日録(抄)(アップツーデートな更新にこころがけておりますが、素人の悲しさで、そのぶん推敲不足で勘違いや、

変な文章、不適切な表現があるかもしれません。お気づきの節はそっとお教えください。よろしくお願いします)

 

2001年12月2日  日本モーツァルト愛好会12月例会(礒山先生講演会)


 日本モーツァルト愛好会の12月例会は、待望の礒山先生による講演が、日本青年館において     

「やけに音符が多いね、モーツァルト君!--『モーツァルト様式』の個性を探る」と題して行われました。

私も1年前から連絡役としていささかお手伝いをして、やっと実現にこぎつけた企画だけに感慨深いもの

があります。

 国立音大のモーツァルト研究者の中で、当会にまだご出講いただいていない数少ないメンバーで、

今回満を持して登板されるだけに、見た目にもご準備に力が入り、何と貼り込み楽譜13通という大作の

レジュメが5日前に完成という熱の入れようです。ありがたいことです。

 先生の講演というと、ハプニングが付き物で、HPを拝見しただけでも、1年半前の府中 憧美音の会では、バスの遅れで昼食抜き

となった上、連絡手違いからLDが使えないのにLDだけ持参されたり、 http://www.asahi-net.or.jp/~TX3T-ISYM/2000/000720.htm

先日の長野のバッハ講演会では、CDの大半を大学の研究室に置かれたままで日曜の講演当日使えなかったとか、

主催者側からすると胃の痛くなるような出来事が淡々と(?)記されています。

 しかも、そのたびに、そのハプニングをバネに奮闘された結果、講演が大成功になったとのご感想なので、成功されるためには、

何か忘れ物をして頂いたほうがよいのか、真剣に悩んだりもする始末。 (ウソです!)

 幸い(?)、当日になって会場のCDブースが部屋の後にあり、講演席と大きく離れていることが判明、先生の名人芸のCD架け替え

の妙技が発揮できないというハプニングが発生しました。

急遽 不肖、私がオペレーターを担当し、先生は貴重な(?)ハンディをしょって、お話を始められたというわけです。

                    (このハプニングで講演写真を撮り忘れてしまいました。お許し下さい)

 

前置きが長くなりましたが、上記のような次第で講演が始まりました。

内容の詳細は、後日『講演のまとめ』として、別葉に掲載しますので少々お待ちください。

本日は、そのサワリのみ、記憶に基づき記しますと、

まず、聴衆が常日頃考えているモーツァルトらしさとは何かとを、10名ほどの聴衆(当会会員)にお聞きになりました。

さすが、百戦練磨の当会会員(?)、コシやCL五重奏・39番交響曲だ、フィガロだと、なかなか先生の期待したアイネ・クライネが

出てまいりません(笑)。

 やむを得ず、巷でいわれているイメージはこれだからとの強引(?)なリードで、この曲の分析からスタート。

 

まあ、こんな風に書いていくとキリがないので、あとは後日のお楽しみということで、

議論の展開を図式化しておくに留めましょう。

  (但し、これだけで、早とちりしないで、必ず後日の『まとめ』もご参照下さい)

 

@モーツァルトの音楽は同時代の作曲家と比べて、段違いに情報量が多い(この点は、バッハも同様)

Aしかし、大天才モーツァルトといえども、幼少からこのように書いたわけではない。

  モーツァルトが本当にモーツァルトらしい美しい旋律の作品を書き出したのは、イタリア旅行以降。

Bさらに、他の影響から離れ、真に独自の芸術を確立していくのは、ウィ−ン移住以降。

  但し、移住直後は聴衆の嗜好に妥協した曲もある。

  P協奏曲14番以降ようやく書きたいものを書く姿勢に転じ、第20番以後の傑作群につながる。

C晩年の「危機の時代」から「最後の年」を迎え、透明性を増したが、これをどう解釈するか。

 『春へのあこがれ』に代表されるような幼年時代のモーツァルトらしさへの回帰は意識的、演技的な

 ものではないか、検討が必要。

Dつまり、最晩年、突然モーツァルトの作風が透明性を増し、幼年時代のモーツァルトらしさに回帰したと

  考えるのは早計で、情報量の多さという本質は最後までまったく変わっていない。

 

とにかく、参考CDを聴きながら講演したら、ゆうに1年は要する内容を、わずか2時間でお話頂きました。

講演内容も、まさに密度の濃い、大きな情報量を有するものだったと思います。

これから、講演内容を咀嚼反芻して、理解に努めようと思っております。

礒山先生、本当にありがとうございました。

今後も、今日の会をふまえ、「危機の時代」の解釈や、著書で展開された「コシ・ファン・トゥッテ」論など

新たなテーマでお話をうかがいたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。


礒山先生HP 談話 626話を是非ご参照ください → http://www.asahi-net.or.jp/~TX3T-ISYM/2001/011205.htm ( ←ここをクリック)


<資料>    ・当日レジュメ (1)    (2)

                ・当日使用されたCD・VIDEOの内容 (作成中)

                ・『講演のまとめ』 (作成中)

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