2002年11月

o.68

2002/11/01(Fri)
10月をふりかえり…… (順 不同)

・拉致被害者の死亡発覚と生存者の一時帰国
 : (とても 一言で語れるものではありません)

・戦後最大?の台風下のコンサート〜オーケストラ・シンポシオン
 : 結果はたいした被害もなくよかったのですが、コンサートは
   ドタキャンあり予約のスッポカシはありで、関係者にはお気の毒
    でした。

・北海道西友での払い戻し事件
 : 人間性善説を疑わせる何とも後味悪い事件でしたネ。

・好調 読売・編集手帳 
 : なにやら この欄がコラム紹介に変わったよう (笑)
   おかげで各紙コラムに目を通す習慣となったが
   読売・編集手帳(著者:竹内政明)の好調さに驚かされた。
    → 10/3、10/4 コラムは特におススメ
  (同時に産経という新聞の特異性をあらためて認識)

・元ドリカムの西川クン 覚せい剤使用発覚
 : 当初は傷害事件ということがやはり……

・島津製作所・田中耕一氏のノーベル化学賞受賞
 : 一夜明けたら有名人を地で行く話。う〜む…

・世田谷文学館で西脇順三郎展開催
 : 没後 20年とは…… <感慨無量!>

・石井紘基代議士暗殺!
 : 白昼の代議士暗殺事件を矮小化してはならない。

・目覚めよ!バッハ/カンタータへの招待 公演(11/29)
 : 礒山先生 プロデュース公演の大成功 おめでとうございます!

・「モザイク・クァルテット」公演 (11/30)
 : 古楽器(ピリオド楽器)の弦楽四重奏団ではピカ一と評判の
   クァルテット演奏会 

・日本シリーズ 巨人の4連勝!!
 : 思わぬ結果に、昨年までの巨人監督は何だったんだ!!

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No.69

2002/11/02(Sat)
『徒然草』を読む。

「オンライン古本屋」にて、『徒然草』を読む。
というメル・マガについては先に掲示版でご紹介したが、
時々 わが身を振りかえり心を打たれる章がある。

10/5 配信のこれもその1つ。

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『徒然草』    第 七十九 段


  何事も入りたたぬさましたるぞよき。 よき人は、知りた
 る事とて、さのみ知り顔にやは言ふ。 片田舎よりさし出で
 たる人こそ、万の道に心得たるよしのさしいらへはすれ。

 されば、世に恥づかしきかたもあれど、自らもいみじと思へ
 る気色(けしき)、かたくななり。

  よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言は
 ぬこそ、いみじけれ。

                         (全文)
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ● 訳 ○

  何事につけても、深く立ち入って知っているふりをしない
 でいるのが良い。 立派な人は、知っている事だからといっ
 て、そう無闇に知ったかぶって言うであろうか。
  京の周辺の片田舎から、京に出てきた人は、あらゆる方面
 に通じている様子の受け答えをするものである。 そのため、
 聞いているこちらが非常に恥かしさを感じる点もあるけれど、
 自分自身ですばらしいと思っている様子は、みっともないも
 のだ。
  よく精通している方面については、きっと口を重くして、
 聞かれない限りは言わないというのが、たいへん立派な態度
 である。

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No.70

2002/11/03(Sun)
「ナンネル・モーツァルトの密かな願い(仮題)」

以前 ご紹介した10月10日と並んで、今日11月3日も
晴れの特異日のよう、あまり雨の文化の日という記憶はない。

先日から、モーツァルトの姉 ナンネルを主人公とした
小説 「ナンネル・モーツァルトの密かな願い(仮題)」を
読んでいる。
 といっても、英語なので拾い読みしている。
青少年向けノヴェルということなので、そんなに難しい表現は
ないのだが、そうはいっても時々は小型辞書にはない表現があり
(特に口語表現)立ち止まってしまう。

世間から神童と呼ばれる弟を持った12歳の少女の戸惑い、
弟へのアンビバレンツな愛憎感情、
チョッピリの史実に大胆な想像を加えたフィクションである。

そのうち、HPでご紹介できればいいのだが……


 

No.71

2002/11/04(Mon)
いまだ読んでいない有名な本???

どの分野でも必読書というものがある。
モーツァルトでいえば、さしあたり
古典では 書簡全集、小林秀雄、アインシュタイン、
アンリ・ゲオン、ヴィゼワ&サンフォワにオカールといったところか。
 最近の書では、海老澤・礒山・高橋・石井・井上先生のものに
メーナード・ソロモンが加わった。

今日の『天声人語』 は、そんな必読書をネタにして
とても面白い。 久々のヒットか!?

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■《天声人語》 11月04日

 あの本も読んだ。この本も読んだ。
そういって自分の読書量を誇示する。
あるいは「こんな有名な本も読んでいないの」と相手をからかう。
そんな光景にお目にかかることはあるが、その逆をいくちょっと
変わったゲームがある。

 有名な本だが、自分はまだ読んでいないという本を挙げる。
たとえばトルストイの『戦争と平和』でも、夏目漱石の『坊つちやん』でもいい。
参加者に「読みました」という人が多いほど得点が高い。
自分以外は全員が読んでいる本を挙げれば最高得点だ。

 英国の小説に出てくるゲームで、学者の間でやるとかなり屈折した展開になる。
勝つためには恥を忍んで自分の不勉強ぶりを告白する。
主人公の英文学者は、あるとき必勝を期してディケンズの
『オリバー・ツイスト』を読んでいないと告白したが、敗退した。

 このゲームに巻き込まれて、つい「『ハムレット』!」と
口走った英文学者がいた。
皆大笑いした。冗談に決まっている。
しかし本人は「うそつきだというのか」とまじめに怒り始めた。
どうやら本気らしい。
座は白け、本人は大学への就職をふいにすることになる。
『ハムレット』を読んでいない英文学者を採用するわけにはいかない、と。

 まじめすぎると、そんな悲喜劇も生じるが、遊びだと割り切れば、
大人のゲームとして楽しめるかもしれない。
しかし、とまじめに考える。
いまの日本で必勝をねらえる本はあるだろうか。
漱石だろうか、鴎外だろうか。

 読書週間中の本屋を探索したが、
これだという本には行き当たらなかった。

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No.72

2002/11/05(Tue)
毒があって面白い……

このところ、読売・編集手帳 と朝日・天声人語 のはりあいが
面白い。やはりライバルがいないとマンネリに陥る。
 (おいしんボの 究極 vs 至高 のように……(笑))

昨日は 『天声人語』 を絶賛したが、
『編集手帳』 も毒があって面白かったので……

(ところで、日本酒の腐造ということでは、あの漂白の俳人 
 種田山頭火の出奔の原因というのが生業である造り酒屋
 の2年続けての腐造による破産だった。
 この腐造なかりせば俳人山頭火は誕生しなかった!?)
       う〜む…

