Private Finance Initiative


98年8月某日。
たまにはフレックスタイム。
八重洲ブックセンターへ。

平積みにしてあった本に思わず手が伸びてしまいました。
井熊均「PFI 公共投資の新手法」日刊工業新聞社 \1,800 ISBN4-526-04189

英国は10年前からPrivate Finance Initiative (PFI)、上下水道を始めとする公共サービスについて民営化を始めとする「産官協働」のフレームワークをやってきた。ホントの「コスト縮減」が達成できる。日本も生き残りのためにPFIは不可欠。プロジェクトマネジメントと技術コンサルタントサービスの隆盛が期待される。透明性と「個人の見識」が重要。
ってお話です。

ふむふむと良いお話です。日本のエンジ産業(いまはかなりつらい状況)はいわゆる公共事業には縁がありませんでしたが、手法自体はわりとグローバルスタンダードでやってきました。公共事業の発注形態が変われば、Construction Managementでどっかーんと大きな展開が果たせるかもしれないなあ、と期待をこめて思います。
SOHOのエンジニアもまともに喰えるようになるかもしれません。
でも実際にはかなりムツカシイかも。

日本における問題点と課題をもう少し踏み込んで「お役所の掟」的な実例をもっと書いていただけると面白かったかもしれません。
「産官協働」。次はお役人との共著を期待します。

P.159に真実でない表現があります。日本にはちゃんと高い技術力と倫理規範をもつ資格があるようです。「存在しない」は言い過ぎです。資格の国際整合性についてもぶりぶり議論が進んでいるようですね。

もうひとつ、Referenceが示されていないこと。やっぱ英国のオリジナルをあたってみたいじゃない、読者としては。
で、調べてみました。ヒットしたのはこちら。英国政府系のサイト。コンサルのコマーシャル付き。
極めて明快です。「制度」ってものはどんどん良い方向に変えていくんだぜ、というフレキシブルなところがうかがえます。


調べてみると、MOCのホームページにもありました。
こちらは英語版がないのが幸い?です。

「ちいさな政府」が目的なんだから「工事事務所機能のアウトソーシング」くらい言ってほしいものです。
「介入権」とかファイナンスが先にくるようじゃお役所ますます肥大化するばかりです。
悲しき日本版PFI。

ともあれ、2学期が始まります。息子はそわそわしはじめました。
秋はカヌーの季節
変わらぬ世の中のことを考えるより、楽しいことを考えた方が健康に良さそうです。