マンションは即売っぱらおう


バブル期に東京近郊にマンションを買ってしまったかわいそうなお父さんのためのケーススタディです。

バブル期にマンションを買ったお父さんは、
1.これからも値上がりすると信じた
2.高金利のローンを組んだ

というところが特徴でしょうか。 実際には、不動産価値は値下がりしています。
金利は下がったものの担保価値がなくて低金利ローンに借り換えられない、という悲劇が生じているケースもあります。
問題なのは、悲劇は年々大きくなる、ということです。手をこまねいていてはいけません。
よーく考えてみましょう。

以下の条件を想定してみました。
物件価格:   55,000,000円(当時)
頭金:     20,000,000円(よくそんなに出せたね)

ローン総額:  35,000,000円
金利:     6.0%
ローン年数:  30年
月払額:    104,921円
ボーナス時払額:632,327円
年間総額:   2,523,710円(実際額:月*12+ボ*2)
年間総額:   2,542,712円(計算用:年に1回払うベース)
他コスト:   15,000円/月(管理費・駐車場・税金等。ほんとはもっとかかりそう。)
不動産価値変化割合:
-3.5(%/年),実際はもっときびしいかもしんないけどね

とした場合の損得勘定です。

「収支」=「現在の不動産価値」−(これまで支払ったお金」+「ローン残額」)です。

ローン ローン残額 累積ローン支払額 累計他コスト 累計支払額 不動産価値 収支 家賃相当額
残年数 (千円) (千円) (千円) (千円) (千円) (千円) (千円/月)
(西暦) (年) A B C D:頭金+B+C E F:E-(A+D) G:F/払込月数
1992 30 35,000 0 0 20,000 55,000 0 0
1993 29 34,557 2,543 180 22,723 53,075 -4,205 350
1994 28 34,088 5,085 360 25,445 51,217 -8,316 347
1995 27 33,591 7,628 540 28,168 49,425 -12,334 343
1996 26 33,063 10,171 720 30,891 47,695 -16,259 339
1997 25 32,504 12,714 900 33,614 46,026 -20,092 335
1998 24 31,912 15,256 1,080 36,336 44,415 -23,834 331
1999 23 31,284 17,799 1,260 39,059 42,860 -27,483 327
2000 22 30,618 20,342 1,440 41,782 41,360 -31,040 323
2001 21 29,913 22,884 1,620 44,504 39,912 -34,505 319
2002 20 29,165 25,427 1,800 47,227 38,516 -37,876 316
2003 19 28,372 27,970 1,980 49,950 37,167 -41,154 312
2004 18 27,531 30,513 2,160 52,673 35,867 -44,337 308
2005 17 26,641 33,055 2,340 55,395 34,611 -47,425 304
2006 16 25,696 35,598 2,520 58,118 33,400 -50,414 300
2007 15 24,695 38,141 2,700 60,841 32,231 -53,305 296
2008 14 23,634 40,683 2,880 63,563 31,103 -56,095 292
2009 13 22,510 43,226 3,060 66,286 30,014 -58,782 288
2010 12 21,318 45,769 3,240 69,009 28,964 -61,363 284
2011 11 20,054 48,312 3,420 71,732 27,950 -63,836 280
2012 10 18,715 50,854 3,600 74,454 26,972 -66,197 276
2013 9 17,295 53,397 3,780 77,177 26,028 -68,444 272
2014 8 15,790 55,940 3,960 79,900 25,117 -70,573 267
2015 7 14,194 58,482 4,140 82,622 24,238 -72,579 263
2016 6 12,503 61,025 4,320 85,345 23,389 -74,459 259
2017 5 10,711 63,568 4,500 88,068 22,571 -76,208 254
2018 4 8,811 66,111 4,680 90,791 21,781 -77,821 249
2019 3 6,797 68,653 4,860 93,513 21,018 -79,291 245
2020 2 4,662 71,196 5,040 96,236 20,283 -80,615 240
2021 1 2,399 73,739 5,220 98,959 19,573 -81,785 235
2022 0 0 76,281 5,400 101,681 18,888 -82,794 230

不動産価値が上昇するのと下降するのでは大きなちがいがあります。
高度成長期に家を買った我々の父親世代との大きな違いはここにあります。
「収支」の「損」を家賃として考えてみればすごい金額になります。月30万! 普通の感覚なら許せる金額ではありませんね。
しかも「損」の絶対額は年々ふくらみます。
これからは家計に「教育費」ものしかかってきます。
これ以上損をこかない為に、将来家族が住めるまともな家に住みかえるためには,「今,損切りする!」ことが重要かと思われます。今ならまだ間に合うかもしれません。5年後はさらに一千7百万ほど余計に損をこきます。
早いうちに売り抜けて賃貸に住み替えるのが正解だと思います。
残ったローンを必死になって返し、臥薪嘗胆して数年たってからさらに安くなった一戸建を買うのがよいように思います。

でも上の条件はまだまだ甘い数値が入っているようにも思います。
不動産価値はもっと下がってるのかもしれません。

上記計算のエクセルのファイルを作りました。個別のケースについてスタディできます。
必要な方はE-MAILください。

しかし我々世代は損こいてるよな。あまりに高くつく住宅。
わしらもどっかのだれかさんみたいに「住宅ローン踏み倒しOK」にならんかなあ。ならんよな。