2020年12月25日(Fri) 雪

あ、頭が痛い。

うー天井が回っている。


僕は自分の布団で寝ていた。

そう、昨日ミサトさん宅でクリスマスパーティをやって、

皆にお酒を無理矢理飲まされて、それから・・覚えてないや。


うーん・・何か匂うな。

起上がると、枕元に反吐(へど)が溜まっていた。

汚いな、寝ている間に吐いたんだ・・


枕カバーとシーツを剥がし居間へ行った。

まだアスカは起きてないみたいだ。

時計は朝の8時を指していた。


洗濯機に汚れ物を入れた。

不図、自分を見ると、パジャマにも反吐が付いていた。

全てを洗濯機に入れてお風呂に入った。


お風呂で暖まるとますますクラクラして、何度も吐いてしまった。

やっぱり気持ち悪い。


風呂場から出て、脱水の終った洗濯物を乾燥機に入れて、不図気付いた。

あ・・着替えが無い。

この頃、家政婦とクリスマスの準備など忙しくて、洗濯物も溜まっていた。

乾燥機で乾かしても、当分、着替えは無い。


腰にバスタオルを巻いて恐る恐る風呂場から出たが、アスカは居なかった。


自分の部屋に戻ると、アスカが入ってこない様に襖につっかい棒を入れた。

布団に新しいシーツをつけ、枕に新しいカバーをつけて裸で寝た。

ひんやりとして気持が良かった。

乾燥機が止る3時間後まで寝る事にした。

気持ち悪い、二日酔だ。

***************************************

ううーんっ・・

嫌な夢を見た。

アスカに襲われて逃回る夢を見ていた。

でも妙にリアルで手の感触がまだある。

こんな夢を見るなんて我慢の限界かな?

僕は寝返りをうった。


僕    :・・・・

アスカだ。

どうやって入って来たんだ。

襖を見ると、襖が取外してあった。

迂闊だった。


でも僕は裸なのでアスカから離れて背中を向ける様にして寝た。

しばらくすると

アスカ:Mir ist kalt.シンジ寒い。どうして離れているの?

僕    :・・・

アスカ:ねえ、寒い。

僕    :自分の部屋へ戻れよ。

アスカ:シンジ、洗濯してないでしょ。

        着替えが無いんだから。

        聞いてるの?着替えがないの。

僕は寝たふり

アスカ:可愛くないわね。

        なら実力行使あるのみ。

僕    :ぬわあ!

アスカは僕に体を密着してきた。

僕    :ちょっと、頼むからくっつかないでよ。

アスカ:だって寒いんだもの。

        くっしゅん!niesen

僕    :僕は裸なの。

アスカ:私だって着替えないから裸だもの。くっしゅん!

        ねえ寒い。くっしゅん!ずずー。洟(はな)が出る。

僕     :変な事したら怒るからね。

僕は背中を向けてアスカにくっついた。

アスカ:くっしゅん!うん。

        くっしゅん!ね、シンジのお尻冷たい。

        お腹が冷えるよ。

        こっち向いてよ。

僕    :駄目。

アスカ:いいもん、そんなに意地悪するなら、加持さんに暖めてもらおうかな。

僕    :すれば。

アスカ:ぬう!下僕の分際で生意気よ!

        私が寒いんだから、こっち向きなさいよ!

僕    :嫌だ!

アスカ:どうしてよ!

僕    :だって・・・

アスカがぴったりくっついて来た。

アスカ:シンジ、体は正直じゃない。

僕    :・・・お願いだから・・・触らないでよ。

アスカ:どうしてよ。

僕    :変になっちゃうよ。

        我慢してるんだから、頼むから何もしないでよ。

アスカ:どうして我慢する必要が在るのよ。

僕    :・・・・

アスカ:頑固爺!

僕    :うあああっ!

アスカが僕の上に飛び乗った。

アスカ:これでアンタは、逃げられないわよ。

        な・・何、鼻血だしてんのよ。

        もう、しょうがないわね、鼻にtissue paper詰めてと・・

        直に真赤になるわね。

        ねえ、何時まで鼻血出してるのよ。

        何、白目向いてるのよ。失礼ね。

        大体、鼻血出すまで、なんで我慢しなけりゃいけないよ。馬鹿みたい。

        何時までも黙ってないで何とか言いなさいよ。

        そうやって黙秘するつもりなら、襲うわよ。

        シンジ?シンジ?

