男の子に生まれて、立ちションがしたかった。

 時々、夢と現実がごっちゃになるときがある。
 …いや、それは正しくないな。正確に言うと「今、生きているこの瞬間に、リアリティを感じなくなるときがある。」
 それはいったいどんな時かといえば(ちょっと汚いハナシになってしまうけど、カンベン!)「便座に座って、コトに及ぼうとしている、まさにその瞬間」なのだ。
 
 便座に腰掛けて思うこと。
 もし、今ここにいる私はウソの私で、ホントの私はベッドで寝たきりの老人だったらどうしよう…。
 もし、そうだとしたら、今からするオシッコは、カテーテル(管)を通って袋に溜まるんだよなぁ。
 いや、もしかしたらおしめをあてられているかも知れない…。
 そう思うと、とたんに怖くなって尿意が引っ込んでしまう。

 

 看護士(婦)になるための実習を行うとき、教官に老人用のおむつを手渡されて「今晩にでも、コレを試してきてください」と、言われることがあるらしい。
 おむつによる不快感(スルのが恥ずかしい・シタ後の濡れているのが気持ち悪い・取り替え時の屈辱感)を身をもって知り、介護される側の気持ちになった介護を心がけましょう、という事なのだそうだが。
 …ちなみに、やっぱり現物を目の当たりにすると、精神的に結構クるものがあるらしく、実際使用できる人は半数以下なんですと。

 そんな話しが、便座に座るたびにおそってくる。…うぅむ。洋式便所、恐るべし。

 ってなワケで、私は男の子に憧れてるのさ。
 青空の下でする立ちションって、やっぱ気持ちいぃんですかねぇ?男性諸君?!

かづよ