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11月4日付・編集手帳 

かつては、造り酒屋の蔵元の中から総理大臣になった人物も出た。
しかし、酒造りの方は、杜氏を筆頭とする蔵人たちに任せていたものだ

◆昨今は、蔵元自身が杜氏を務める例も珍しくない。
酒造場に若者の姿も多く見られるようになった。
酒蔵の風景の変化は、味の向上にもつながっているらしい。
稲垣眞美さんの「新しい日本酒の話」(文春新書)で知った
◆大学で醸造学を学んだ後、岩手県紫波町で地元酒造店の
十三代目蔵元を継いだ佐藤元さん(31)も、新しい波を担う一人だ。
杜氏の板垣幸寿さん(58)に従いつつも、自分のアイデアを酒造りに
反映させている
◆岩手産の米を使い、「岩手らしい酒」を生み出すのが目標だ。
この秋、自社田で収穫した酒造米「美山錦」の出来は理想に近い品質
だったというから、今月中旬に搾る新酒には大いに期待したい
◆発酵しつつあるもろみの温度を一定に保つため、夜いったん床に
ついてからも二時間ごとに起き出し、温度計を確かめる。
管理を間違えば有害菌の異常発生を招き、アルコール発酵が途中で
停止してしまう。そうなれば一巻の終わりだ
   <中略>
◆この腐造という現象、日本経済の足を引っ張り続けるデフレに
似てなくもない。
そんな風に考えたら、経済政策を“丸投げ”気味の小泉首相が、
昔の蔵元のように見えてきた。

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No.74

2002/11/06(Wed)
ちょびっと森 麻季!!〜 “地球名曲コンサート”

Hさんから頂いたチケットで NHK NHK「日本賞」 授与式へ……

いえいえ、 第2部の “地球名曲コンサート”のほうへ (笑)
うかがった時、第1部終りでちょうど皇太子夫妻の退場場面。

本当は国音 Be研 トーク・コンサートがあったのだけど……
ご贔屓 森 麻季が出るとあっては!!
    (国音の皆様 ゴメンナサイ!)

その他に、熊本マリさん、川久保賜紀さんというTVやJ-クラシックの
人気者?が登場するのも楽しみで……

演奏については、こういうアトラクションという場ですから
真剣勝負のようなわけにはいかなくて……
(もともと、それを要求する必要もないわけで)
楽しんできました。

森 麻季サンの出番は、「ジャンニ・スキッキ」よりの1曲で、ちょびっと
だったのが、残念。 
 でも衣裳持ちの麻季シャン、すげえドレスでしたよ、(笑)
今度の日曜夜9時から3チャンネルで放映されるそうですから
ご覧ください。 

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NHK NHK「日本賞」 授与式 
  第2部 “地球名曲コンサート”
演奏曲目
川久保賜紀(ヴァイオリン):ビゼー原曲/カルメン幻想曲
熊本マリ(ピアノ):ガーシュイン/ ラプソディー・イン・ブルー
森麻季(ソプラノ):プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」より
           “私の愛しいお父さん”
演奏:NHK交響楽団 指揮:外山雄三

*他にオケ演奏で、 マイスタージンガ−前奏曲、グリーンスリーブス幻想曲、
青きドナウ、くるみ割り人形 、アンダンテ・カンタービレなど 欧州各国を
巡る音楽の旅というコンセプトで、最後は日本で、外山作曲の
『管弦楽のためのラプソディ』で締めという次第です。
  (『ラプソディ』は前半省略の短縮版?)
 


 

No.75

2002/11/07(Thu)
国家による拉致、誘拐……

ここにも国家による拉致、誘拐が……
(かっての我が国、ドイツ そして北朝鮮!)

>歴史的な背景は違っても、国家や戦争に翻弄される個人、
とりわけ幼き者の運命のむごさを思い知らされる。
  → 同感です。

『天声人語』 11/7を是非お読み頂きたい。

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 大戦中、ナチス・ドイツにさらわれたポーランドの4歳の男の子は、
孤児院を経てドイツ人家庭に引き取られ、ドイツ人として育てられた。
ナチス礼賛の少年だった。
戦後、11歳のとき、自分がポーランド人だと知らされる。

 「僕がドイツ人じゃない。ドイツ人じゃないだって。
僕は……ポラッケだっていうのか。(略)
馬鹿馬鹿しい。ふざけた話だ。あり得ないじゃないか」。
「ポラッケ」と呼んで軽蔑していたポーランド人だと聞かされ
深い衝撃を受ける。

 曲折の末、少年はポーランドの実母に会いに行く。
すぐにもドイツに帰る心づもりで。
駅に迎えに来た母のことを
「ああ、この眼差しを、その目に溢れた悲しみを私は決して忘れない!」
滞在中、ドイツで聞いた話とはまるで違うナチスの「蛮行」を
聞かされ、茫然とするばかりだった。

 しばらく滞在したあと母に「ドイツに帰るの」と尋ねられ、
とっさに「ポーランドに残ってもいいんだけれど」と答えた。
一瞬後には後悔した。
それまで遠慮していた母が、そのとき初めて彼を抱きしめた。
その後も彼の心は揺れ続けるが、結局母国に残った。

 A・トヴァルデツキ氏が体験をつづった『ぼくはナチにさらわれた』
(共同通信社)からの抜粋である。
訳者の足達和子さんは、国家による人さらいの無残な歴史を
多くの人に知って欲しい、と。
ナチスによる人さらいは50万人、うち20万人がポーランド人だったという。

 歴史的な背景は違っても、国家や戦争に翻弄される個人、
とりわけ幼き者の運命のむごさを思い知らされる。

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No.76

2002/11/08(Fri)
ハン・ブンジャク逝去

ハン・ブンジャクって知ってる人?

 スーパースターではありませんが、何となく気になる
タレントという人がありますね。
私にとってこの人もそうでした。
百恵ちゃんのお母さん役「ホワイト・ラブ」でしたか
スペインの牛追いの事故で亡くなるシーンなど
記憶に残っています。
 そういえば、ブレークした「サインはV」でも
難病で死ぬ役でした。なんという……

記事はスポニチから
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【<芸能>「サインはV」の范文雀さん死去】
 テレビドラマ「サインはV」で大きな人気を集めた女優の范文雀さんが5日午後1時38分、心不全のため東京都千代田区の病院で死去した。54歳。東京都出身。葬儀・告別式は8日に近親者のみで済ませた。後日、お別れの会を開く予定。喪主は置かない。今年春まで舞台を中心に活躍していたが、10月初めに体調を崩し入院していた。

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No.77

2002/11/09(Sat)
落語名演VIDEO

久々に落語名演のヴィデオ鑑賞。

帰国中のドン・アルフォンソさんに
さしあげようとダビング録画しながら
結局全部観てしまった。
 う〜む……
しかし、こういうものが残っているということは
現役の噺家サンにとっては、つらいものでしょうね。

クラシックの世界では、新全集使用などの
裏ワザがありますけどね…

ヴィデオの内容はというと、
・桂 文楽   愛宕山
・林家彦六   中村仲蔵
・柳屋小さん  らくだ

〜としてみましたがいかがでしょうか?


 

No.78

2002/11/10(Sun)
お久しぶり、ドン・アルフォンソさん!

