長崎犯科帳 について語ろう!

 



 「空に真っ赤な雲の色 玻璃(はり)に真っ赤な酒の色 何でこの身が悲しかろ 空に真っ赤な雲の色―江戸末期の長崎は、オランダ貿易に開かれた唯一つの港であり、巨大な利権と暴力の渦巻く暗黒の町であった。この利権を操る物は一握りの豪商たちであり、貧しい町民達は彼らの搾取に泣き、その暴力に怯えるしかなかった。
 ここに、白日の法の下で裁くことの叶わぬものは、闇の法の下に切ると思い定めた闇の裁き人達が登場する。
人 これを呼んで『闇奉行』という―」(オープニングナレーション より)

 実相寺監督の美しくインパクトのある映像をバックに、この城 達也氏の絶妙なナレーションが被さるオープニングで「長崎犯科帳」は始まりました。
 ストーリーは―まあ、上記のナレーション通り、長崎奉行が「闇奉行」となって仲間と共に悪徳商人を退治していくという、時代劇としてはありきたりなストーリーなのですが、キャラクター設定と世界観は今までの時代劇では見たことがないものでした。
 まず主人公の長崎奉行 平松忠四郎ですが、これが賄賂はもらうは女遊びはするはのとんでもない人でして(いえ、勿論正体を隠すためという事もあるのですが。)まずそこで「おおっ?!」と思いました。で、仲間となるメンバーも又ユニークなんです。小暮良純 という蘭学医者がいるのですが彼の使う武器がボウガンにメスを仕込んで飛ばすという代物なんです。「江戸時代にボウガン?!」と、普通なら考えられないのですが、ここで舞台が長崎であり、彼が蘭学医(しかもシーボルトの弟子であった!)という設定が生きて来るんです。彼はオランダの書物からボウガンを見つけ、自分で作っていたんです!私は設定とか世界観にわりとこだわる人間なのですが、この設定には「その手があったか!」と、感心させられました。
 さらに、今までの時代劇では聞いたことや見たことのない長崎弁や風景など、どれをとっても新鮮でしたし、また、日暮しが歌うエンディングの歌もとても良かったです。では、キャスト等の紹介をします。

 平松忠四郎(主人公 長崎奉行&闇奉行) 萬屋 錦之介
 小暮 良純(蘭学医)     田中 邦衛
 出島の三次(牛太郎)     火野 正平
 お文               杉本 美樹 

 オープニング・エンディング タイトル映像 実相寺 昭雄

 エンディング テーマ   唄 日暮し      作詞・作曲 中村 幸雄
(歌詞)
 長い坂道を 歩いているんです 海を見つめて ぼんやりと
 町は夕闇 鳥は目を閉じて 知らぬ間に時は 過ぎて行きます
 暖かな春は もうすぐ 君住む町に 届く頃
 二人で歩いた この坂道も 今は懐かしい

 もし再放送等で見る機会がありましたら是非ご覧下さいませ。


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