ミサトさんは視線をトウジに変えて意地悪く

ミサト:ところでさー、鈴原君と洞木さんって、いつ結婚するの?

トウジ:ぶー、げほっ!げほっ!

洞木  :何吹出してるのよ。        

        ・・・・

        私たちも高校卒業したら結婚したいなー

        なんて思ったりするんだけど。

と洞木さんは俯いて言った。


僕は真面目な顔をして

僕    :トウジ、何時も僕にアドバイスしてくれるから僕も言うよ。

        トウジ、何時までも待たせていたら駄目だよ。

トウジ:ごほっ、ごほっ

        おおー、シンジがワイに説教たれよる。

        ・・・・

        心配すんな。

        生計立てられる様になったら、決着付ける。

ミサト:よっ!かっこいいー!

        鈴原君は将来どういった方面に進むの?

トウジ:デザイン関係の勉強して、夢は自分の設計した車を世の中に出す事ですわ。

        完成したらミサトさんにプレゼントしますわ。

洞木さんは鶏肉を解(ほぐ)しながら

洞木  :可也、勉強しないとね。

トウジ:とほほ・・・


ミサト:シンちゃんは?

僕    :僕は高校卒業したら、フランスへ料理修行に行こうと考えています。

ミサトさんは驚いた様に

ミサト:フランス?

僕    :ええ、ヨーロッパ中を。

ミサト:・・・・

僕    :何か問題ありますか?

ミサトさんは加持さんと目を合わせた後

ミサト:あのね。

        シンジ君、アスカ、鈴原君、レイ。

        あなた達はNerv解体後、身柄がUNに移管されたの。

        この街に居る限り大丈夫だけど、他国へは手続が大変なの。

僕    :アスカは?

アスカ:アスカの仕事はUNから委託されてるの。

        公には連邦政府の職員だけど、UNの監視対象なの。

トウジ:じゃ、わいら好き勝手できんつうことかいな。

ミサト:ごめんね、大人の勝手を押し付けて、

僕    :じゃ、僕は出国できないのかな?

ミサト:多分、監視が付くと思う。

加持  :シンジ君、そう悲観しなくてもいいよ。

        君が存分修行できる様にこちらで手を打っておくよ。

        例えば、美人のお姉さんを監視役にするとかね。

ミサトさんが加持さんを睨んだ。

僕    :でも、加持さんもミサトさんも、

        今は一般企業に勤めてるじゃないですか?

加持  :それはアルバイトだよ。

        身分はUNなんだ。

僕    :僕たち、又、辛い目に遇(あ)うのかな?

        ずっと監視されるのかな?

        嫌だな・・やっと幸せになれたと思ったのに・・・

トウジ:身に過ぎた果報は禍(わざわい)の元、つうことか・・

レイ  :福過ぎて禍生(しょう)ず・・

加持  :君達の存在そのものが国家機密だからね。

        でも日本に居る間は大丈夫だよ。

        君達の監視は僕達が担当だから。

アスカ:えーっ!不味(まず)いよ!盗聴とかしてるの?

ミサト:する必要ないもの。

        時々アスカの喚(わめ)きが聞えるから、何してるか解るもの。

トウジ:そりゃ、ごもっともで。

ミサト:皆、ごめんね。

        せっかくのアスカの誕生日が辛気臭くなって。

        シンちゃんの留学の件、一計を案じとくから。

アスカ:はーあい。じゃ、皆で食べましょ。


ミサト:今日は皆、飲んで良いわよ。

僕    :僕たち未成年ですよ。

ミサト:アンタ達夫婦なんだから良いわよ。

アスカ:自分が飲みたいからって、何を悖(もと)らん事言ってるのよ。

ミサト:ドンマイ!ドンマイ!

アスカ:ドンマイ?

僕    :Don't mind!気にするなだよ。

アスカ:Never mind about that.じゃないの?

        日本人て変!

***************************************

アスカの誕生会も盛り上り、乱痴気騒ぎとなった。


僕とアスカを残して皆は泥酔してミサトさん宅で泥の様に寝ていた。


アスカは僕の布団に居る。

このごろ毎日、アスカは僕の布団に潜りに来る。


アスカは熱燗を五合も飲んでいたので、真赤な顔で僕を見つめている。

アスカの息、お酒臭い。


アスカは僕の唇を触りながら、

アスカ:シンジが沢山居る。

僕    :もう寝ようよ。

アスカは僕の手を握り

アスカ:まだ嫌だ。

        もっとシンジと話した。

        もっとシンジに甘えたい。

        離れたくないよ。

僕    :傍に居るって。


アスカ:うーん・・・

アスカの溜息、何かHっぽい。

アスカ:理性が段々薄れて行く。

        この際だから、

        どさくさに紛れてシンジを襲って既成事実を作っちゃおうかな。

        夫婦だから、傷つけなければ和姦だしね。

僕    :わかんって、そんなことしたら、僕、家出するよ。

アスカ:・・・離婚とは言えないのね。

僕    :好きだもの。

アスカ:シンジ、愛してるって言わないのね。

僕    :・・・照れるんだ。

アスカ:私は愛してるって言えるわよ。

        言えないところがシンジらしいけどね。

僕    :僕は誰にも負けないくらい想ってるよ。

アスカ:思慕

僕    :しぼ?

アスカ:そう思慕、思い慕うこと。

        さっきのシンジの言葉

        ・・・・

        昔はシンジに負けるのがとても嫌だった。

        でも今は、どんどん逞しくなるシンジを見ているのが心地いいの。

僕    :僕がもっと勇気を出せば、

        アスカも傷つかずに済んだのにと思うと、辛いんだ。

        ごめんね。

僕は4年前の事を思い出してしまい、涙した。


アスカは僕の手と足に、自分の手と足を絡めながら

アスカ:でも、今はこんなに私を大切にしてくれるもの。

        昔の事で何時までも悔まなくても良いわよ。

        ・・

        私が唯一物足りないのは、シンジが私にHしてくれない事だけよ。

僕    :はい・・

アスカ:シンジが一つだけバカトウジに見習う事がある。

僕    :何?

アスカ:刹那主義。

        過去も将来も考えず、現在の瞬間の感情の儘(まま)に生き様とする考え方。

アスカは僕を回転させて、僕と向合って密着した。

アスカ:・・シンジ、今だって体の方は正直なのに、

        何もしたいとは思わないの?

僕    :・・・・このごろ自信ない・・何かウズウズする。

アスカ:そうでしょ。

        それが正常なのよ。

        ・・・・

        じゃ、私の誕生プレゼントにHしようよ。

僕    :それは駄目。

アスカ:アンタも頑固ね、強情っ張り!

        そのうち貧血起して病院に運ばれるわよ。

僕    :もうフラフラしてきた。

        寝るから。

アスカ:おばかだな。我慢しなくてもいいのに。

        おやすみ。おばかさん。

/* 守 We were placed in custody. */

次回、心

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