日録(抄)(アップツーデートな更新にこころがけておりますが、素人の悲しさで、そのぶん推敲不足で勘違いや、

変な文章、不適切な表現があるかもしれません。お気づきの節はそっとお教えください。よろしくお願いします)


2001年10月27日(土) <催 岩光 ミニ リサイタル

中国の夜の女王として名高い 催 岩光(サイ・イェンガン)さんのミニ・リサイタルです。

  (プログラム 後掲)

会場は銀座ヤマハ店の2階ピアノ売場の片隅に設置されたヤマハご自慢の防音システム

アビテックス特設仕様室、100脚の椅子を置くと、まさに立錐の余地ないほど。

当日は超満員であわや酸欠状態でした。こんな間近で催さんの歌が聞けるなんて夢のようです。

 (催さんの方は、狭い会場にとまどい気味で、歌いにくそうでしたが)

第1曲目は曲目変更したため、タイトルを聞き逃しましたが、雄大なエレクトーン伴奏をバックとした中国の歌。

もう1曲、中国の歌が続いたあと、聴きなれた日本の歌曲となり、

第1部の最後に、催さんといえばこの曲という『愛する小鳥よ』が歌われました。

コロラチューラのエチュードのような難曲を軽々と歌い飛ばすのを聴くのはまさに爽快、痛快、これに極まれリといったところ。

これを100人そこそこの会場で聴くのですから、これまた贅沢の極みです。

その付けの現れか、第2部冒頭でアクシデントが起こりました。

それまでも気にしておられたのですが、第1曲の椿姫のアリアの最中、エアコンからの冷気を直接吸い込んだため咳き込んでしまい、

演奏が中断されてしまったのです。

      (後で、催さんからも初めてのことで今日の事は一生忘れないかも、とのコメントがあった。

    このようなアクシデントにもブーなしで、暖かい拍手で迎えた観衆に感謝の言葉も)

急遽、冷房を止めコンディションを整えてから再開、この曲も次の難曲、ルチア狂乱の場 も、無事乗り切りましたが

聴いているほうも気がきでなく、演奏に集中できないことも。

プログラムの最後は、十八番 夜の女王の第2幕のアリア、歌いこまれている曲だけに素晴らしい出来。

舞台ですと、演技に加えて演出家の意図もあるので、なかなか歌そのものに集中できないうらみがあるだけに、

この曲の魅力を真に味わうのは個人リサイタルで聴くほうがいいかも。

催 さんの声はナタリー・デッセイのような軽い響きで勝負するタイプではなく、グルベローバのようなコロラチューラの技術を完備した

ドラマチック・ソプラノといえます。(レパートリーもサザーランドやグルベローバに重なる)

聴くたびに、ドラマチックさを増していくようで、こうなるとだんだんコロラチューラ・ピースが辛くなるのではと懸念します。

歌い手の、特にコロラチューラ・ソプラノの絶頂期は短いもの(グルベローバは例外中の例外)、

まだ催さんの生ステージに接していない方はお早めに!

 また、エレクトーン伴奏というのもオペラ・アリアではとても効果的で、

寄せ集めの臨時編成の息のあわないオーケストラとやるよりは、このほうがいいと思いました。

アンコールは、赤とんぼ。

隣の席の老婦人は感激して涙を浮かべておりました。

気持ちいいリサイタルでした。

 

第1部

茉莉花

宵待草

初恋

アヴェ・マリア

愛する小鳥よ

第2部

「椿姫」より ああ、そはかの人か、花から花へ

「ルチア」より 狂乱の場

「魔笛」より 夜の女王のアリア

   <2001.10.27 銀座 ヤマハ・ピアノ・サロン>

 

催 岩光さん プロフィール:

中国大連市の出身。

北京空軍文芸歌舞団に入団。コロラトゥーラ・ソプラノ(最も高いソプラノ)としてデビュー。1977年には全軍声楽コンクールで最優秀賞を受賞する。

1984年中国音楽学院歌劇科修了。中国中央歌劇院ソリストとなる。

同年、国連の「地球環境を守る日」に『愛する小鳥よ』を北京で初演。中国音楽協会の「緑葉賞」を受賞する。

1989年、東京渋谷の東急BUNKAMURAオーチャードホール・ホールオープニングにて日中合同制作オペラ、モーツァルトの「魔笛」に夜の女王役で出演。
“夜の女王”は最高の役として小沢征爾、團伊玖磨、大野和士、三枝成彰ら指揮者によっても世界的に高く評価された。

1990年BUNKAMURAオペラ劇場ガラコンサート出演。イタリアの指揮者アルベルト・エレーデの絶賛を受ける。

1992年、東京芸術大学の平山郁夫前学長から招聘を受ける。

1996年、テレビ朝日「題名のない音楽会」に出演、三枝成彰のオペラ幻想ステージに出演。

1997年小沢征爾指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団の「魔笛」に出演、イタリア・カナダ・ブルガリアでの公演と国際的に活躍する。

1998年5月、新国立劇場開場記念の大野和士指揮による「魔笛」への出演。世界的演出家ミヒャエル・ハンベ氏より絶賛される。

1998年第4回AFCダイナスティカップ(主催アジアサッカー連盟・日本サッカー協会)が横浜国立競技場、東京代々木国立競技場において開催され、その会場で中国・香港の国歌を歌う等大きな話題となった。

1999年9月17日、中国建国50年・大連市政100周年記念、第10回“大連国際ファッションショー”開幕式典出演する

2001年1月3日、NHKニューイヤーオペラコンサートに出演。
2001年1月、アメリカサンディエゴ・オペラ「魔笛」“夜の女王”に出演。世界のアーチィストとして活躍中。

(http://www.fsinet.or.jp/~i2001/i2001no1/page6-1.htmより)

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