今日は2時から日本モーツァルト愛好会の企画委員会で
目白明日館へ。
 財政情勢は厳しいです。(^^;)
 一方 モーツァルト2006に向け企画は練らないと…
 う〜む……

お話代わって、5時半からモーツァルティアン・フェラインの
2次会(懇親会)へ出席。
 Y先生とドン・アルフォンソさんがゲスト。

ドン・アルフォンソさん、1年ぶりです、お久しぶり!!
いつもメールを頂いたり、BBSに投稿頂いたりしていますので
何となくいつもお会いしているような気がしますが
お会いしたのは、今日でまだ2回目なんですね。
インターネットとは本当にありがたいものです。
 


 

No.79

2002/11/11(Mon)
長い素敵な1日

歌舞伎にモーツァルトと長い1日でした。
でもこんな忙しさなら大歓迎です。

まず 11時から4時まで国立劇場で歌舞伎見物。
話題の鴈治郎七役挑戦の「仮名手本忠臣蔵」です。
今日は、その第1部 大序〜六段目。

「仮名手本忠臣蔵」といえば、落語でも
「四段目」や「中村仲蔵」でおなじみですね。

今日の演出は、上方風というのか
ちょっと雰囲気の異なる華やかなものでありました。
それにしても、70歳の人間国宝 鴈治郎の元気なこと。

4時間、殆ど出ずっぱりですもの。
元気の秘密は、やはりあの舞妓さんか…
う〜む……、私も頑張らねば (笑) 

6時から、日本モーツァルト協会例会 上野へ…
ちょっと早く着いたので時間まで音楽資料室へと
思ったら、何と月曜日で休館。
しまった! (シャレじゃありません!)

と思っていたら、愛好会の長老Tさんとばったり
お話をうかがうと、この方もお元気です。
この会の前に、芦花公園まで散策へ行ってきたそうです。
みんな、元気ですね。
元気の秘密は??(笑)

演奏に先だって、田崎瑞博さんによるレクチャー・コンサート
(海老澤先生によると、コンサート・レクチャーだそうで)
不協和音クワルテット冒頭の隠れた和声の説明とか
大変興味深いものでした。もっと長くうかがいたかった!

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通し狂言仮名手本忠臣蔵
  <中村鴈治郎七役相勤め申し候>

〈第一部〉
大 序  鎌倉鶴ヶ岡兜改めの場
三段目  足利館門前進物の場
      同  殿中松の間刃傷の場
四段目  扇ヶ谷判官切腹の場
      同  城明渡しの場
五段目  山崎街道二つ玉の場
六段目  与市兵衛住家勘平腹切の場

〈第二部〉
七段目  祗園一力茶屋の場
九段目  山科閑居の場
十一段目 師直館門前討入の場
       同  広間の場
       同  柴部屋焼香の場

主な出演者
中 村 鴈治郎
中 村 魁  春
市 川 段四郎
中 村 歌  昇
中 村 玉太郎
市 川 亀治郎
坂 東 竹三郎
坂 東 吉  弥
中 村 東  蔵
中 村 梅  玉
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日本モーツァルト協会11月例会(通算第443回例会)


とき:2002年11月11日(月) 午後5時50分開場 6時45分開演
ところ:東京文化会館小ホール


古典四重奏団

ヴァイオリン 川原 千真 Chima KAWAHARA vn
ヴァイオリン 花崎 淳生 Atsumi HANAZAKI vn
ヴィオラ 三輪 真樹 Maki MIWA va
チェロ 田崎 瑞博 Mizuhiro TASAKI vc

午後6時〜6時30分
田崎瑞博によるミニ・レクチャー
『“不協和音”は本当に不協和か?』
部分演奏を交えてのお話です

----- PROGRAMM -----

1. 弦楽四重奏曲 変ホ長調 KV.171
    
2. 弦楽四重奏曲 変ホ長調 KV.428
「ハイドン四重奏曲第3番」

3. 弦楽四重奏曲 ハ長調 KV.465「不協和音」
「ハイドン四重奏曲第6番」

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No.80

2002/11/12(Tue)
「松木さん遺骨」は別人!!

たいへんなことになりました。
北朝鮮側が「死亡」と伝えてきた拉致被害者の遺骨が
別人と判明したそうです。

これって、落語の「お見立て」みたい。
と思いましたが、そんな場合じゃない!!

まったく北朝鮮ってヤツは??


WEB読売から
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「松木さん遺骨」は別人

 1980年に欧州で拉致され、北朝鮮側が「死亡」と伝えてきた松木薫さん(拉致当時26歳)について、政府調査団が先月持ち帰った「遺骨」を鑑定した専門家と内閣府の「拉致被害者・家族支援室」の担当者が11日夜、「別人の骨と結論づけた。

 43歳で死亡とされた松木さんより20歳以上年上の60代の女性の可能性が高い」と松木さんの親族に伝えた。

 これまでも、北朝鮮側の説明には数多くの疑問点が指摘されていたが、科学的根拠に基づいて、矛盾点が明確になったのは初めて。政府はこの結果を踏まえ北朝鮮に対し抗議、再調査を求める方針。

 親族によると、調査団メンバーの橋本正次・東京歯科大講師が、持ち帰った遺骨数片の中から、上あごの左側犬歯部分の骨について、松木さんの姉2人の歯のレントゲン写真と照合して比較。さらに、薫さんの年齢に相当する平均的日本人とも比べた。その結果、〈1〉歯が歯茎から露出している部分が、他の親族や同世代の平均に比べて大きい〈2〉犬歯そのものの大きさも、親族らに比べて小さすぎる――ことなどが分かり、松木さんの骨ではないと結論づけた。橋本講師は、読売新聞の取材に、「断片的に残っていた他の骨など、その他の身体的特徴と合わせて松木さんよりも20歳ぐらい高齢の女性の骨である可能性が高い」と話した。

 政府は警視庁科学捜査研究所などに依頼し、遺骨のDNA鑑定を進める一方、先月下旬から、橋本講師らに、薫さんの姉2人から歯やあごの骨が写ったレントゲン写真を取り寄せるなどして、解剖学的見地からの鑑定も進めていた。DNA鑑定については今月5日、骨が2度火葬されているために判定できないとの結論が下されていた。

 松木さんは熊本出身で、スペイン留学中に、「よど号」グループの妻らと接触し、北朝鮮に拉致された。

 政府調査団に対する北朝鮮側の説明によれば、80年夏に欧州で拉致された松木さんは、96年8月23日、咸鏡南道のトチョル峠で、交通事故に遭い、死亡したとされる。遺体は土葬され、事故場所に近い遺体安置所に収容された。その後、洪水で墓が流されたため、松木さんの遺体と思われるものを回収し、いったん火葬。その後、日朝首脳会談の開催が発表された8月30日、2度目の火葬をした後、平壌市内の共同墓地に埋葬されたという。

 北朝鮮は政府調査団に対し、この骨については「火葬状態などから当人の遺骨に近いと判断した」と断定は避けていた。一方、橋本講師も現地で「複数の人物が混じっているようでもある」と指摘していた。

 今回の鑑定結果を受け、薫さんの弟、信宏さん(30)は「この結果が出るまではずっともやもやとした不安な気分だったが、別人の骨ということが分かり、薫が生きているという確信がより強くなった。一刻も早く助けてあげたいという気持ちだ」と話している。

(11月12日03:02)
 


 



 

No.82

2002/11/12(Tue)
都響定期

今日は都響定期公演(サントリー・ホール)
これで3連チャン、しかも月曜日は歌舞伎との掛け持ちで
計 9時間椅子に縛られていたわけで、いささか疲れた。
 (口内炎も出てきた (笑))

今日の公演では、ソロ・コンマスが2人揃って出た上に
マイクの数がいつもより多いので、ライブ録音でも
あるのかと思ったら、メトロポリタンTV(UHF)
録画があるかららしい。

曲目のせいもあり威勢よく大熱演で
終わるとブラボーの嵐。
私は、あまりベルティニという指揮者は雑な気がして
好みではないのだが、ツボにはまるとさすがに凄い。
今日は、ちょっとはまったほうか!!

