「夕焼けの詩」  作:西岸良平


今回は、十数年前から「ビックコミック・オリジナル」で連載されていた、「夕焼けの詩」についてです。ここ数年、雑誌に載るのが不定期になっていますが、ほのぼのとしたあったかいマンガで、戦後から高度成長期にはいるまでの時代を背景に、一般家庭や人々の生活を描いてる作品です。
第1巻から数巻までは毎回主人公が違って、物語も戦後の世相を背景にしたものが多かったのですが、「夕日町3丁目」という町を舞台にし始めてから、鈴木オートの一人息子の一平君などの登場人物が固定されて、物語の内容がより生活に密着した出来事になっていったことが、この話にのめり込んでいくことができた一番の良かった点だと思います。
私は昭和33年生まれですが、この作品にでてくる駄菓子屋や小学生の鈴木一平君達が行う遊びなど非常に懐かしく感じられ、また忘れてしまっていた事などを思い出されるなど、私と同世代の人に是非読んでもらいたい作品です。
作者の西岸良平氏の作品は他にも「タンポポさんの詩」や「鎌倉ものがたり」などと、共通してあったかい気持ちになるものが多いです。

−記−1996'12/31


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