吐魯蕃(トルファン)

 新疆ウイグル自治区の東部、天山山脈の南麓にあるトルファン盆地。トルファンとはウイグル語で窪んだ地という意味だ。トルファン県の人口は17万2千人あまりで、そのうちウイグル族が12万3千人を占めている。
 トルファン盆地は中国でも最も標高の低い地域で、中でもその底にあたるアイデン湖の湖面は海面下154mにある。背後にはうっすらと白い万年雪をたたえた天山の主峰ポゴタが見おろし、まわりはわずかにはえる草以外、ゴロゴロとした小石が限りなく続く荒野・ゴビタンが広がる。


旅の日記帳より

1990.3/6(金)
 今日は朝7:00に起きて上村さんとバスターミナルに向かう。それからバスに乗ってトルファンへ。8K道中、何度も事故になるんじゃないかと思わせられたが、どうにか無事に到着。途中、昼食休みで入った店で食べた焼うどんのような食べ物は、麺が信じられないくらい太く、硬かった。麺をその場でぶんぶん振り回して打っていた。外ではそこかしこでのんきにビリヤードをやっている。
 トルファンに到着してからは、バスターミナルを降りたところにいた日本語の話せるウイグル人にオアシス賓館へ案内してもらう。9K本当はトルファン賓館に泊まりたかったのだが、そこは潰れたとウソをつかれ、まんまと彼の言うことに引っかかってしまった。その後、トルファン賓館の場所に行ってみるとしっかりあったのだ。ホテル代半分損してしまった。
 トルファン賓館では日本人多数と出会い、明日一緒に行動することになる。そこに多摩美の女の子が2人いて意気統合。みんなでごはんを食べに行ったときも、僕たち3人は別世界の住人だった。10K途中、停電があって町全体が真っ暗になり、生まれてこのかた最大数の星を見る。あれだけ流れ星がたくさんあれば願いごとはいつでもかなうだろう。相当ビールを飲んだので多少頭が痛いが、今日は寝ることにする。そういえば、昼はICUの子とバザール巡りをしたっけ。明日は9:00頃集合してみんなでトルファン観光に出発。
バス5.6元+お焼き0.7元+ジュース5.6元+昼食(焼うどん)3.5元+オアシス賓館(4人部屋)20元+夕食11元=計46.4元(1160円)

1990.3/7(土)
 今日は朝からトルファンの名所旧跡をトラックの後ろに乗って回る。3人で乗って一人50元というのはちょっと高いような気がするが、まあ仕方ない。
 それはともかくとにかく2つの故城(交河故城高昌故城)はよかった。8Kこれらは本当に廃虚のようになっていてあの静けさはこの上ない贅沢品だ。しかし、埃がすごくまた喉がいかれてしまった。
 夕食は買い物途中に知り合ったイギリス人2人とノルウェー人1人と僕の4人で、男ばかりのテーブルを囲む。イギリス人とは60年代のロックの話で盛り上がる。ノルウェー人からは僕の知らないバンドをいろいろ勧められた。ちなみにそのバンド名は、Zonny Lee Hocker, Enigma, Astrud Gilberto, Chris Rea, World Party, Fairs Round Attraction, Moody Blues, Deacon Blueなどなど。
トラック50元+トルファン賓館(ドミトリー)12元+昼食2.5元+観光入場料(4ヵ所)10元+夕食5元=計79.5元(2000円)

1990.3/8(日)
 午前中ハッシシを吸っていたら頭が痛くなり、完全に1日棒に振ってしまった。ほとんど何も食べず、ベッドで寝ていた。こういうとき、まだ旅は半分を過ぎたばかりかと思うと気が重くなる。ふとお茶漬けが食べたいという気持ちになってきてしまった。
トルファン賓館(ドミトリー)12元+トルファン産葡萄酒2.5元+ビスケット1.8元+みかん2元=計19元(475円)

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