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バルトーク
・ヴァイオリン協奏曲2番
  (ソロ: イザベル・ファウスト)
・オケコン
 (管弦楽のための協奏曲)
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No.81

2002/11/13(Wed)
モーツァルトの頭蓋骨事件…

10数年前のモーツァルト・フィーバーの頃
展覧会にモーツァルトの頭蓋骨という代物が
掲出されたことがあった。
その後、偽物との結論が出たようだが、
その時、大人の頭蓋骨にしては小さすぎるとの声に
「あれは、子供の時のものだから!!」
なんて軽口がたたかれたのを覚えている。

これは、笑い話で済んだが
 (誰も、最初から本物とは思っていなかったし!)
今回の北朝鮮の遺骨については、そうはいかない。

11月13日付・編集手帳を…

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 怪しげな小屋の前で呼び込みが
「源頼朝公のしゃれこうべ、お代は見てのお帰りに」。
つられて入ると、しゃれこうべが一つ。
伝説では大きな頭の人というが、目の前にあるのはさほどでもない

◆にせ物ではないかと文句を言うと、呼び込みの男いわく
、「頼朝公御年(おんとし)八歳のしゃれこうべ」…。
おなじみの江戸小ばなしである。空想の小ばなしだからいい。
もし実話であれば、人の命がもてあそばれているようで後味は不快である

◆北朝鮮から持ち帰った拉致事件の被害者、
松木薫さんの“遺骨”は、解剖学による鑑定で別人のものと分かった。
北朝鮮も本人とは断定していなかったが、不快感はぬぐえない

◆土葬が普通の国で、なぜか一度ならず二度も火葬に付された
遺骨である。二度目の火葬を経て平壌市内の墓地に安置されたのは
八月三十日――日朝首脳会談の開催が発表されたその日のことである

◆生年月日の誤り。被害者本人が知らないはずの本籍地の記載…。
死亡したとされるほかの七人についての情報にも、不審な点は少なくない  《中略》

◆日朝交渉で北朝鮮は「経済協力」に何よりもご執心だが、
きちんとした調査で事件の真相を語り、国家犯罪の後始末を
つけるのが順序である。
怪しい遺骨を見せて一件落着、さあ財布を――というのでは、
小ばなしの呼び込みと変わらない。
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No.83

2002/11/14(Thu)
谷山浩子と村上春樹とフセインと…

今日の《天声人語》がとても面白いので是非…
(落語「そこつ長屋」といえば亡くなった小さん師匠の
 十八番だった!)
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■《天声人語》 11月13日

 真夜中に目をさますと部屋の真ん中に小さな家がある。女の子が主人公の一見可愛らしい歌は、そう始まる。窓からのぞくと小さな父がテレビを見ていて、小さな母が花をいけている。

 NHKで放送中の「みんなのうた」の「そっくりハウス」(谷山浩子)だ。小さな家の子供部屋には自分と同じパジャマを着た女の子がいて、何かをのぞきこんでいる。彼女がのぞき込んでいるのも小さな家だった。小さな家をのぞく私を私が見ている。それをまた私が見ている。それをまた……と延々と続く奇妙な光景である。
《中略》
 村上春樹さんの小説『スプートニクの恋人』(講談社)にも奇怪な場面があった。事故で遊園地の観覧車に閉じ込められた女性が、たまたま自分のアパートを見てしまった。そこには自分と男がいて最も見たくない光景を見せられる。その一夜の経験で彼女の髪は真っ白になった。

 自分と同じもうひとりの自分がいる。この「幻想」を専門用語ではドッペルゲンガー(二重身)という。落語の世界では、こうなる。「そこつ長屋」である。

 八つぁんが駆け込んできて熊さんに言う。「おめえは雷門のところで死んでいる」。そういえば昨夜は酒のせいで記憶が途切れている、と熊さん。2人で現場に行った。「あっこれは、オレだ。確かにオレだ」と熊さんは涙を流す。しかし、と考える。死体はオレだが、この死体を抱いているオレは誰だろう?

 自分そっくりの影武者が何人かいるといわれるイラクのフセイン大統領もふと思いはしないだろうか。「自分は誰だろう?」と。

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No.84

2002/11/15(Fri)
熊谷組株価たった「9円」

株安が止まりません。
バブルの時、日経平均が10万円まで行くぞ!と
書いていた野村證券のヤツ、今 どうしてる!!(怒)

熊谷組株価たった「9円」だそうです。
熊谷組といえば、パンチ佐藤!
昔TVで よくしゃべっていたエピソード。
パンチ・パーマかけて遊び歩いていて
こわそうなお兄さんから「どこの組のモンじゃい?」
と迫られた時、
「熊谷組じゃ、文句あるか?」
と怒鳴り返して逃げ出した(笑)
  というギャグかましてましたね……

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★11/13 夕刊フジから

とうとう…、熊谷組株価たった「9円」
51社リストの中でも唯一の1ケタ

 経営再建中の中堅ゼネコンの熊谷組の株価急落が止まらない。
13日の東京株式市場で前日比3円安の9円となり、
ついに1ケタに突入し上場来安値を更新した。

 「51社リスト」に含まれる過剰債務企業の株価は
いずれも低迷が続いているが、同社の急落は際立っており、
「信用不安が広がり、経営に深刻な影響を及ぼしかねない」(市場筋)と懸念する声も出ている。

 13日の東京市場では、平均株価が10月10日に付けた終値ベースのバブル崩壊後最安値(8439円)をほぼ1カ月ぶりに更新した。
ここにきて株安が再び加速しているのは、大手銀行株と過剰債務企業の
下げが最大の要因だ。

 市場では
「骨抜きになったと思われていた不良債権処理加速策が、竹中平蔵
金融・経済財政担当相の巻き返しで、超ハードランディング路線が復活してきた」(銀行系証券)との見方が台頭。
この結果、大手銀行や過剰債務企業に対する信用リスクが改めて注目され、下げを加速させているというわけだ。

 中でも、市場のターゲットにされたのが熊谷組だ。
同社は昨年3月期決算で、メーンバンクの三井住友銀などから4500億円の債務免除(借金棒引き)を受け、再建を目指している。
棒引き組ゼネコンや51社リスト企業の中でも、株価1ケタは同社だけ。

 同社株は棒引きを受けた後も額面50円割れの水準で低迷。
昨年12月、上場来安値の16円を付けた後、一時持ち直したが、
9月末に竹中氏が金融相に就任した“竹中ショック”で、下落に転じ、
「ハードランディング路線の復活」で一気に1ケタに突入した。

 市場関係者によると「投機筋が空売りなどで売り叩いているわけではなく、個人投資家を中心とした現物株の投げ売りが中心」という。

 「三井建設は住友建設と合併し、フジタも会社分割に踏み切るなど
他の棒引き組ゼネコンが抜本的な再建へと踏み切っているのに比べ、
対応が遅れている」(ゼネコン担当アナリスト)ことが、
同社の下げをきつくしているようだ。

