半熟英雄(SFC版)考察と感想

物語の結末にかかわる項目があります。(今の所あまり無いけど)
これから購入する方はご承知の上でお読みください。


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全体的な感想
(以下、鋭意制作中〜っていうか体力不足^^;)




全体的な感想
半熟英雄は1992年12月に株式会社SQUAREから発売された戦略ゲームです。
大元であるFC(ファミリーコンピュータ)版とは異なり、
ギャグ色が強いことが特色。(その辺は今の半熟英雄3D系列の大元)

その特異な存在で大ヒットするも、
当時の主流・シリアス系RPGの波に押され、なんとなく埋もれてしまった。

私は当時小学生でしたが、その強烈な印象を未だ忘れることができません。
(私の自作キャラクターは半熟に強烈な影響を受けて生まれたものですし)

巷ではバカゲーとか言われていますが、このゲームは実は深い社会批判を含んでいます。
(「悪代官」に通ずる所があるとでもいいましょうか。)

アルマムーン国王である主人公率いる半熟軍の元に、
黒きたまごを持つ「完熟軍」が攻め込んでくる。

半熟軍、完熟軍ともに将軍を雇い攻防戦を繰り広げるわけですが、
この「半熟」「完熟」という点にこそ、批判が込められているのです。

「完熟」軍は超エリート軍団。常に完璧で正々堂々。
だから卑怯な手段は絶対にとらないし、敵の卑怯な計略は鋭く見抜く。
「おくのて」とか、「きりふだ」とかそんなものは使用しない。
無論、逃げることなんか絶対ない。エリートですから。

対する「半熟」軍はどうかというと、卑怯な手段に訴えてでも、勝てばそれでいい!
・・という、割り切った連中です。クールだがマヌケでもある。
困ったら退却。きりふだに訴えて速攻勝利。不要な将軍は鉄砲玉として派遣。
でも人情がないわけではない。少なくとも、人間を駒扱いしてしまう完熟よりは・・

特にその辺が強調されるのは、敵が皆当時のヒーロー(英雄)であることと、
完熟プリンスの末路でしょうか。

完熟軍では完璧でいるうちはいいけれど、ちょっとでも完璧でなければもうお払い箱・・
(ゲームボーイソフト「Sa Ga 2」の第六世界に通じる面がありますね)

しかも完熟もの達は一見自主性があるように見えて、いつも誰かに支配されている。
自分の意思で考えて行動していないわけですね・・・スポーツマンシップはあるけど。

私は昔はどちらかというと完熟軍のようなものの考え方をしていましたが、
今では自分を守れない人間は真に他人を思いやる事ができないのではないかとか、
失敗をしなかったりマヌケな面のない人間に優しさがありうるんだろうか、
という考えに傾いてからは、半熟英雄は得難いゲームだったのだなと思うようになりました。

それに、完璧な存在なんて本当はないと思いますし。

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