2020年12月3日(Thu) 曇

午前の授業も終り昼食になった。

トウジは重箱の弁当を食べながら

トウジ:なあ

僕    :何?

トウジ:もう惣流とやったんか?

僕    :ブーッ!

僕はご飯を吹き零した。

トウジ:ばっちいな。

僕    :い、いきなり何て事言うんだよ。

トウジ:いやな、この頃 惣流の奴、物腰柔らかくなったし、

        俺らに暴力振るわん様になったし、

        シンジに対しても、シンジって言っとる様やしな。


        昔はシンジに気がある癖に、

        シンジの事言うと向きなって否定する癖に、

        シンジが他の女と仲良うしとると、

        俺らにとばっちりが来よった。


        変れば変るもんやな。

        ・・・・

        で、どないなの?

僕    :何がさ。

トウジ:何すっ惚けてんねん。

        もうコンコンやってんやろ?照れるなよ。

        夫婦なら当り前やろ!

僕    :そうゆう言方、止めてよ。

        それにまだ、キスしかしてないよ。

トウジは驚いたように

トウジ:な・・・お前らどっか悪いんか?

        惣流が拒むとは思えんからな。

        あいつの事やから、積極的な筈や。

        つー事はシンジ、お前・・実は やおいちゃうか?

僕    :どうしてそうなるんだよ!

トウジ:お前、昔 渚っちゅう気障な奴と仲良かったしな。

僕    :カヲル君とは親友なだけだよ。

トウジ:んにゃ、おかしい。

        だいたい俺らの歳ちゅうのは、溜まりまくっとるさかい、

        やりたくてウズウズしとるし、

        やりだしたらサルの様にやるのが正常な男ってもんや。

僕    :だから、トウジとは違うんだって。

トウジ:何 良い子ぶってんねん。

僕    :僕だって興味あるもの。

        我慢してるから、時々 鼻血だして倒れる事あるもの。

        でもそういうのは、僕がアスカを十分養って行けるようになってからだよ。


アスカを変な目で見ているわけではないんだ。

只、アスカは意地悪く、いつもバスタオル姿でウロウロしたり、

その他・・とにかく、アスカといると頭が変になるよ。

それをアスカは楽しんでいるみたいで、僕は我慢の限界で良く鼻血が出る。

情けない・・・


トウジ:あのな、女の花は短いで!

        お前がその気になる頃には惣流、ばばあやで。

        夫婦の癖に何時までもプラトニックラブなんぞ続かへん!

トウジの言う事は良く解ってるよ。でもね

僕    :解ってるよ。

        でも、今 僕からアスカに与えられるものは何も無いもの。

        お金は無い。財産も無い。

トウジ:愛があるやろ。

僕    :そんなんじゃ食べて行けないよ。

        それに単に捌け口解消の為にするの嫌なんだよ。


情慾、肉欲、欲情、色慾・・・僕の体は、快楽を求めている。

だからって、アスカは僕の快楽を満足する為の道具ではない。


何も無い僕には、アスカに何を与えらるんだろうか?


トウジ:シンジ、そないに考えてどないすんねん。

        夫婦なんやから、2人で協力して無から有へ作って行きゃええやんか。

        お前がそんだけ惣流の事、真剣に思っとんやから大丈夫や。

        そんな汚らしいと思わんで、素直になってみ。

        体に触れるってのは、男と女の関係では大切やで。

        昔、シンジは人との接触を拒んどったが、なんもええ事なかろうが?

        だまされたと思って、一回やってみなはれ、はまるさかい。

トウジは口が悪いけど、僕の一番の理解者、親友、大切な人

僕    :でも結婚後、何年か経つとしなくなるみたいだよ。

トウジ:それは努力が足りんからや。


レイ  :お兄ちゃん。

僕とトウジは吃驚して

僕    :ひっ!

トウジ:お、脅かすな!

レイ  :ごめん。あのね、お兄ちゃんと鈴原君に相談があるの。

トウジ:綾波から相談なんて珍しいな。

レイ  :A計画の参画と実行をしてもらいたいの。

トウジ:なんやそれ?

レイ  :ここでは言えない。

        今日、学校が終ったら私の家に来て。

        アスカさんは私が引き止めておくから。

トウジ:なんや?惣流はのけ者か?

        綾波、お前、何企んでんねん?

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夜、僕が寝ているとアスカが僕の布団に潜って来た。

アスカは僕に体を密着させて

アスカ:ねえシンジ。

僕    :何?

アスカ:この頃、嫌がらないね。

僕    :この頃 寒いから暖かくて良いかなって・・・

アスカ:うふっ・・当るのは?

僕    :え・・柔らかくて良いかな・・・・

アスカは声を上擦らせて嬉しそうに

アスカ:アタシの性教育の賜物ね。

僕    :その性教育って言方、何かやらしいよ。

アスカ:そうよ、シンジがその気になる様に努力してんだから。

        夫婦になって2ヶ月になるのに、未だにキス以外してないなんて、変だよ。

僕    :ごめん。

アスカ:時々むしゃくしゃして、シンジを襲ってやろうかと考えるの・・

        でも、シンジがその気になる迄、待つけどね、自信無いけど・・


        でも高齢出産は嫌だよ。

        初産が高齢だと、ダウン症候群の頻度が高くなるんだよ。


        ・・・

        シンジ、そんな、背中向けていないで、こっち向いてよ。

僕は体を回転させた。

アスカ:ふふっ。

        シンジ、口では拒んでるけど、体は正直じゃない。

僕は頭が暴走した。

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深夜2時、

僕はアスカが熟睡しているのを確認すると、家を抜け出し綾波の家へ向った。

綾波宅には、既にトウジ、洞木さん、ミサトさん、加持さんが居た。

レイ  :さあ、皆揃ったことだし、A計画を実施するわよ。

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朝、アスカは何時もより早く目が覚めた。

4時に一度目が覚めた時、

シンジが布団に居なかったので不安になり、寝付けなかったのだ。

アスカは横に眠っているシンジの髪を触りながら

アスカ:シンジ綺麗な寝顔している。

        満ち足りた顔してるね。

アスカはシンジの寝顔を見ながら、不図(ふと)悪巧みを考えた。

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僕はお昼頃に目が覚めた。


台所に行くとアスカがコーヒーを飲んでいて、

既にテーブルの上には朝食が用意されていた。

僕    :おはよう、アスカ!

僕は和(にこ)やかに言ったけど、アスカは機嫌が悪く

アスカ:何時まで寝てんのよ。

        もうとっくにお天道様は真上よ。

        朝ご飯だって冷えたじゃないの。

        さっさと顔洗って食べなさいよ。

僕    :うん。

僕は洗面台へ行った。

歯を磨きながら、不図、鏡を見た。

僕    :・・・・

僕は台所に行った。

僕    :あ、アスカ!!!

        何て事すんだよ!

        人の顔に落書して!

        いい歳して、何考えてんだよ!

アスカはコーヒーを飲みながら三白眼で

アスカ:歳は余計よ。

        アンタ、丑三つ時に何処ほっつき歩いてたよ。

僕    :な・・

僕は顔の事が反論できなかった。

アスカは僕の顔を見ながら

アスカ:まあ、アンタに浮気する様な甲斐性ないものね。

        罰として今日は荷物持ちとして付き合いなさいよ。

僕    :はい・・・

それから30分後、僕たちは余所(よそ)行きの服に着替えて、

僕は電子メールを書いていた。

アスカ:シンジ!行くわよ。

僕は電子メールを送信した。

見出しはA計画第2段階発動。

/* 計画参画 a marital bond */

次回、計画実行

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