アジア旅行記

【ミャンマー編】 '96/04/27〜05/08          更新日:'96/09/07


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【ミャンマーで考えたこと】

◆GHのお兄ちゃんの給料
 海外旅行に行ってよく聞かれる質問に「給料はいくらもらってる?」と言うのがあ ります。そんなとき、正直に答えていいのか少し悩んでしまいます。
 4年制の大学を出たお兄ちゃんが仕事がないのでとパガンのGHで働いていました。 彼はすでに結婚していて子供(赤ん坊)が1人います。で、1月の給料が 1200Ks。 (当時のレートでほぼ1100円。ただし、1200Ks というのはうろ覚えですが)我々が晩 飯を食べて支払う額が一人 200Ks 程度でした。別に外国人だから高いわけでもない し、周りの現地人と似たようなものを食べていたし、これから考えるとどうやって一 家三人暮らしているのだろう?と思ってしまいました。

◆遺跡の保存と生活の向上
 人々の生活が向上して行くに従って、環境が変化していくのは当然のことです。パ ガンも例外ではありません。一番の目抜き通りであるニャウン・ウーのメインロード (これが道路の名前なのです。)でも道路工事が盛んに行なわれていました。
 さて、あるパゴダ(寺院)の横で下水道の工事を住人自身がやっていました。“上 流”に行って見ると雨水か何かが溜まりところがあり、衛生的とは言えない状態でし た。これを排水しようと言うわけです。ここの人達と仲良くなり果物をご馳走になっ たりしたので、ちょっとお手伝をしました。(手際が悪く、邪魔をしていたのかもしれませんが)掘っていると焼き物の破片が沢山出てきます。勝手な想像をするに、パ ゴダになんらかの関係がある土器か、瓦ではないかと思うのです。
 生活の向上のお手伝と思ってやっているけど、実は文化遺産の破壊活動をやってい るのではないか?そんな考えがよぎり気が気ではありませんでした。本当に“破壊活 動”だとしても、彼らからすると生活向上の方がより重要なわけで、手伝わなくても 彼ら自身で仕上げるので結果は同じなのですが。ちょっと考えさせられました。
 下水工事とは関係ありませんが、パゴダに行ってみるとレリーフの多くは顔がない のに気付きました。最初は古いから仕方ないな、と思っていたのですが、どうもこれ は比較的最近、住人によって破壊されたのではないか?と思うようになりました。と いうのは、あるパゴダで若者が「いいものがあるから買わないか?」と言って石でで きた仏様(?)の顔を見せてきたのです。もちろんそれがレリーフを剥ぎ取ったもの だという確証はありませんが、その可能性は高いでしょう。
 文化遺産を保護し、貴重な観光資源とすることで多くの観光収入を得られると思う のですが、“明日より今日”と言うようにまだまだ余裕がないということなのかなあ と思いました。
 よそ者の希望としては、しっかりと文化遺産を保護して欲しいものです。

◆パゴダと女性
 社会主義国というと「無宗教」「男女同権」と言うイメージがありましたが、ミャ ンマーでは状況が違います。ミャンマーは敬けんな仏教国です。滞在中私が心地よく 感じたのは、こういった部分も大きな要因かも知れません。
 さて、それに関係するのでしょうか、パゴダの近くに住むお母さんから「政府から “パゴダ・エリアに女性が住み着いてはいけない”と言われ近々引っ越さなくてはい けないが、引っ越し費用がばかにならない。」と聞きました。日本での女子学生が就 職しにくいと言うような“男尊女卑”的なものは社会主義国ではほぼゼロだという印 象を持っていたので、大変意外に感じると同時に、政府が言うような事ではないと思 いました。仮にこれがミャンマーの人達の価値観にあっていたとしても最低引っ越し 費用を政府が負担するくらいはするべきではないでしょうか?


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