退職金で個人のバランスシートを改善する
デフレスパイラル、困ったもんです。お父さん。
給料は下がる一方。住宅ローンの負担に加え、ガキの教育費がこれからのしかかります。
「ステップ返済」なんてやってると最悪です。
公務員や優良企業にお勤めの諸兄には関係のない話かもしれませんが、
ふつーのサラリーマンにとっては「冗談では済まされない」深刻な事態が進行しています。
で、退職金でローンの前倒し返済についてのケーススタディです。
(実際の事例とは多少異なります、念のため。)
【前提条件】
ローン総額 (万円) 2,500
金利 (%) 3.5
期間 (年) 30
年間支払額 (万円) 135.9
ローン開始年 1994年
2001年一部一括返済額 (万円) 810
【計算】
  ベースケース 2001年一部一括返済
  ローン残 年間支払 ローン残 年間支払
(年) (万円) (万円) (万円) (万円)
1994 2,500 136 2,500 136
1995 2,452 136 2,452 136
1996 2,401 136 2,401 136
1997 2,350 136 2,350 136
1998 2,296 136 2,296 136
1999 2,240 136 2,240 136
2000 2,183 136 2,183 136
2001 2,123 136 1,314 946
2002 2,062 136 1,224 136
2003 1,998 136 1,130 136
2004 1,932 136 1,034 136
2005 1,864 136 934 136
2006 1,793 136 831 136
2007 1,720 136 724 136
2008 1,644 136 614 136
2009 1,566 136 499 136
2010 1,484 136 381 136
2011 1,400 136 258 136
2012 1,314 136 131 136
2013 1,224 136 0 136
2014 1,130 136    
2015 1,034 136    
2016 934 136    
2017 831 136    
2018 724 136    
2019 614 136    
2020 499 136    
2021 381 136    
2022 258 136    
2023 131 136    
2024 0 136    
支払合計 (万円) 4,214   3,528
差額 (万円) 685
結論
  2001年、一括返済の 810 万円は、  
  長い目で見れば 1,495 万円の価値がある。
この差額に相当するキャッシュを貯蓄してつくるのは相当の困難です。
デフレスパイラルの2001年春、僕らは以下のようなリスクを抱えています。
・給料や物価はどんどん下がる。でもローンは返さない限り、決して減らない。
・国や会社が滅んでも、必ず「個人」は残る。個人の抱えるローンは個人が返すしかない。
・老後、僕らの頃には年金は破綻している。稼ぎ続けるか、貯蓄を増やす必要がある。
今の30代後半の諸兄はよーく考えてみる必要があります。
現時点で想定されるリスクは今のうちに軽減しておくに限ります。
住宅ローンさえ軽くなってしまえば、
今後の「選択の局面における自由度」が増えるでしょう、きっと。
さらりーまんやってる限り、どうせドレイです。
同じドレイなら、より楽チンなドレイの道のほうが良いに決まっています。
ドレイからの抜本的な脱却を模索するのも良いかもしれませんが、
それはそれで、新たなリスクを抱えることになります。