 市場では、
「資材納入先に信用不安が広がる可能性もある。
会社分割で技術力の高い土木分野に特化するなど新たな再建計画が急務」(準大手証券)との声も出ている。
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No.85

2002/11/16(Sat)
モーツァルティッシモ

今月の日本モーツァルト愛好会例会は
北とぴあ モーツァルティッシモ公演とのタイアップ。

日本モーツァルト協会もタイアップされているので
会場はまるで同窓会のよう。

記録のため
モーツァルティッシモについてのHP記載を転記しておきましょう。
(なにしろ最近のHPでは済み公演情報の削除が早いので……)


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モーツァルティッシモ
 (モーツァルト自身の企画による)

ウィーンに移り住んで間もないモーツァルトが、新天地で挑んだ
意欲的なプログラムを完全再現!
ブルク劇場で披露した最新作のコンチェルト、イタリア語への
才能をも覗かせる新作アリア、ザルツブルグ時代に日の目を
見ることのなかった珠玉の作品などを、オリジナル楽器で演奏。
寺神戸亮の指揮、そしてフォルテ・ピアノの名手リュビモフとの
モーツァルト共演。
ソプラノのトゥーナ・ブラーテンは、ノルウェー出身の歌姫。初来日!


2002年11月15日(金) 19:00開演
     11月16日(土) 14:30開演
北とぴあ・さくらホール

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プログラム

 1) 交響曲第35番 《ハフナー》」(K385)
 2) オペラ 《イドメネオ》よりアリア 「もし私が父を失い」
 3) ピアノ協奏曲ハ長調(K415)
 4) コンサート・アリア 「憐れな私よ、ここはどこなの?」       (K369)
 5) セレナード ニ長調 《ポストホルン》(K320)
 6) ピアノ協奏曲ニ長調 (K175 +K382)
 7) オペラ 《ルチオ・シッラ》(K135)よりアリア
    「私は行きます、急いで」
 8) ピアノによる即興演奏
 9) オペラ 《哲学者》 の主題による変奏曲(K398)
10) オペラ 《メッカの巡礼たち》 から
    「愚民の思うは」 の主題による変奏曲(K455)
11) コンサート・アリア 「わが憧れの希望よ」(K416)
12) 交響曲第35番 《ハフナー》(K385)よりフィナーレ

 指  揮 : 寺神戸 亮
 フォルテ・ピアノ : アレクセイ・リュビモフ
 ソプラノ : トゥーナ・ブラーテン
 オーケストラ : レ・ボレアード

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<明日に続く>
 


 

No.86

2002/11/17(Sun)
モーツァルティッシモ 2

 (昨日の続き)
−本公演のききどころ−

 まず今回のプログラムは、モーツァルトが開催した演奏会と同じ内容を再現するという世界的にみても珍しい試みであるということ
  (世界初かどうかは、断言できませんが)。
         <中略>
 18世紀風のキモは、まず演奏時間が長いこと、
さまざまなジャンルの作品が取り上げられるなかでコンチェルトやアリアが中心を占めること、
シンフォニーはむしろ添え物というかオードブルに相当するものだったこと、などが中心です。
<中略>
曲目を見てみると

 1)クラヴィーア奏者兼作曲家としての才能を披瀝するための最新作のコンチェルト

 2)イタリア語オペラへの能力の高さを示すべく、ウィーンで人気のあった歌手を起用しての新作アリア。
   <中略>
   彼らはウィーンで高い人気を誇っていた歌手であると同時に、
   モーツァルトの友人でもありました。

 3)ザルツブルク時代に書かれながら、あえて取り上げられた自信作。<中略> 

 4)即興演奏の能力を示すクラヴィーア独奏。
   フーガを好むヨーゼフ2世が臨席したために、フーガの即興も含まれていました。

 このようにプログラムを眺めてみると、ウィーンでの成功を目論むうえで自分の様々なプロフィールを垣間見せる戦略的なプログラムだったことは間違いないでしょう。
 実際のところ、モーツァルトの目論みは成功したようでした。
 1783年3月29日付、レーオポルト宛書簡は、次のように書かれています。

「ぼくの演奏会の成功について、あれこれ語るまでもないと思います。
  <中略>
 なによりもうれしかったのは、皇帝陛下もお見えになったことです。
 そして、どんなに楽しまれ、どんなにぼくに対して拍手喝采してくださったことか。<以下略>」

また、『マガツィーン・デア・ムジーク』(5月9日号、ハンブルク)には、この演奏会の模様がウィーン特派員(無記名)によって報告されていますが、その報告は次のようなもので、モーツァルト自身の報告の信憑性を裏付けています。

「著名なシュヴァリエ[騎士]、モーツァルト氏は国民劇場[ブルク劇場のこと]にて音楽会を催したが、そこでは彼の、大変愛好されている作品がいくつも演奏された。
アカデミー[音楽会]は異常なほど熱烈な好評を得、二曲の新作協奏曲と他の幻想曲がモーツァルト氏によってフォルテピアノで演奏され、大喝采裡に迎えられた。
われらが君主は、陛下のいつもの慣例に反し、演奏会の間中ご列席なさっておられ、しかも全聴衆は陛下と一緒にまったく一体となって拍手喝采したが、当地では同じような例はない。」

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No.87

2002/11/17(Sun)
3回忌

早いもので母の3回忌です。

親族だけですが、皆さんはるばるお出で頂き恐縮してます。


 

No.88

2002/11/18(Mon)
Oh! ズレ勤トリオ

ズレ勤トリオ! ってご存知ですか。
いわゆる オフ・ピーク通勤の呼びかけです。
なんとあの 巨人の星 の人々が駆り出されているのです。
傑作は、伴 宙太の一本ズレ勤
 柔道の名手 伴の一本背負いとかけたのでしょうか?
でも!! あの人がいない、どこにいる 星 飛雄馬!!
飛雄馬はやっぱし
 「どんなに混んでいても俺は一度決めた通り行くぜ!」
なんでしょうかね???

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・前ズレ勤 左門豊作
  いつもより、早い電車で出勤して、
  朝からバリバリお仕事。残業ナシで、
  家族ともゆったり過ごせる。
  家庭円満を促進する通勤スタイル。

・後ズレ勤 花形 満
  フレックスタイム制をしっかり活用。
  ピークが過ぎた後でゆったり通勤すれば
  ストレスを溜めず、仕事に臨める。
  ライバルに差をつけられるかも。

・一本ズレ勤 伴 宙太
  混んでる急行や快速は
  一本見送って普通電車で
  余裕の通勤。快適さを重視し、
  混雑解消に一役買う頭脳プレー。



快適通勤推進協議会
http://www.konojikan.com/index2.html
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No.89

2002/11/19(Tue)
Be研

国音Be研(ベートーベン研究会〜ミサ・ソレムニス)
第3回目は礒山先生によるテキスト研究です

冒頭 ラテン語は死語であるから、発音は、コレというものはない。
ドイツ語圏、イタリア語圏それぞれの発音で構わない
ベートーベンのミサは、ドイツ語風発音でよい、
というお話は興味深いものでした。

 


 

No.90

2002/11/20(Wed)
magネタ3題

しばらくお伝えしてなかったmagネタ
を少々…

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magmag
11/11

○昨年の冬、有楽町の駅に掲げられていた標語が
大変興味深いものでした。
ホームの階段を下りてくると直ぐ目に付く所にその標語はありました。
「火をつけた あなたの責任最後まで」
そのまま読めば火の用心の標語だと誰でも理解出来ると思います。
しかし、これを甘えた声でちょっと色っぽく読むと大変なことになる
ことに気づいてしまったのです。
「責任」の後に「ネェ〜」などと入れますと、そこはかとなくピンク色の世界が広がるではあ〜〜りませんか。
この話を女子社員にしましたら、毎朝恥ずかしくてこの標語を見る
ことが出来なくなってしまったと皆言っておりました。
火の用心の標語を目にして真っ赤になっている女性達を見たら駅員
の方がなんだと思うでしょうね。これってセクハラ標語?

