僕    :僕、大学には行かないんだ。

アスカ:・・・どうするの?

        何の取柄もないアンタに、世の中は甘くないわよ。

        いくらアンタが下僕だからって、

        仕事せず一日中、家でゴロゴロして欲しくないし、

僕    :怒らないで聞いてね。

        自分の店を持とうと思ってるんだ。

        僕は料理作るの好きだし、

        Nervの退職金でフランスに留学できるだけのお金はあるし、

        お店の方はレイが共同経営者として出資してくれるしね。

アスカは食べるのを止めて

アスカ:何時それを決めたの?

僕    :高校2年の終り頃。

        学校の成績よくないから、現役では進学は出来ないしね。

アスカ:独りで勝手に決めて・・・

        どうして相談してくれなかったの?

僕    :4年間、アスカから音沙汰ないから嫌われてると思って。

アスカ:アンタから来るの待ってたのに・・

        何時 行くつもりなの?

僕    :うん。来年卒業したら4年間は向うで修行しようと考えているんだ。

アスカ:そう、もうそこまで考えているの・・・

        まあ、アンタの人生だから、私が兎や角(とやかく)言う筋合はないけどね。

        なんか私だけのけ者ね。

        どうせ私はalien、non-naturalized foreigner(公民権を得ていない在留外国人)。

と悲しそうな顔をした。

僕    :別にのけ者じゃないよ。

        そうだ、明日一緒に市役所行くよ。

アスカは俯いたまま

アスカ:私に、また4年間も一人で居ろというの?


        私の働いている研究所はEU(European Union)には無いわ。

        それに国家機密扱ってるから、

        the Federal Republic of Germanyには行けても

        the French Republicには行けない。

僕    :アスカ、何 言ってるか解らないよ。

アスカ:シンジ、アンタ、英語も解らないで留学できるの?

        Franceは、英語話せる人いると思うけど、

        あんたbonjorとか解るの?

僕    :それくらいなら解るよ。

        ねえ、よければアスカが英語とか教えてくれない?

        アスカって何か国語話せるの?

アスカ:日本語、英語、米語、仏語、加奈陀仏語、Celtic(ケルト語)、

        高地独語、低地独語・・・

僕    :なははっ・・・

        アスカ、早くご飯食べないと冷めるよ。

アスカ:もういい・・

アスカはそのまま自分の部屋へ行った。

***************************************

僕は自分の部屋で、布団の上にノートパソコンを置き、

ヨーロッパの料理情報が載っているwebを覗いていた。


襖が開きアスカが枕を持って入って来た。

アスカ:今日はここで寝たら駄目?

僕    :・・・

アスカ:変な事をしないから。

僕はパソコンを仕舞った。


アスカは僕の布団の上に座り、枕を抱いたまま悲しそうに僕を見て

アスカ:本当に4年間も離れるの?

        私なしで4年も大丈夫なの?

僕はアスカに微笑みながら

僕    :うん。

        今度はアスカの気持が解ってるから、大丈夫だよ。

アスカ:勝手ね、私はどうなるの?


アスカが僕の膝に頭を乗せた。

僕はアスカの髪を撫ぜながら

僕    :日本に居るとね、

        アスカに頼ってしまいそうで。

アスカ:私はそれでいいもの。

僕    :それじゃ僕が成長しないんだ。

        やっぱり僕も、アスカに相応しい男になりたいもの。

アスカ:アンタは下僕でいい。

僕    :僕も社会的に認められたいんだ。

        アスカの心が解って、やっと僕がここに要る理由が見つかったんだ。

        誰よりもアスカを大切に思う。

        アスカは僕の元気の元だもの。

        だからアスカを幸せにする為にも、僕自身を磨きたいんだ。

アスカ:私は今が幸せならいい。

        無理して外国へ行かなくても、充分シンジを養ってゆけるもの。

        私がどんな気持で4年間過したか解る?

        ・・・・

        もうシンジと離れたくないよ。

アスカは目に涙を溜めていた。

僕    :アスカ・・・わがまま言ってごめんね。

アスカは僕のパジャマをいじりながら

アスカ:じゃ・・make love to you・・・・・Hしよう・・・

僕    :どうしてそうなるんだよ。

アスカは潤んだ瞳で僕を見つめて

アスカ:シンジ、I have no sexual allurement・・・・・私って魅力ないの?

        HビデオやH本にも劣るの?

僕    :だから見てないって。

アスカは悪戯っぽく笑いながら

アスカ:どうだか?

僕    :あのねえ。

アスカが動く度に、アスカの髪からリンスの匂いが漂う。

アスカ:普通の男の子なら、こんなに女の子が接近してたら狼になるのが正常ってもんよ。

        アンタひょっとして、誰か二股かけてるの?

僕    :どうしてそうなるんだよ。

アスカ:どうだか、昔はレイと怪しかったしね。

        アンタ、前科あるもの。

僕    :嫌いだからじゃないって。

        大切に思ってるもの。

        だから、こうゆうのは、社会的責任が取れる様になってからだよ。

アスカは僕の指に、自分の指を絡めながら

アスカ:私はそうゆうの面倒で嫌だな。

        やっぱり人間は、本能の赴くままに生きるべきよ。

        食べたい時に食べ、寝たい時に寝て、Hしたい時にして

        我慢してると、あっと言う間に、年老いちゃうじゃない。

        少年老い易くって言うでしょ。

        光陰矢の如しって、直に老けちゃうわよ。

僕    :アスカ難しい言葉知って癖に、漢字書けないね。

アスカ:・・・

        社会的責任が取れる様になったらHするのね。

        じゃ、明日は市役所へ行って婚姻届を出せば夫婦になるから、

        もう、ばっちぐーね。

        文句は言わせないわよ。

僕    :どうして、そうHの方へ行きたがるのさ。

アスカ:私はアンタと、身も心も結ばれたいの。

        まだ、とても不安なの。    

        ・・・

        もう・・寝よう。

僕は布団に入った。


アスカはじっと僕を見ている。

僕    :何?

アスカ:布団に入れてくれないの?

僕は掛布団をめくった。

アスカが入って来て、僕の背中に体をくっつけた。

僕    :ちょっと!

アスカ:何さ!

僕    :あんまり、くっつかないでよ。

アスカ:どうしてよ。

僕    :だって・・当るじゃないか・・・

アスカ:何がよ。

僕    :・・・その・・・隆起・・・

アスカ:胸が当るぐらいいいじゃない。

        減るもんじゃないんだから。

僕    :よくないよ。変になるじゃないか!

アスカ:そうなるように仕向けてるもの。

僕    :意地悪だな。

アスカ:シンジ、我慢してると体に良くないわよ。

        ウズウズして、痴漢なんかしちゃ駄目だからね。

        襲いたくなったら、私が相手になるからね。

僕    :・・・・・

アスカ:ふふっ、おやすみ。おばかさん。


僕だって、本能ではアスカを求めている。

でも、まだ恐いんだ。

ごめんね。

/* 留学? chase a dream. */

次回、やるじゃん

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