外国人の運転免許試験


1997年5月1日。
かみさんのバイト先(某go.jp系Institute)にSTAフェローできているロシア人(奥さんが美人)が運転免許をとりたいというのでボランティアで茨城町の免許センターまでつきあって行ってきました。

行政のふざけぶり、さすがに驚愕してしまいました。

朝9:30〜10:00に来て手続きしろ、とのことゆえ早起きしてでかけました。
まずは申請書記入ですが、「待たす」「金取る(印紙\2100)」「説明は日本語のみ」と3拍子そろっていました。日本語がしゃべれる人がアテンドすることなく手続きをするのは全く不可能です。
次に学科試験、なんと申し込みカウンターで10問の試験です。カウンターでなんて人をバカにしていますがこれは英語で受験できたし満点で合格できたのでまあよしとしましょう。
でも学科試験に落ちたイラン人はここでバイバイとなってしまいました。当然\2100はもどってこないのでしょう。疑念と怒りの表情で会場を後にしていきました。

次に実技ですが、午前中受験できたのはたった10人。「残りの70人は午後1:00に来てください。」 しょうがないので大洗海岸でランチをとることにしました(下図)。

午後1:00に会場にもどると、試験官の日本語のスピーチが始まりました。
「今日はいっぱい受験者がきている。私ひとりしか試験官がいないので・・・。」
びっくりしたのは試験の難度が極めて高いことです。山のようにいる日系ブラジル人達はボロボロ落とされていきました。合格率は20%を切っているでしょう。
たまに合格する人もいましたが聞いたらみんなリピーターでした。サンバののりで体中で喜びを表現していました。喜びの表現ついでに試験官の首を絞めても罪に問われないように思います。

午後3:00を過ぎると他の試験を終えた応援の試験官が他に3名ほど増えてスピードアップがはかられましたが、なんと、このロシア人の試験のはじまったのは午後4:00を過ぎていました。
さらにあろうことか、試験は途中で試験官が思いっきりブレーキ踏んで強制的に終了させられてしまいました。
終了後試験官からは以下の3点を日本語で指摘されました。

  1. 左折直後に反対車線を走った。(しょうがねえじゃん、クニでは右側通行だよ、一回教えりゃ覚えるよ、何も「はいそれまで」ってことはないんじゃないの)
  2. 「徐行」標識では10km/h以下にせよ。(安全徐行速度は10km/h以下なんて感覚、だれがもってるの?)
  3. 左折前の左後方目視安全確認を怠った。(市街地じゃねえぞ、免許試験場でどこに歩行者がいるんだ!)

不合格が判定されたのは4:20頃でした。自国でクルマを運転している人が丸一日費やしてこの結果 です。「金取って」「待たせて」「認めない」。何を考えてるんでしょうか。こんな失礼なことってあるんでしょうか。

免許試験場も上記のありさまですが、科技庁の「科学技術基本計画」によれば「STAフェロー1000人、ポスドク1万人」などと書かれています。その半分はつくばに来るんじゃないの?
受け入れ体制しっかりしてくださいね、つくばの.go.jp。今のまんまじゃみんな日本が嫌いになったまま帰っちゃうぞ。


後日談です。その後彼は無事運転免許を取得し、売りつけられた車検切れのクルマを車検に出して保険にも入って、つくばの生活をエンジョイしているそうです。よかったよかった。
でもこの種の"Lessons learned"、悲しいけどちゃんとtransferしていってやんなきゃね。