それからはやっぱり乱痴気騒ぎ。 トウジ、洞木さん、アスカ、レイ、青葉さん、日向さん、伊吹さん、 ミサトさん、冬月さん、加持さんは王様ゲームをやってた。 みんなお酒で目が飛んでいた。 僕は被害を恐れて一人ペンペンとご飯を食べた。 ペンペンはペンギンなのにビールを飲んでいた。 飼主が悪いからね。 加持さんが僕の隣に座った。 加持 :シンジ君、一人じゃないか。 賑(にぎ)やかなのは苦手なのかい? 加持さんもビール片手に、口には焼鳥を咥えていた。 僕 :素面(しらふ)だと、どうもあの雰囲気は・・・ 加持さんは優しく微笑み 加持 :ところで、シンジ君に朗報があるんだ。 フランスへは、条件付きで入国できる事になったよ。 はい、これはクリスマスプレゼント。皆からだよ。 僕 :あ、ありがとうございます。なんだろう? 渡された封筒を開けた。 中にはチケットが入っていた。 僕 :これは・・ 加持 :政府専用特別シャトル便だよ。 スペースプレーンを使えば、2時間で行けるからね。 僕 :い、いいんですか? 加持 :気にしなくて良いよ。餞別だから。 お店を開いたら招待して欲しいな。 僕 :ええ、喜んで。 レイ :おにーちゃん! 綾波が隣に座った。 加持さんは王様ゲームをやるために離れた。 綾波は日本酒臭く、酔っぱらって白目を真赤にしていた。 レイ :お兄ちゃんにプレゼント。はい。 ラッピングされたA4サイズの箱。 僕は箱を開けた。 綾波はフラフラしながら、 レイ :それはね、新しく出たMDだよ。 この1枚のディスクで100時間録音できるんだよ。 そこにある5枚のディスクはね。 私とアスカさん、ヒカリさん、ミサトさんの声と、私達が歌ったカラオケ、 それとお兄ちゃんの好きな音楽、私やアスカさんの好きな音楽が入ってるから、 寂しくなったらこれを聞いてね。 時々、ディスクを送ってあげるから、ヴォイスレターしようね。 僕 :ありがとう・・・ レイ、あの・・ごめんプレゼント買えなかったんだ。 レイ :気にしないで、出世払いで良いから その時、甲高い声で アスカ:クオラー!そこの2人! 兄弟の癖に何いちゃついてるのよ! アスカはトウジにコブラツイストをかけながら、三白眼で叫んでいた。 レイ :皆のところに行こうよ。 僕は綾波に手を引かれて皆のところへ行った。 アスカは酔いで真赤な顔して アスカ:シンジ!妻を放ったらかしにして、何 妹を口説いてんのよ。スケベ! コブラツイストをかけられているトウジは苦しそうに、 トウジ:し、シンジ、何とかせい! とばっちりがこっちに来るやんけ! レイ :隣の喧嘩の門(かど)違い、と昔の人は良く言ったわね。 トウジ:人の事やと思ってからに。 ミサト:ハイハイ。アスカ、プロレスはそこまでよ。 さてルール変えて立候補した人が王様よ。 僕 :嫌な予感・・ 宴闌(たけなわ)の時 アスカは立ち上り アスカ:はいはーい。壱番。私はシンジと今から子供を作りまーす! 僕 :げほっ、げっほ トウジ:いいぞ惣流!やっちまえ! 綾波も突然立ち上り レイ :零番。私はお兄ちゃんとHしまーす。 僕 :ぶっう トウジ:よっしゃ。ようゆった! ミサト:弐番。私はシンちゃんを愛人にしまーす。 僕 :な・・・ トウジ:ミサトさん、それだけは堪忍やー、洒落にならんでー! 伊吹 :参番。私はシンジ君のお姉さんになりまーす。 僕 :・・・ アスカ:シンジ、何 赤くなってんのよ。多情者! 青葉 :シンジ君いいなー トウジ:シンジもてもてやな 洞木 :四番。私は鈴原と結婚しまーす。 アスカ:キャー、ヒカリH! 僕 :トウジも年貢の納め時だね。 トウジ:くうー、あのシンジに言われてもうた。 ミサト:ところでさ、アスカはシンちゃんに何あげたの。 アスカ:・・・ トウジ:シンジ、またプレゼント用意してへんのか? 僕はアスカにラッピングされた小さな箱を渡した。 僕 :これ、アスカに・・ トウジ:なんや、指輪け? アスカが箱を開けた。 中には赤いリボンが入っていた。 アスカ:ribbon・・・ 僕 :ごめん安物で・・その、でもアスカの綺麗な髪に似合うと思って。 トウジ:なんや、けち臭いな。 アスカ:Danke schon!(ありがとう)大切にするから。 アスカは僕にB4サイズのラッピングされた箱をくれた。 アスカ:これは私から 中を開けると皆が一斉に驚いた。 日向 :これは最新のデジタルビデオカメラ、50万円もする機種だよ。 アスカ:シンジ、France行くじゃない。 で、Video letter送って欲しいの。 このcameraには、ほら、このDVMに 映像が入るんだけど、これ一個で200時間録画できるの。 僕 :DVM・・ 日向 :デジタル・ヴィデオ・メモリだよ。 トウジ:シンジええなあ、あんな高価なもんもろうて。 海老で鯛を釣るとは、正にこれの事やな。 洞木 :難しい言葉知ってる癖に成績悪いのね。 トウジ:ガーン!言われてもうた。 こうして酒池肉林と化したミサトさん宅。 子(ね)の刻、殆どの人達は折重なって眠り放けていた。 ミサトさんがトイレから出てきた。 ミサト:シンちゃん起きてたの? 僕 :ちょっと気持ち悪くて。 今日はありがとうございました。 ミサト:気にしなくていいわよん。 それより寝ましょ。 アスカ、連れて帰ってね。 僕はアスカを背負って11−A−2号室に戻った。 この幸せが、いつまでも、いつまでも続いて欲しいと願う。 そうあるように努力すると、僕は背中越しのアスカに向って誓った。 /* 酒池肉林 high jinks */ 注)ドイツ語のウムラウトは、表現できないので省略しています。次回、乱痴気騒ぎの後に