スペクトラム について語ろう!

 



 「宣戦布告!スペクトラム!」―今を遡ること20年近く前にタウン情報誌「ぴあ」に載ったこの一言が、私がスペクトラムというブラスロックバンドを知るきっかけとなりました。その言葉と共に載っていた彼らの写真は、モノクロで画質も荒かったですが、何とも奇妙奇天烈な格好であり(古代ローマの兵士のような甲冑姿)インパクトは確かにありました。 
 そんなある日、当時良く聴いていたラジオからこの「宣戦布告!スペクトラム!」の言葉と共に彼らのCMが聞こえてきたんです。その歌「TOMATO-IPPATSU」と言ったら―彼らの写真を見たときのインパクトよりももっと凄いものがありました。彼らの歌はメインボーカルが男性ファルセット(裏声)だったのです!こんなバンドは今まで聞いたことがありません。普段なら唯のコミックバンドとして片づけてしまうのですが、その歌のバックに流れていたホーンセクションの音の良さに何か心惹かれるものを感じて、当時銀座にあったテクニクスのショウルームに行き、彼らのファーストLP「SPECTRUM」を借りて聞いてみることにしました。
 ヘッドフォンから流れてきたのは嵐の音と台風情報、そして―素晴らしく切れの良いブラスセクションの音とファルセットボイスが響く名曲「ACT-SHOW」でした。この曲を聴いたときに彼らは唯の見かけだけのバンドではなく、音楽の実力も兼ね備えたブラスロックバンドという新しい形のグループであるとわかったのです。
 
 「我奇襲ニ成功セリ」これが暫く経った後に「ぴあ」に出た彼らのセカンドシングルのコピー文句でした。この頃には私は既に彼らのファンになってました。コンサートにも何回か行きましたが、その時感じたことはやはり彼らの音楽技術の高さでした。
 普通レコードというのは何回もリテイクしながら録音するので最高の音で記録されているのですが、ライブのような一発勝負ですと、どうしても失敗したりへろへろな音が出てしまうんです。が、彼らは彼らはライブで、あの衣装を付けて踊りながらレコードの時と同じ音を出していたのです!これはなかなか出来ることではありません。(後に、元々彼らはスタジオミュージシャンであり、その音楽技術は最初から高いものであったことを知ります。)

 そんな素晴らしいバンドだったのですが、彼らはデビュー後およそ二年の活動期間で解散してしまいました。解散コンサートは武道館で行われ、ブラスロックバンドらしく色々な学校のブラスバンド部が応援に来たり、スタジオミュージシャンらしく様々なミュージシャンが応援に来たりしてました。
 彼らが解散してから今の時代に至るまで、彼らのような高い音楽性とパフォーマンスを備えたブラスロックバンドが現れないということは、いかに「スペクトラム」というバンドが凄かったかという事を証明していると思います。
スペクトラムについての詳しい情報はウチのリンクの所から飛べるようにしてありますので興味のある方は一度行かれてみると宜しいかと思います。最後に…「素敵な曲と想い出をありがとう!スペクトラム!」
 

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