2020年10月17日(Sat) 曇天

太陽が真上に昇っていた。


僕はスーパーから買物をして、マンションのエレベータに乗っていた。


ミサトさん宅の家政婦は、綾波が代りにやってくれている。


そう言えば、昨日は大変だった。

余所のクラスの女の子に殴られて、切れた唇がまだ痛い。


アスカまだ寝てるのかな。


僕は11−A−2号室の自動ドアの前に立ち、カードキーを挿し込んだ。

ドアが開いた。


僕    :ただいまー。

居間に行くと誰も居なかった。


冷蔵庫に食材を詰めて自分の部屋に入った。

僕    :・・・・

僕の部屋には仁王立ちしたアスカが居た。

僕    :アスカ、どうしたの?恐い顔して。

くう・・・

アスカが急に僕の太股を蹴った。

僕    :いきなりなんなんだよ。

アスカは無言でベットを指差した。

僕    :・・・

まずい、ベットの上にはトウジが置いていった、HビデオとH本があった。

僕    :な、人の部屋を勝手に覗くなよ。

うっ・・・

アスカが殴った。

アスカは拳を握り締めて怒りで震えていた。

アスカ:What the fuck is this?( 一体何考えてるの!)

        アンタ、えーっ!

        彼女が居るのに、これは何さ!

        馬鹿にしてんの!

ぶっ・・・

またアスカが僕を殴った。

僕    :そんなに殴らなくてもいいだろ!

アスカ:アンタ、私の何が不満なの!

        きのう私からH誘っても断った奴が、隠れてこんなの見て、

        ふざけんな!

ひぃ・・・

またアスカが僕を蹴った。

僕    :見てないよ。

実際、見ていない。

トウジが忘れて置いて帰っただけ。

でもトウジの名前を出すと、アスカの事だから、トウジに何するか解らない。

アスカ:私はね、

        アンタが女の子の体に興味を持つ事を、悪いとは言わないわよ。

        正常な男なら当り前だもの。

        でもね、

        アンタが私以外の女の子の体を見て、興奮しているのが気に食わないのよ。

        そんなにHがしたければ、何時でもやらしてあげるわよ。

        この非常識!

アスカは目に涙を溜めていた。

僕    :僕は見ていない。

        それにアスカ以外の女の人には興味ないし、興奮もしない。

アスカは僕を見て

アスカ:誰の物か言いなさいよ。

        アンタみたいな甲斐性無しが、こんなもの買える筈ないから、

        怒らないから言ってみな。

僕    :言ったらどうするんだよ。

アスカ:そいつに、焼きを入れてやる。

僕    :元の持主に返すから、それでいいだろ。

アスカ:飽くまでも言わないつもりね。

        まあ、どうせこんなの置いて行く奴は、バカトウジだろうけどね。

        あいつ、月曜日は命日にしてやろう。

僕    :だから違うって。

アスカは僕を睨んで

アスカ:友達思いだこと、バカ!

アスカは自分の部屋に行き、襖をピシャリと閉めた。

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夕食の準備をしていると、風呂上がりのアスカが冷蔵庫を覗いた。

珍しくバスタオル姿でなく、パジャマを着ていた。

アスカ:何を見てんのよ。

僕    :珍しく、パジャマだから・・・

アスカ:アンタが何時も、bath towelでウロウロするなって言うじゃない。

僕    :・・・・

アスカ:はいはい。もっと素直になりなさいよ。

        明日から また bath towelでウロウロしてあげるから。

僕    :な・・・


アスカは腰に右手を当て、直接牛乳パックから牛乳を飲み始めた。

アスカはにっこり笑って

アスカ:シンジも牛乳飲んでる?

        毎日1000cc。

        飲まないと背は高くならないぞ。

僕    :180あるから、これ以上大きくならなくても良いよ。

アスカ:何 言ってんの、私だって170cmあるんだから、

        アンタが185cm以上ないと、釣合わないでしょ。

僕    :はいはい。ご飯で来たよ。

はぐらかされて、アスカは少し膨れた。

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僕達は食事を始めた。

アスカ:gestern morgen(明日さ)、市役所へ行くからアンタも来るのよ。

西暦2020年、行政機関のサービスは、年中無休24時間営業で行われている。

僕    :住民票の書き換え、もう済んでるだろう。

アスカ:婚姻届もらうの。

僕    :ブウー

とご飯を吹出してしまった。

アスカ:汚いわね。

アスカは布巾で拭きながら

アスカ:社会的承認を経た法律上正式な男女関係。

        夫婦だったら、一緒に住んで居ても誰も文句言わないし、

        来年完成する研究所だって、独身より結婚している方が出世も早いしね。

        それに、

僕    :まだ早くない?

アスカ:善は急げって言うでしょ。

        それに、子供作っても誰も文句言わないし、

僕    :生活できないよ。

アスカ:それは大丈夫。

        扶養手当を貰えるし、

        今は休職中だけど、復帰したら年収2000万円は確実だもの。

        americaに残している家を売れば、こっちに一戸建立てられるしね。

        シンジも安心して進学できるわよ。

僕    :・・・・・

アスカ:どうしたの?

        日本の私学でも、

        Harvardでも、

        Yaleでも、

        Massachusetts Institute of Technologyでも良いわよ。

僕   :僕、大学には行かないんだ。

/* これは何! This insult of yours is more than I can bear. */

次回、留学?

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