瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
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仕事のストレスでうつ病などの「心の病」になり労災請求した人が、2018年
度は1820人で、6年連続で過去最多となった。働く女性が増えたことに加え、 職場でのハラスメントに関心が高まったことで、女性からの労災請求が増えた という。
厚生労働省が28日発表した18年度の「過労死等の労災補償状況」による
と、心の病になって労災請求した人は前年度より88人多い1820人。このうち 女性は788人で、前年度から99人増えた。労災請求した人のうち、労災と認 められた人は465人だった。このうち自殺や自殺未遂をした人は76人で、前 年度より22人減った。
労災認定されたケースを原因別にみると、パワハラを受けるなどの「嫌がら
せ、いじめ、暴行」と、仕事が増えるなどの「仕事内容・仕事量の変化」がそれ ぞれ69件で最多だった。女性に限ると「セクハラを受けた」が33人で最も多か った。
労災請求が増えた理由について、厚労省は「職場のセクハラ・パワハラへの
関心が高まり、仕事が原因で心の病になったと考える人が増えた」と分析す る。
一方、くも膜下出血や心筋梗塞(こうそく)などの脳・心臓疾患になり労災請
求した人は877人で、うち238人が労災認定された。過労死した人は82人で 前年度から10人減り、比較できる02年度以降で最少だった。労災認定された 人の9割が「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をしており、年齢別で は40歳以上が9割を占めた。
労災認定された人を業種別にみると、「運輸・郵便業」が94人と最多で、「宿
泊・飲食サービス業」が32人、「製造業」が28人と続いた。人手不足の業種で 長時間労働を強いられている実態が浮かぶ。(村上晃一)
(朝日新聞 2019年6月28日)
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