11/12
○先日確かに聞きました。ペットショップでの学生風の若いカップルの会話。
犬を陳列している、ゲージの前の張り紙を見ながら…
女性「ねえねえ、『むらさきいぬ』ってどれ?」
男性(真剣な顔つきで)「うーん、どれやろナア」
その張り紙には大きな字で、大特価『柴犬』…って書いていました。まあ字は似てるけど、正確には『シバイヌ』と読みます。


11/12 mini mag
○幼稚園の頃、世の中に干支というものがあることを知った。周りの人に干支を聞いてまわった時、
母は「リス年」と答えた。ちなみに父は「パンダ」だった。まんが日本昔話が真実を教えてくれた。

 


 

No.91

2002/11/20(Wed)
ハーツ室内合奏団

ハーツ室内合奏団演奏会で三鷹市芸術センターへ歩いていきました(笑)

歩いていけるところで音楽が聴けるなんて夢のようです!

久元さんの演奏はソロで何度か聴いているので、ある程度予想できたが
オケは、まったく初めて(CDは聴いていたが)。

ト短調交響曲は、正直いって 曲目も曲目だし
(過去 名人・巨匠の振った名演、名盤ぞろい)
あまり期待していなかったのだが、これが実によかった!
早いテンポの中、カンタービレも効いていて
爽やかな演奏。
昨今流行のピリオド・アプローチはみられなかったが
こういう演奏も好きです。

室内合奏団 ではない、立派な 交響楽団です!!!!
。。。。。          。。。。。  

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三鷹市芸術センター 風のホール
ピアノ:久元祐子
指揮:大澤健一
演奏:ハーツ室内合奏団

ピアノ協奏曲第1番 ヘ長調 K.37

ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調「ジュノム協奏曲」 K.271

交響曲第40番 ト短調 k550

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No.92

2002/11/21(Thu)
秦野章氏のこと

いささか旧聞となりますが
元警視総監、都知事候補で知られた秦野章氏が死去されたそうです。

秦野章氏といえば印象的なのは、71年の東京都知事選出馬の時、
ご本人が 最初 昭和元禄田舎芝居 といっていながら
結局出馬するなどいろんなエピソードがあったが
なんといっても圧巻は
あの川端康成氏が応援演説を買って出たということ。

秦野氏の書を激賞のあまり、古今の名筆に匹敵するなど
持ち上げた様に????と感じた。
 数年後の突然の自殺の報に接した時、咄嗟にこのときの
光景を思い出した。
このころから川端氏晩年の奇行が知られるようになったとか。

 日経 11月8日から
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元法相の秦野章氏が死去

 法相や警視総監を歴任した元自民党参院議員の秦野章氏が
6日午前零時20分、腎不全のため川崎市宮前区の病院で死去した。
91歳だった。自宅は川崎市麻生区細山5ノ8ノ3。
 《中略》

 苦学して夜学の日大専門部政治学科を卒業。
旧内務省に入り、警視庁刑事部長などを経て1967年警視総監に就任。
71年の東京都知事選で、革新の美濃部亮吉知事の対立候補として
自民党に担がれ、「昭和元禄田舎芝居」と皮肉りながらも出馬、敗れた。

 74年の参院選で神奈川地方区(当時)から当選。
歯に衣着せぬ物言いで知られた。
無派閥ながら田中角栄元首相に近く、ロッキード事件について
国会質問で「外国の裁判所への嘱託尋問は違法」などと
捜査や裁判を批判した。

 82年、中曽根内閣の法相に就任。
在任中も「(田中報道は)マスコミなどの巨大なリンチだ」
「政治家に古典道徳の正直や清潔などという徳目を求めるのは、
八百屋で魚をくれというのに等しい」と発言、物議をかもした。
二期で引退、政治評論家としてテレビなどで活動を続けていた。
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No.94

2002/11/22(Fri)
武野 良仁 先生

長年 銀行員をやっていた間に、職業柄たくさんのお医者様と知り合う機会がありました。
中には、医師というより商売に忙しく、幻滅する方もありましたが、
その中で本当に医師らしい医師という印象を抱いたのが
武野良仁先生でした。

武野先生は、30年前、自然気胸の内視鏡治療を世界で最初に考案し、1987年日産・玉川病院に「気胸センター」を設けた方で、
いわば同病院の看板でした。
 私には、そういった専門のことはわかりませんが、
お嬢様がイタリアに留学中とかで、外貨送金のことや
融資のご相談を受けたことがありました。
 ある時、冗談半分(半分は本気?)で
「僕が開業するといったら、いくら融資する?」と聞かれて
何と答えたものか往生したことがあります。
私にハッタリができれば、
「先生ならいくらでもご融資させて頂きます」
とでも言うところでしょうが、それをしない(できない)のが
私の持ち味(短所?)。
 (おかげで、バブルの時、大火傷しないで済んだ)

 先生は、趣味も多彩で、チェロ演奏やステンド・グラス造りに
精を出す写真が、「サライ」誌を飾っているのを観たこともあります。
 
 そんな武野先生が、現役のまま昨年2月病死なされたことを
つい最近 知りました。
 WEBにも追悼文が多くアップされています。

その中から、暮らしの手帖の2001年10/11月号「自然気胸」のロングインタビューの模様を引用させて頂きます。
 (字数オーバーにつき、以下次号に)

 


 

No.95

2002/11/22(Fri)
武野良仁先生 (2)


