僕はパジャマを着て居間に入った。

アスカは黒く艶のあるタンクトップと短パンで、うつ伏せになってTVを見ていた。

相変わらず落着きなく足をプラプラさせていた。

僕は台所で紅茶を入れて、ティーカップをアスカの横に置いた。

アスカは無言で紅茶を飲んだ。


僕    :あ、アスカに言っておきたい事があるんだけど・・


アスカはTVを見たまま

アスカ:今は駄目。


僕はアスカの隣でTVを見た。

アスカは僕を気にも留めずテレビを見ていた。


アスカに謝って僕の気持を伝えるんだ。

どのように言うべきか考えた。


何時の間にか番組が終ったのも気づかずにいると

アスカ:何か用?

        下らない事だったら、殺すわよ。

今まであれこれ考えていた事が、アスカの顔を見た途端、全て消えてしまった。

僕    :そ、そ、その・・ごめんなさい。

        こ、こ、交際の件で、

        その、こ、断って、ほ、欲しいといったのは・・

        あ、あ、アスカに

        その、ほ、ほ、他の人とつ、付き合って

        ほ、欲しくないからで、あ、

アスカ:アンタ、一体何時の話してんのよ。

        1ヶ月も前の事なんか覚えてないわよ。

そう言われると僕は・・・

アスカ、バレー部のキャプテンとの交際はどうしたんだろう?


僕    :・・・

アスカ:用がないなら、寝るから。

立とうとするアスカ

今 アスカに言わないと、必ず後悔する。

僕の気持を聞いて貰うんだ。

僕    :あ、アスカ、どうしても聞いて欲しい事があるんだ。

アスカ:何よ。

        また下らない事を言ったら、唯じゃ済まないわよ。


僕は体が震えた。

言わないと。


僕    :あ、アスカ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼくのき、き、気持を、き、き、聞いて

        ほ、ほ、

アスカ:あーまどろっこしいわね。

        別に取って食いやしないから、ゆっくり話しなさいよ。

アスカの顔を見ると、とても優しい顔をしていた。


アスカはソファーに座った。

僕もソファーに座った。


アスカの顔を見て安心した。


僕は深呼吸した。


僕    :うん・・

        僕はアスカの事が好きです。

        同情とか、一時の気の迷いでなく、真剣に好きです。

        その・・・

        本当は言うこと考えてたけど、何言うか忘れちゃった。

        ・・・

        アスカの気持ち、聞きもしないで勝手な事言うようだけど、

        僕と・・交際してください。

        まだ早いかもしれないけど、その・・

        結婚を前提にした・・その、交際をして下さい。

        ・・・

        ご、ごめん。

        勝手に話て。

        でもアスカを想う気持は、本当だから、


一気に話した後、アスカを見ると俯いていた。

僕    :アスカ・・・

アスカ:もう寝る。

アスカは僕に顔を見せず、部屋に走って行った。


僕はアスカに言った。

本当はもっと、いろいろ言うつもりだったけど、結局 何も言えなかった。

これで結果がどうなろうと悔いはない。


TVを消した。

冷蔵庫の唸る音だけが響く。


僕は自分の部屋に戻り、布団にうつ伏せに入った。


何の音もしない。

静寂が漂う。

でもアスカが居ると思うと、恐くなかった。


僕は何時の間にか眠りに就いた。

***************************************

がさっ・・

はあっ・・

目を覚ますと、目の前に太股があった。

顔を上げると

アスカ:起しちゃったね。

月明りを浴びたアスカが居た。

とても優しい顔をしている。


アスカは髪を下ろして、髪が頬にかかっていて、別のアスカの様だ。


僕    :今、何時だろう?

アスカ:Es ist drei Uhr.3時・・

僕    :こんな時間にどうしたの?

アスカ:シンジ・・

とても優しい声

僕    :どうしたの?

アスカ:give a kiss affectionately to you ・・ kissしようか?

僕    :へっ?

アスカ:いや?

僕    :そうじゃないけど・・

アスカは少し顔を傾け

アスカ:じゃ、しよう。

        Please shut yours eyes.目を瞑って・・

僕    :うん・・・んっ・・・・・・・・・・・・・

アスカにキスされた瞬間、頭の中が真っ白になった。

どのくらいの間か解らない。


犬の遠吠えが聞える。

冷蔵庫の唸る音が響く。

僕の心臓の音が体中にこだまする。

体が震えていた。


ぷちゅっ・・・


アスカ:あ・・糸引いてる。

僕は全身が熱くなって、アスカを見る事が出来なくなった。

アスカ:I have a deep affection for you.私の返事・・したから。

僕    :うん・・あ、ありがとう。

        ねえ・・アスカ、

       ・・どうして僕を選んだの?

アスカ:What an idiotic thing to say!ばか・・

       そういう情けない事は言わないの。

       アンタにそんな事言われたら、

       選んだ私が情けなくなるじゃない。

僕    :うん。

アスカは意地悪く

アスカ:そうね・・

        天才で、美人で、この完璧な体を持つ私を引き立てるには、

        アンタみたいな、阿呆で、あんぽんたんで、おたんこなすで、おたんちんで、

        戯けで、頓馬で、抜け作で、馬鹿たれで、馬鹿者で、馬鹿野郎で、べらぼうで、

        間抜で、与太郎が似合う男が必要なの。

僕    :本気で言ってる?

アスカ:ふふっ。

        ねえ、シンジからkissしてよ。

僕    :え・・・

アスカ:アンタ、今までkissした事ないの?

僕は俯いてしまった。

僕    :・・・・

アスカ:今時 珍しいわね。

        私以外の子とないの?

僕    :あ、アスカはあるの?

アスカ:ふふっ、教えない。

僕    :ずるい。

アスカ:まだ French kissはないわよ。

僕    :フランス人とキス?

アスカ:辞書で調べなさい。


アスカは僕の肩に顔を乗せた。

アスカ:シンジ、映画館の事を覚えている?

僕    :あ、余り、覚えていないんだ。

アスカ:もしさ、私が炎の中に閉じ込められていたら、

        シンジだったらどうする?

僕    :え・・その時になってみないと解らないよ。

アスカ:映画館、火事になったんだよ。

        私、自動販売機の下敷になったの。

僕    :えっ・・よく助かったね。

アスカ:シンジが助けてくれたの。

        シンジが身を挺して私を守ってくれたの。

僕    :僕、そんな事したんだ・・・

アスカ:シンジが生きていて良かった。

アスカが僕の背中に手を回した。

僕はビクッと震えた。

アスカ:嫌?

僕    :え・・こんなの初めてだから・・

アスカが僕を抱締めた。

僕    :あ、あんまりくっつかないでよ・・

アスカ:どうして?

僕    :その・・当るから・・・

アスカ:何が?

僕    :・・・・・・あ、アスカの・・・えっと・・・

アスカ:スケベ・・

僕は頭の中が沸騰した。

なんだかフラフラする。


何時の間にかアスカの寝息が聞える。

アスカ・・・


時計を見ると4時を回っていた。


僕はアスカを起さない様に持ち上げた。

あ・・・軽い。


アスカを部屋まで運び寝かせた。

おやすみ、アスカ。


僕も部屋に戻って寝た。


とても満たされた気持。

こんな気持ち初めてだ。


よかった。

生きていてよかった。


やっと、僕がここに居て良い理由が見つかった。

/* 言う a declaration of love */

次回、いつもと違う

目次に戻る