癖に物も知らないんだから。

        外人に言われて悔しくないの?

僕    :アスカ、日本に帰化したじゃないか?

アスカ:あー言えば、こー言う。(ああ言えば、こう言う)

        オモチャの癖に減らず口だけは達者ね。

        シンジみたいなのを口舌の徒と言うのよ。        


アスカはバスタオルを取外して布団に潜った。

僕の首に手を回しながら、優しく僕を見つめ

アスカ:・・最後の日に喧嘩なんかしたくない。

        Do you love me wholeheartedly ?

僕は迷うこと無く

僕    :心から愛してるよ。

アスカ:ふふっ、その言葉で元気にやっていける。

        さあ、12時間、10本勝負やるわよ。

僕    :え〜!本気で言ってる?

アスカ:私が冗談言うと思う?

僕    :だって、いつも苛めるじゃないか?

アスカ:それはシンジが可愛いから苛めるの!

        シンジ、まだ自覚が足りないわよ。

        大体、私がシンジと結婚して、何億人の男共が悲しんだか解ってるの?

僕    :アスカ、それは己惚れだよ。

アスカ:・・・・

        今日だけは許してあげる。

        次にそれ言ったら、24時間24本の死闘Hするからね。

        やりたければ、言いなさい。

        私は何時でも相手になるわよ。

僕    :ごめんなさい。

アスカ:さー、子作りに励みましょう。

外はまだ蒸暑かった。

/* 出発前夜 Do you love me ? */

次回、出発当日

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