ふう、

アスカに付き合されてデパート中梯子をした挙句、沢山の荷物を持たされた。

荷物があり過ぎて僕はフラフラしながら、エレベータから降りた。


アスカは11−A−2号室の自動ドアの前に立ち、カードキーを挿し込んだ。

ドアが開いた。


アスカは僕を無視して一人居間に向い、シャンデリアの電気を入れた。


すると

Happy birthday to you!

パンパン!(手を叩く音)

Happy birthday to you!

パンパン!

Happy birthday dear Asuka!

Happy birthday to you!

一斉に拍手が沸いた。


アスカはキョトンとしていた。

洞木さん、綾波、トウジ、ミサトさん、加持さん、ミサトさんの子供たちが一斉に

一同  :お誕生日おめでとう!18歳だねアスカ!

アスカ:あ、ありがとう・・

加持  :I've come to wish you a happy birthday .

       (アスカにハッピーバースデーを言いに来たんだ。)

アスカは満面の笑みを浮べて

アスカ:加持さん、ありがとう。

洞木  :アスカ、ドイツ語で誕生日おめでとうってどういうの?

アスカ:Herzlichen Gluckwunsch zum Geburtstag.

僕    :ヘルツリュヒェン・グルックヴュンシュ・・・ごめん・・・

アスカ:ばかね、気持だけで十分よ。

レイ  :アスカさん、フランス語で誕生プレゼントって何?

アスカ:cadeau d'anniversaire

レイ  :?ドイツ語?

アスカ:Geburtstagsgeschenk

レイ  :ごめんなさい。こんな時、どう言えばいいか解らないの。

皆がアスカにプレゼントを渡した。


僕は台所に行き、冷蔵庫からデコレーションケーキを取出した。

洞木さんと綾波は夕食を並べ始めた。

僕はケーキに蝋燭を立てながら

僕    :アスカ、こっちおいでよ。

***************************************

僕達はテーブルに座り食事をしていた。

ミサト:アスカがこっちに来て、皆揃って祝うのって初めてね。

アスカ:うん。

加持  :ドイツに居た時はよくやってたね。

アスカ:うん。

ミサト:祝ってくれる人が沢山居ると良いでしょ。

アスカ:うん。

トウジ:なんや、惣流、うんうんばっか。

        わいら徹夜して準備したんやで、

        何か言ってくれてもよかろうもん。

洞木さんはトウジの頭を叩いた。


途端、アスカは泣いてしまった。

ミサト:シンちゃん。

ミサトさんが何とかしろと目で合図した。

僕はアスカを抱き寄せて、頭を撫でた。


アスカは僕の胸で泣きながら

アスカ:ありがとう・・

        ミサトありがとう。

        加持さんありがとう

        ヒカリありがとう

        レイありがとう

        ちびたちもありがとう

        シンジありがとう


トウジは拳を振り上げ

トウジ:おい!俺にはないんか!

アスカは舌をペロッと出して

アスカ:忘れてた。

        バカト・・ごめん、トウジもありがとう。

トウジ:ま、ええか。


アスカは俯いたまま

アスカ:私、何時も皆に迷惑許(ばか)り掛けていて御免ね。

        嫌な女で御免ね。

トウジ:よう解っとるやないけ。

洞木さんはトウジの頭を叩いた。


アスカ:シンジ、今まで私を見捨てないでくれて有難う。

僕    :馬鹿だな。どうして見捨てるんだよ。

        僕の方こそ、何時、愛想を尽かれるんじゃないかとビクビクしてるのに。

トウジ:愛想尽(づ)かしは金から起きる、と昔の人は言ったな。

僕    :アスカの方こそ、何時も良くやってくれてるよ。

トウジ:何をやっとんのや?

僕    :この頃はね、アスカが料理、掃除、洗濯を手伝ってくれるんだ。

トウジ:うんなもの、当り前やろ。

洞木さんがトウジの頭を叩いた。

トウジ:まあ、惣流にしては凄い進歩やな。


ミサトさんは鳥足を食べながら

ミサト:ところでシンちゃんはアスカに何プレゼントしたの?

僕    :うっ・・・ごめんなさい。

        まだ買ってないんだ。

レイ  :お兄ちゃん!

アスカ:今日、付き合ってくれたからいい。

レイ  :アスカさん、それで許したら駄目よ。

アスカ:鉢を買ってくれた。

トウジ:なんや?

僕    :花桃。

洞木  :花言葉知ってる?

僕    :何?

洞木  :恋の奴隷。

トウジ:シンジにぴったりや。

レイ  :馬鹿ね、12月4日と言えば、葉牡丹よ。

        花言葉は祝福だし、見た目は牡丹だけどキャベツだから食べれるしね。

ミサト:アスカから何か希望ないの?

アスカは僕の胸に顔を埋めたまま

アスカ:一つだけある。

ミサト:何?

アスカ:でも我慢する。

ミサト:シンちゃん何か知ってる?

僕    :なはははっは・・・

トウジ:なんやシンジ、その笑い方は

アスカ:シンジには毎日言ってるもの。

ミサト:私聞きたいな。

僕    :ミサトさん。

アスカは下を向いて

アスカ:シンジの子供が欲しい。

僕    :・・・・・

ミサト:シンちゃん、別に赤くなることないじゃない。

        夫婦なんだから当然の欲求よ。

トウジ:惣流もゆうようになったな。

        昔は子供なんか要らんて宣言しとった癖に。


加持  :シンジ君はアスカとの子供をどう思ってるのかい?

トウジ:それなら昨日、シンジに聞いたんですわ。

        シンジは奥手やけど、ほんま、惣流の事考えてますわ。

        まあ、シンジの口からは中々言えへんでしょう、こういう性格やから。

僕    :いいよ。僕が言うよ。

        皆に言っておくよ。

        僕もアスカとの子供は欲しい。

        そうすれば絆も一つ増えるし、生甲斐も出来るからね。


        でも、もう少し待って欲しいんだ。

        せめて高校を卒業するまで。


        アスカが嫌いだからじゃないんだ。

        誰よりも大切なんだから。

アスカ:解ってる。

        私の体を見て鼻血を出してるもんね。

        体は正直だもの。

トウジ:惣流も言う言う。

ミサト:アンタ達、素直になったね。


        昔は2人共さ、意地の張り合いで、こっちがイライラしてたのよ。


        アスカ、何時からそんなにシンちゃんの事をラブラブになったの?

アスカ:・・・・

洞木  :私の知る限りでは4年前かな?

アスカ:例の病院事件より後?

僕     :ミ、ミサトさん!なんで知ってるんですか?

トウジ:病院事件てなんや?

アスカ:もう時効だからいいの。

レイ  :アスカさん、ナイスフォロー!

ミサト:結束力も一段とパワーアップか?

        今なら使徒が来ても無敵ね。


        シンちゃんとアスカが結ばれて良かった。


        一時はシンちゃんとアスカの仲って、もう回復不可能なのかなって思っちゃってさ。


        アンタ達、幸せになるのよ。

ミサトさんは目頭を押えた。


アスカ:ミサトありがとう。

トウジ:おー、惣流が感謝の言葉。

レイ  :そう、ありがとうは感謝の言葉。良い響きね。

/* 計画実行 Happy birth day to Asuka! */
注)ドイツ語のウムラウトは、表現できないので省略しています。

次回、守

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