2021年7月17日(Fri) 晴れ

午前の授業も終り昼食になった。

トウジは重箱の蓋を開けながら

トウジ:はあ、今日もシンジはお休みか。

        シンジが居(お)らんと、苛める奴が居らんから詰らんな。

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実は僕とトウジは、夏休みの間中補習で学校に行く事になっていた。

けど僕は自分の布団の中で寝ていた。


7/11伊吹さんの誕生会に行ってから体の調子がおかしくなった。

そのため今週は風邪でずっとお休みしている。


アスカは夏休みだ。



アスカは僕のおでこの上のタオルをひっくり返しながら

アスカ:まったく、

        使徒の癖にどうして濾過性病原体(ウイルス)には弱いんだろうね。

        馬鹿は風邪引かないって言うのに、おかしいな?

僕は半ば意識朦朧状態。

僕    :・・・・・・

アスカは体温計を見ながら

アスカ:まだ38度か、風邪薬も、解熱剤も効きやしない。

        馬鹿に効く薬はないとは良く言ったものね。

        まったく、

        下僕が居なくなると、家事を全て私がしないといけないから大変なんだよね。

僕    :ご・・・ごめん。

アスカ:目が覚めたの?

        早く良くなりなさいよ。

        ドラマ見たいの我慢してるんだからね。

僕    :ごめん。

アスカ:アンタまた謝ってばかりね。

        このごろ、馬鹿の一つ覚えの「逃げちゃ駄目だ」や、「僕なんか要らない人間だ」や、

        ごめんを言わなくなったと思ったら、また謝り出した。


        悪いと思ったら、早く治しなさいよ。

アスカ:うん・・・

僕は力ない返事をした。

アスカ:もう、しょうがないわね。

アスカは僕の唇を拭いて、キスした。

アスカ:御呪いよ。

僕    :かぜ・・移るよ。

アスカ:風邪は人に移すと早く治るのよ。


        何時も私が甘えてるから、今はシンジが甘えて良いからね。

        何かして欲しい事あるの?

僕は焦点の定まらない目でアスカを見つめながら

僕    :ストリップ・・

アスカ:へっ?

僕    :アスカのストリップ・・・

アスカ:アンタ、熱で頭がおかしくなったの?

        熱がある癖に、裸なんか見たら上(のぼ)せて余計に熱が出るでしょ。

        1週間もHしてないから、Hしたいのは解るけど、

        そうゆうのは元気になってから言いなさい。

        まったく、熱で魘(うな)されててもスケベなんだから

アスカは嬉しそうにしていた。


アスカは僕のパジャマを脱がせながら

アスカ:汗で濡れてるから脱がせるわよ。

僕    :うん・・・

アスカ:何手で隠してんのよ。

        ちょっと、拭くのに邪魔なんだから手を退(ど)けなさいよ。

        何赤くなってんのよ。

        何時も見てんだから、別に照れる事ないじゃない。

        はい、いいわよ。

僕は新しい下着とパジャマに着替えて、新しいシーツと枕カバーの付いた布団に寝た。

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夕方、アスカは一人でドラマを見ていたが、面白くなかった。

いつも、ドラマを見ながら隣りにいるシンジを苛めるのが、アスカの日課になっていた。

ドラマを見るのを止めて、夕食を作り始めた。


2時間後、アスカは御粥(おかゆ)を持ってシンジの部屋に入った。

シンジはハアハアと辛そうに息を荒げていた。

アスカはシンジのおでこのタオルを冷えたタオルと取り替えた。

アスカ:シンジ、聞える?

シンジ:ん?

アスカ:御粥食べなさい。

        食べないと元気が出ないわよ。

        元気でないと、Hしたくても出来ないでしょ。

シンジ:うん・・・

アスカはシンジをゆっくりと抱き起した。


アスカは御粥をフーフーと冷ましながら、シンジの口元に運んだ。

シンジ:アスカ、迷惑掛けてごめんね。

アスカ:済まないと思うなら、早く治しなさいよ。

シンジ:ごめんね。

アスカ:一々謝らない。

        アンタは私の大切な下僕なんだから、迷惑だなんて思わなくてもいいの。

アスカは御粥を少し食べて

アスカ:味解る?

シンジ:良く解らない・・・


        アスカ、優しいね。

アスカはシンジの口元を拭きながら

アスカ:そうよ。

        私みたいに、シンジにこれだけ尽す女の子なんか他にはいないからね、

        私を泣かすような事したら、シンジは地獄に落ちるわよ。


アスカはシンジの口元に付いているご飯粒を口でパクッと取って

アスカ:こんな弱々しいシンジは嫌いだぞ。

と言って、シンジのおでこをコンと突付いた。

シンジの目尻からポロッと滴が流れた。

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朝、アスカが起きると隣にはシンジが居なかった。

アスカは起上がり襖を開けると、シンジが台所で料理をしていた。

アスカ:シンジ、何してるの?

シンジはアスカに振向いて

シンジ:アスカ、おはよう。

        調子がいいんで朝食を作ってるんだ。

アスカ:休みの日は私が当番なのよ。

        病み上りの癖して無理しないでよ。

シンジ:アスカ、長い間 看病有難う。

アスカは意地悪く

アスカ:口で言うのは簡単よね。

        誠意が感じられないわよ。

シンジ:もう・・・

シンジはアスカを抱き寄せてキスした。

キスはしばらくの間続いた。

キスが終ると、アスカはヘナヘナと座り込んだ。

アスカ:ふうっ・・・シンジ、欲求不満でしょ。

        kissぐらいで腰砕けになるなんて私も情けないわね。

        シンジ、立たせてよ。

シンジ:アスカの唇って美味しいね。

アスカ:バカ。

シンジ:アスカ、顔が赤いよ。

アスカ:アンタの熱か移ったのよ。

        もう、さっさと寝なさいよ。

シンジ:うん、おやすみ。

シンジが部屋に戻ると、アスカは鼻歌を歌いながら朝食の準備を始めた。

/* 鼻歌 hum a tune */         

次回、小さな命

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