…ど、どうして?!

 今、ものすごいショックを受けている。
 私の数少ない大好きな場所が、無くなろうとしている…。


 薄曇りの7/18。
 歯医者行って、ちょっぴり仕事場に顔出して、帰ってきて新聞を開けたら、「渋谷の五島プラネタリウムが2001年3月11日に閉館」の文字。


 きっかけは、小学生の時の社会科見学。見学地として連れて行かれたのが「五島プラネタリウム」だった。
 高い高い天井。びっくりするほどリクライニングするシート。
 そして、初めて見る、満天の星空!


 さっきまで、そこに天井があったはずなのに…。真っ暗になって、会場の真ん中に設置されている巨大な機械が動き始めた瞬間に、そこには無限の世界が現れる。

 聞いたことがない、遠い異国の神話。
 それまで、只の瞬きでしかなかったものに、急に命が吹き込まれる。

 へびはへび使いに捕らえられ、サソリの心臓は今も赤々と動き、哀れな小熊の回りを母熊がぐるぐると回り続ける…。

 毎夜、毎夜、神話の世界が自分の頭上で繰り広げられているなんて、その時まで思ってもみなかった。圧倒された。引き込まれた。


 高校生になって、初めて好きな人が出来た。
 その人とのデート(←何だか、恥ずかしいなぁ…)で、よくプラネタリウムに行った。

 あちこちのプラネタリウムに行ったけど、あんなに引き込まれるところは他になくって、結局五島プラネタリウムによく行った。

 あと、何回行くことが出来るだろう?
 忙しさにかまけて、足が遠のいてしまっていた。

 私はそうやって、いくつの大事なもの、人をなくしていったっけ…。
 いつもそうなんだ。
 忘れないために、足を運びたい。せめて、心に焼き付けておかなくちゃ。

 でも、何だか、悲しいね…。

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