(前号よりの続き)〜暮らしの手帖2001年10/11月号より
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 「常々おもうことですが、最近の医療は福祉をはじめ、すべてひじょうに患者さんの側にたった「優しい医療」になりました。これも、じつはこの10年の間の変化なのです。
 振り返ってみますと、1980年代は、医学もかなりハードと言いますか、積極的な治療法が優先されてきた傾向がありました。
外科領域でもたとえばがんの手術では「拡大手術」といって、取れるものは出来るだけとるべきだという考えです。
 そこには患者側の立場はあまり反映されず、むしろ純粋な医学的見地からの発言力が強かったのです。しかしこのような傾向は、いま考えると、けっして医学面のみではないような気がします。
 80年代には、政治、社会、経済の面でも、世界的にこのような強者の理論が唱えられ、弱者への配慮がありませんでした。イギリスのサッチャー、アメリカのレーガン、日本では中曽根首相らの政策のもと、時代が要請した面が強いにしても、福祉は片隅に追いやられていました。
 それが1989年末ベルリンの壁が崩れ、ヨーロッパに民主主義の嵐がふきあれた90年代になると、政治、経済の面に、成長より成熟、競争より共生、開発より環境、といった「やさしさ」がひそかに現れてくるのです。
 この枠組みの変化が、実は医学、とくに医療の面でもみられるのではないかと、私には思えてなりません。その最たるものが、この内視鏡手術でしょう。
 これも、90年代になって急激に世界に普及し、30年も前から提唱してきた私には、やはり時代が早すぎたかといった感慨がわいてきます。
 この90年代になって医学界にもやっと、福祉、介護といった患者さんに「やさしい」医療が訪れました。私は、この全く違った領域での奇妙な一致が不思議でなりません。しかし今、この「やさしさ」というキーワードは、世界的に通奏低音として流れていることを感じるのです。
 内視鏡手術の将来ですが、ロボットを使う手術とか、僻地でもこの手術が受けられるような遠隔操作システムなど、すでに研究がはじまっています。とにかく自然気胸の治療がここまで進歩したことを、皆様とともに喜びたいと思います。」
 


 

No.96

2002/11/22(Fri)
訂正: 武野先生

*武野先生は2001年10月15日ご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

 (↓前々号で、昨年2月ご逝去というのは、ミス・タイプ)


 

No.93

2002/11/23(Sat)
「仮名手本忠臣蔵」第2部

11日に引き続き国立劇場で歌舞伎見物。(5時から9時)
「仮名手本忠臣蔵」第2部です。
今日は、七段目〜十一段目(討ちいり)。
 (今回八段目(道行旅路の嫁入)と十段目(天川屋)は省略)

夜の部ともなると、さすがに鴈治郎にもお疲れの色が。
 (今日は、1部と2部通し興行!!)
しかし、タフなもんですね。驚きです。

今日 隣と前の席は女子高生の群れ。
前の席の茶髪の子は「リカちゃん!!」だそう。(笑)
マンガの「忠臣蔵早分かり」を見ながらの鑑賞です。
隣の女の子は、スヤスヤ幸せそうにお休みになってました。
まあ、でも来るだけ偉いもんだと思います。
(キャスト等は 11日日録ご参照)

帰りに新宿タワーレコードでお買い物。
それは、また明日書きましょう…


 

No.97

2002/11/24(Sun)
CDのお買い物

昨日 国立劇場の歌舞伎見物の帰り
新宿行きバスに乗ったこともあり
タワーレコードのポイント・カードの期限が今月中で
あったことを思い出し立ち寄った。

カードを出したら、11月29日期限でした、
よかった、思い出して!!

おりしも、ポイント2倍キャンペーン中であったので
店員に確認したところ、あと2,200円以上のCDを
買えば、次の買物で2,000円割引可能ということ。

時は既に10時過ぎというのに、お客はいますね。
11時閉店の効果は十分のようです。

それにしても、以前レギュラーで購入済みのものが
廉価版で出ると悔しいものです。
今回のそれは、アルバン・ベルグQのバルトーク
弦楽四重奏曲全集、10年前 2枚組国内盤がたしか6千円
だったのが、なんと 1090円!!
う〜む… 

まあ時間もないので、あまり唸ってばかりもいられないので
次の2つをGETいたしました。

@ アンゲリカ・キルヒシュラーガー バッハ・アリア集
   (2290円)
A モーツァルト コンサート・アリア集 デッカ編 6枚組
   (2990円)

@の売りは、人気者アンゲリカ・キルヒシュラーガーが
マタイのErwame Dich のアリアを歌っていること。
まだ全曲番は吹きこんでいないはずだから……
それとヴァイオリン・ソロがカルミニョーラ!!
これは期待度 120%!!!
というわけで、
家へ帰って、AMAZONN検索してガッカリ
12月新譜で国内盤が発売になるとのこと
しかも 2400円!! これなら国内盤のほうが……

まあ、たまには、こんなことも有ります。
とりあえず、上記だけ聴いたが、いいですねえ!!
残りは、I教授のカンタータのご本を読みながら
聴くことといたしませう。

Aは、LPで出たとき、アルフォンソさんが大喜びしたということが
デスコグラフィーに載っていたと思います。
手持CDと結構ダブリますが、この値段ならよし!としませう。

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*@の内容:
1.新しき契約の喜びのとき
2.満ち足りた安らぎ
3.眠れ、疲れたまなこよ
4.われを救いうるものはなし
5.二、三人が集いしところに
6.主よ、汝が望むことはわが喜びとならん
7.神よ、憐れみたまえ*アリア 〜 マタイ受難曲から
8.いざ、罪に抗すべし
9.ラウダムス・テ(われら汝を誉め、汝をたたえ)
10.シンフォニア
11.備えよ、シオン*アリア
12.汝をいかに迎え入れん*コラール

指揮: マルコン(アンドレア)
演奏: カルミニョーラ(ジュリアーノ),
ヴェニス・バロック・オーケストラ
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No.98

2002/11/25(Mon)
腹立つ 『冬の旅』

今日は、いつも 冷静な私としたことが?(笑)
あんまり腹が立つので、投稿しました。

スカパーで、もう何度目かの放映になるかと思いますが
アライサの『冬の旅』の映像です。
ええい、何度観ても、腹が立つ!(笑)← 観なけりゃイイんだけどネ(笑)
あのピアノの蓋に枯葉を乗っける発想ってのは何だ!!
あんな小細工で、『冬の旅』の世界に近づけると思ったら大間違いです!
オペラの現代風演出とは次元が違いますよね。
こういう小手先の発想がまかりとおるようなら世も末です。
『冬の旅』聴いて30数年!
大好きな『冬の旅』だけに、余計 腹が立ってなりません。う〜む…

とてもじゃないが、演奏を聴くところじゃ、ありません。

  ということで、怒りの巻でした。
  ゴメンナサイ、少々疲れているのかしら!

★口直しに、ロン・ティボーコンクール、山田晃子さんが最年少優勝
  のニュースをWeb読売から……

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 【パリ24日=池村俊郎】若手演奏家の登竜門で知られるロン・ティボー国際音楽コンクールのバイオリン部門最終選考会が23日、パリで行われ、東京都出身の山田晃子さん(16)が同コンクール59年の歴史上、最年少で優勝した。
3位にも東京都出身の米元響子さん(18)が入った。

 山田さんはベートーベンのバイオリン協奏曲を演奏し、
「深みと成熟ぶりを感じさせる演奏」という審査員評を得た。
7歳の時からパリで学び、現在、名門のパリ国立音楽院に在籍中。
同学院にも13歳で入学して将来性を評価されてきた。
国際的評価の高いザルツブルク・国際モーツァルトコンクールでも今年、2位に入賞している。

 ロン・ティボー国際音楽コンクールはバイオリンとピアノ部門を交互に行い、今年は事前審査に28か国136人が参加し、うち50人が演奏審査に進出していた。
日本人では、1990年にバイオリンで小林美恵、
96年に樫本大進、ピアノでは92年に野原みどりさんが、それぞれ優勝している。
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No.99

