ary of Asuk

−早月・下旬の章−




5月17日(水)

 

ふふん。レイもまだまだね。

あれくらいでギブアップするようじゃ、伝説の苺パフェ・ビッグバンには挑戦できないわよ。

これを食べられたら、あのお店の食べ物、一年間は何でも一割引になるの。

もうちょっとあたしが鍛えてあげるわ。

そういえばシンジも甘いモノって嫌いじゃなかったわよね。

テストが終わって少しでも成績が上がってたら、チョコパフェ・ダイナマイトおごってあげる。

だーかーらー、今日も頑張るのよ!

 

そういえばさ・・・最近ミサトの調子がおかしくない?

なんか、やたら陽気になったり落ち込んだり。

加持さんとなんかあったんじゃないかとフんでるんだけど。

 

あんまりお酒飲まなくなったし、食生活にも気を付けてるみたい。

 

まさか・・・ねぇ・・・





5月20日 (土)

 

 

参ったわ・・・

 

今日、ミサトに例のこと尋ねてみたの。

シンジは遠回しに聞こうって言ってたけど、思ってた通りのことなら、どーせわかっちゃう話だし、間違ってれば笑い話で済むんだからって、ずばり直接聞いてみたのよ。

 

そしたら・・・

 

やっぱり・・・

 

 

妊娠だって。

 

 

なんだか照れくさくてミサトもなかなか言い出せなかったみたいだけど、そんな隠さなくてもいいのにね。

おめでたいことじゃない!

加持さんがパパってのがちょっと悔しいけど、ミサトなら許せるわ。

 

 

あ、そうそう。

それで、あの二人さっそく一戸建ての社宅を確保してるらしいのよ。

 

そう・・・つまり、近いウチにミサトはマンションを出ていくってこと。

ミサトはあたしたちにも、そろそろ別々にマンションを借りてくれるって言ってくれたけど。

 

シンジは、どうしたい?

 

あたしは・・・

 

あたしは・・・あんたがどうしてもって頼むなら、別にこのまま一緒でもいいわよ。

 

ただし、料理と洗濯と掃除をやることが条件だからねっ!





5月23日 (火)

 

 

そーよね。

確かにシンジと二人っきりで生活するなんて、問題大アリだわ。

うん。

あたしもどーかしてた。

前言ったことは忘れて。

 

さーて、ミサトに良いマンション見つけてくれるようお願いしよっと。

どこがいーかなー。

山の手の高級住宅街なんて結構いいかも。

ヒカリの家も近いし、あそこにしよっかな。

 

あ、シンジはここ使ってもいいわよ。

 

あたしが、出て行くから。





5月26日 (金)

 

まさかこんなことになるとはね………

 

あたしも驚いちゃったわよ。

レイもマンションを引き払って、ここに3人で住めだなんて。

ま、公費節減なんて言われちゃ仕方ないけどさ〜。

私たち何にも仕事しないでお金だけもらってる身だし。

 

でも………年頃の女の子を、こんなむさい男と一緒に暮らさせるなんて、

ミサトも保護者失格よね!

すっかり自分たちのことで頭が一杯なんだから。

 

ったく、あたしがしっかりシンジを監視しとかなきゃなんないじゃない。

レイ、気を付けなさいよ。

意外とシンジってスケベなんだから。

 

………でもさ、そーなると交換日記の役目も無くなっちゃうのかしら?





5月29日 (月)

 

しっかしネルフ・・・って、旧ネルフと呼んだ方がいいのかしら。

なんだか寂しくなっちゃってたわね。

ま、役目を終えた組織なんてこんなもんなのかもしれないけど、人気はないし、閉鎖された場所は多いし、すっかり店じまいって感じだったわ。

予算削減・・・私たちも甘んじて受けるしかないか。

あ、マヤや日向さんは元気にしてわよ、レイ。

でも青葉さんがいなかったのよねー。

どこいったのかしら?

冬月さんと出かけてたみたいだけど・・・

 

とりあえずミサトとは話し付けてきた。

別々に住みたいなら補助は半分しかでないって。

ま、アルバイトすればやってけないことはないけど、シンジが心配よね。

ただでさえ勉強危ないのに、バイトまでさせちゃ落第するかもしれないし。

 

二人ともどうする?

自分で選べってミサトは言ってた。

 

結婚式は6月中頃だから、それまでに決めなきゃいけないわ。

あたしは・・・しばらくは・・・一緒に暮らしてもいいわよ。

ミサトの引っ越しとか、色々落ち着くまでは、ね。




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