『ゴドーを待ちながら』に関するサミュエル・ベケット氏の著作権を、劇団態変が侵害してしまった件について、深く謝罪いたします。

『ゴドーを待ちながら』(原題 "En attendant Godot" )は Samuel Beckett 氏の著作であり、生前の氏の遺志により、この戯曲の上演はオリジナルのテキストに正確に忠実であることが要請され、台詞は一言一句たりとも改変は許されないというポリシーで著作権管理されています。

劇団態変が2012年2月4日・5日に挙行した公演『一世一代福森慶之助・ゴドーを待ちながら』におきまして、ごく一部分のオリジナル台詞の引用を除き全体を無言の身体表現によって演じるという試みをいたしました。加えて重度身体障害者と重篤な疾患を抱えた役者が演じるという身体的制約のためオリジナルの戯曲に描かれたすべての記述を忠実にたどることはできず従来2時間30分程かかる上演時間を1時間30分程に圧縮した作品といたしました。
これは、上記の著作権管理ポリシーに照らすまでもなく、一般論としても許されざる著作権侵害行為に当たります。

しかし、勉強不足・認識不足であった我々は、自分たちの行為が芸術作品に対する侵害行為であることに頭の回らないまま、公演を挙行してしまいました。誠に恥ずかしいことであり、フランス著作権事務所からのご指摘によってこのことに気付いて深く後悔しております。

この場におきまして、私どもの過ちを全面的に認め、衷心より謝罪いたします。

追記
なお、2012年2月4日・5日に劇団態変が上演した作品に『ゴドーを待ちながら』という題名が不法なやり方で用いられていたという事実は消去することはできませんが、今後、この時に上演された作品の題名は『一世一代福森慶之介 又、何処かで』に変更して記録に留めさせていただきます。

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