2002/11/26(Tue)
うすのろ大統領と 困った銀行


今日の『天声人語』 と『編集手帳』
どちらも。それぞれ持ち味が出ていて面白いので
比較なぞして頂こうと…… 

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■《天声人語》 11月26日

 私語にしろ、一国の大統領を「モーロン(うすのろ)」と呼んでは物議をかもす。
プラハでのNATO首脳会議開催中のことだ。
そう言ったとされるのがカナダの首相報道官で、
「うすのろ」呼ばわりされたのがブッシュ米大統領だった。
カナダでは議会で野党が追及した。
 <中略>
 旧ソ連の有名な小話を思い浮かべる。
赤の広場で「ブレジネフは馬鹿だ」と当時の書記長の悪口を言った市民が逮捕された。
容疑は「国家機密漏洩」だった。
最高指導者が馬鹿だというのは、国家機密だったという話である。

 言論統制が厳しい時代で、そうした小話が口コミで広まった。
ささやかだが、したたかな抵抗だった。いまは昔、とばかりもいえない。
最高指導者の悪口を言ったりしたらひどい目にあう国はまだまだ存在している。

 自由の国アメリカではそんな心配は不要のはずだ。悪口は許されるだけでなく、自由の証しでもある。
先日この欄でふれた「ふたをしたままの双眼鏡をのぞくブッシュ大統領」には、インターネット上で「国家機密の疑い」もある写真説明が種々流れている。

「おい見ろ、ブラックホールを見つけたぞ」
「すごい双眼鏡だ。自分の後頭部が見える」
「君たち、コインを持っているかね。自由の女神が見えないじゃないか」。
そんな説明もあれば、ずばり
「諸君、これが私たちが選挙で選んだ男だ」。

 カナダのクレティエン首相は報道官の発言について、記者たちに
「私も彼女から『うすのろ』と言われることがある。君たちに対してはいつものことだよ」
と皮肉を込めて擁護した。

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11月26日付・編集手帳

 経団連の会長も務めた実業家、故・稲山嘉寛氏は東京・銀座にあった
稲山銀行の御曹司に生まれた。その銀行が昭和の初めに倒産する。
大学生だった稲山氏は学校の友人に言われたという

◆「よかったな、金貸しの子でなくなって」。
先日死去したコラムニスト山本夏彦さんの「誰か『戦前』を知らないか」(文春新書)に見えるエピソードである

◆手もとの不如意な人にお金を用立てる仕事には意義がある。
銀行と呼ぼうが、金貸しと呼ぼうが、誇りのもてる仕事に変わりはなかろう。
一段低く見られるいわれは本来ないはずである

◆お金という経済の“血液”を循環させる心臓部を任されているのに、
その自覚を忘れる。わが身大事とばかり冷酷非情に取り立てる。貸し渋る。
金融業が「ないはず」の冷たい視線を浴びるとすればそういう時だろう

◆中小企業はいま、借り手の窮状を無視して返済をせき立てる
「貸し剥(は)がし」に悲鳴を上げている。
それほど銀行経営は大変なのだというにしては、自ら賃下げや人減らしに振るうメスの、切れ味の鈍さはどうだろう

◆「雨が降っている時に傘を取り上げるようなもの」とは、小泉首相が
貸し剥がしを批判した言葉である。
借り手に厳しく、自分に甘く――では、
「よかったな…」がいつ何時、平成の世によみがえらないとも限らない。
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No.100

2002/11/27(Wed)
ちょっといい話

ML<さすらい通信 282 >02.11.8で読んだちょっといい話

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            与えて得る
>岡本綺堂がいつであったか、劇場の廊下での立ち話に、こういった事がある。

訪ねてきた人に、こちらが良い話を三つでも四つでもすると、先方も良い話をしてくれます、先方はそれ程でもないと思っているらしい話が、こちらには役に立つ話であることがありますね、話は下らなくても、一つ二つの言葉に、いただける物があれば、収穫ですからね、岡本は話好きだといわれているそうですが、私は努めて話しているのですよ、モトを卸さないでトクをとろうとしたってダメですね。

詰まり先輩綺堂のこのやり方は、与えて得る、である。

       長谷川伸著 時事通信社『我が“足許提灯”の記』より

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No.101

2002/11/28(Thu)
《当時のブルグ劇場について》  

日本モーツァルト愛好会機関誌 アマデウス通信原稿のタイトルです。
モーツァルト時代のブルグ劇場についてちょっと調べてみたもの。
エッセイ欄にアップの予定。少々お待ちください。
 


 

No.103

2002/11/29(Fri)
寒ブナ漁

たまには、館林の話題を
2002.11.28  東京新聞ローカルから
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館林の城沼で初冬の風物詩 寒ブナ追い込み漁始まる

 カタカタ、トントン、カタカタ、トントン−。舟べりを竹ざおや櫓(ろ)でたたく音を水面に響かせ、館林市の城沼で、江戸時代から伝わる「寒ブナの追い込み漁」が二十七日始まった。

 城沼漁協(寺内吉一組合長、組合員五十九人)が毎年、十一月下旬から十二月中旬にかけ行う恒例行事で、初冬の風物詩の一つ。早朝の寒風の中、組合員十人が、七隻の小舟に分乗。リズミカルに舟べりをたたきながら、約三百メートルのV字形に張り巡らせた網にフナを追い込んでいく。

 「よいしょ。よいしょ」と袋網をたぐり寄せると、三〇−四〇センチのフナが銀りんを躍らせ、舟上の特設いけすに飛び込んでくる。岸辺で見学していた近くの小学校の児童から「わあ、とれた」などと歓声もあがった。

 初日は三回ほど網を張り替えながら沼を移動、目標の五百キロ近い水揚げを記録した。

 寺内組合長は「大漁とはいかないがまあまあの水揚げ」と話していた。フナは川魚問屋を通して関東一円の釣り堀などに出荷される。
 


 

o.102

2002/11/30(Sat)
司法試験改革

何を隠そう? 私も若き日一度は司法試験を目指したもの1人!
(実に簡単に断念したが… (^^;))

昨今の司法試験改革には興味を持っています。
いよいよ固まってきたようですね。
編集手帳から

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11月30日付・編集手帳
 幕末に来日した英国の外交官オールコックに、「大君の都」という日本滞在記がある。同僚が語ったという日本の特徴を三つ、書き留めている
◆「女にはペチコートがなく、家には南京虫がたむろせず、国には法律家がひとりもいない」…。「ひとりもいない」を「ごく少ない」に変えれば、いまでも通用しそうである

◆弁護士に裁判官、検察官を合わせた人数を先進国で比べると、米国には国民三百人に対し一人の割合で法律家がいる。英国は六百人に一人。日本の場合は六千人に対してようやく一人だから、桁(けた)が一つ違う

◆役所が民間にあれこれ口を出してトラブルを未然に予防していた“官治”の時代には、それでも一応は事足りた。裁量行政を排し、トラブルを事後的に解決する“法治”型へ改めようとすれば、だが、現状はお寒い限りである

◆国会できのう、法科大学院(ロースクール)設置法が成立した。法曹の人口を質、量ともに高め、“法治”の土台を築く狙いがある。二
〇〇四年の春には全国数十の大学でロースクールが開校する◆江戸の昔、訴訟ごとの長引きやすいことをたとえて「公事(くじ)三年」と言った。いま、民事訴訟の審理期間は平均八・八か月。生きた学校にして実を上げなければ、「公事三年」は誇張とばかりも言っていられない。

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