それは今から20年近く前のこと、FMラジオから偶然流れてきた「ファンタスティック・ ラブ・イン・ワンダーランド」という曲を聞いたことが「高橋拓也」なるミュージシャンを知るきっかけとなりました。
彼は歌うたいとしてはかなり個性的な声を持っており(よく言えばハスキー、悪くいえば濁声)それが印象に残ったこともありましたが、なによりその曲を聴いたときにメロディーとアレンジがとても斬新だったので数日後にはレコード屋にいって彼の アルバム二枚とシングルを手に入れていました。
ファーストLP(時代を感じる単語ですね)「Feel So Cool」とセカンドLP「FANTASTIC LOVE IN WONDERLAND」の二枚のジャケットアルバムと、シングル「SECRET SEASON」を 見て初めて高橋拓也さんのお顔を知ったときには結構驚きました。個性的な声とは裏腹 にとてもハンサムな方だったからです(失礼な物の言い方ですみません(^^;)) 芸能人でいうと・・・そうですねえ、若い頃の三田村邦彦さんに似ているという感じでしょうか?メンズビギ(これも何というか年代を感じさせる単語ですねえ)の洋服を 着こなせる男性アーティストなんて当時そうそういませんでしたもの。
さて、2枚のアルバムを聞いて私はさらに驚きました。それまでは「ファンタスティック・ ラブ・イン・ワンダーランド」しか聞いたことがなかったのでてっきりこの曲のような可愛い感じの曲が多いと思っていたのですが、彼の音楽才能はそんな物ではなかった からです。ジャズあり、デュエットあり、アカペラあり、さらに湘南サウンド(!)まで あったからです。広谷順子さんという女性アーティストとデュエットしている「2度目のサマーストーリー」という曲に至っては主メロディーのバックでさらに女性コーラス隊が 違うメロディーの歌を歌うという今までに聞いたことのない曲でしたし「SUMMER WINDY IN HAYAMA」とか「AKIYA−サンセット」などはもろ「湘南サウンド」ですもの(葉山と秋谷海岸は両方とも神奈川県湘南方面にある浜辺のことです)本当に「嬉しい驚き」 で一杯でした。あ、もちろん可愛い曲もありました。「君はレタスサラダ」という曲 なんかは何とも可愛くてほのぼのとさせてくれる作品でした。
しかし、高橋拓也さんの曲はヒットする事はなく、やがて消えていってしまいました。 本当に残念です。彼は「早すぎた天才」だったのだと思います。今の時代に彼がデビュー していたらきっと事情は変わっていたことでしょう。歌うたいとしてではなく、制作者サイドになってでもいいから彼の作った作品を聞き続けたかったです。
そのような訳で、せめてここでだけでも高橋拓也さんという素晴らしいアーティストが存在していたことを記録していきたいと思っています。
A面タイトル | B面タイトル |
1. 想い出のBeach Side | 1. Love Game |
2. 哀しみのフェスタ | 2. 愛する人よ |
3. さいごの こおりが とけるまで‥‥ | 3. Mrs.の貴女(きみ)に |
4. マダム・エイプリルのお嬢さん | 4. 思い出 Part 1 |
5. SUMMER WINDY IN HAYAMA | 5. Midnight Blue |
6. Lone Alone |
タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
|
A-1 | COAST-LINE | 高橋拓也 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
A-2 | NATURAL LIFE | 森田由美 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
A-3 | 2度目のSUMMER STORY | 森田由美 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
A-4 | SHADOW ON THE WALL | 森田由美 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
A-5 | AKIYA-SUNSET | 高橋拓也 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
B-1 | MY BENNY | 高橋拓也 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
B-2 | FANTASTIC LOVE IN WONDERLAND | 森田由美 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
B-3 | 君はLETTUCE SALAD | 高橋拓也 | 高橋拓也 | 高橋拓也 |
B-4 | ONENIGHT STAND | 高橋拓也 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
B-5 | 愛の歴史 | 高橋拓也 | 高橋拓也 | 戸塚 修 |
タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
|
A面 | SECRET SEASON | 森田由美 | 高橋拓也 | 坂本龍一 |
B面 | BLIND LETTER | 森田由美 | 高橋拓也 | 坂本龍一 |