***************************************

僕    :・・・・・

僕の部屋だ・・・

トウジ:よう!気が付いたか

僕    :どうしてトウジがいるの?

トウジ:さっきまでミサトさんとこで寝てたからな。

トウジは僕の枕元で流体力学の本を読んでいた。

そっか、トウジは車のデザイナーを目指すんだよな。


僕    :あ、パジャマ着ている。

        アスカは?

トウジは呆れたように

トウジ:拗ねとる。

        シンジもだらしないな。

        惣流と裸でいちゃついて、鼻血出して上(のぼ)せて失神するなんてな。

        ほんま情けない。

        わいはそんな奴は見た事ないで。

僕    :・・アスカ見てくる。

トウジ:おう、わいはこれで帰るで。

僕    :ありがとう。

トウジ:シンジもまだまだ修行が足りんな。

トウジはニコニコしながら部屋を出て行った。

***************************************

僕はアスカの部屋の前に立った。

僕    :アスカ、入るよ。

アスカ:イヤダ。

僕    :嫌でもいいもの。

        入るからね。

僕は襖を開けて部屋の中に入った。


アスカは布団の中で丸まっていた。

僕はアスカの布団に潜った。

僕    :アスカ?

アスカ:・・・・

アスカの体は冷たくなっている。

僕    :アスカ体冷えてるよ。

        こっち向いてよ。

アスカ:嫌だ。

僕    :暖めないと風邪引くよ。

アスカ:いいもん。

        どうせ私は

僕    :ごめん、こっち向いてよ。

アスカ:絶対、向いてやらない。

僕    :子供みたいな事言わないでさ。

アスカ:子供で悪かったわね。

        絶対イヤだからね。

僕    :もう、アスカも頑固だな。

アスカ:アンタに言われたかないわよ。

        アンタはお気楽でいいかもしんないけど、

        私がどれだけ泣いてるか考えたことあんの?

        もうアンタの顔なんか見たくない。

アスカの声は泣声だった。


無理矢理アスカを僕の方に向かせた。

アスカはボロボロと大粒の涙を流していた。


アスカ:アンタなんか大嫌い。

僕はアスカを抱きしめながら

僕    :アスカに嫌われても好きだもの。


アスカ:同情で構ってくれなくてもいい。

        アンタなんか嫌いだもの。


僕の決心

僕    :・・アスカ、僕を見て。

アスカ:なんでよ。


僕の心

僕    :いいから、僕を見て。

        絶対目を逸らさないで。

アスカ:・・な・・何脱いでんのよ。

        ちょっと、ちょ、寒いんだから、服脱がさないでよ。

僕はアスカを抱しめた。


僕    :アスカ、本心で言うよ。


        アスカが欲しい。

アスカ:・・・・


僕    :アスカとHしたい。


アスカ:あ、アンタいつも拒んでるのにどうしてさ。

        同情なんか要らないわよ。

        私、そんなにcheapじゃないもの。

僕    :違う。

        僕の欲求。

        アスカと一つになりたい。


        今まで、自分が一人前になるまでと考えててけど、

        それって独り善がりで、アスカの気持考えてなかった。


        だから、アスカも一つになりたいし、僕も一つになりたい。

        それじゃ、駄目?

アスカ:あ、アンタからそんな風に言われるとは思わなかった。

僕    :じゃあ、いい?

アスカ:・・急に言われると・・

        その・・心の準備もあるし・・

        ・・・・・初めてだし・・

僕    :じゃ僕と同じだ。

        アスカ、何時までもこのままだと風邪引くよ。

アスカはコクンと頷いた。

微かに体が震えていた。


僕の胸の中に居るアスカは、なんだかしおらしくて、とてもいとおしくて、

僕の胸は一杯になった。


アスカの匂いが僕を心地よい気持にさせた。


外は珍しく、どか雪だった。

/* 乱痴気騒ぎの後に promise to love each other for ever */

次回、おもちゃ

目次に戻る