瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

職場の受動喫煙、経験4割 屋内禁煙でも完全に防げず


  他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙。職場で経験するという人が約4割い
ることが厚生労働省の調査でわかった。今年7月に改正健康増進法が成立し、
2020年度から大半の職場は原則屋内禁煙となるが、十分な対策が進んでい
ない現状が浮かんだ。

  昨年11月、製造業や飲食業、宿泊業など民間の約1万4千事業所に約1万
8千人分の調査票を送り、約1万人の回答を得た。有効回答率は55%。

  改正前の健康増進法では、対策をとるかどうかは事業者任せだった。改正
法では、喫煙専用室からたばこの煙が漏れないようにするといった受動喫煙に
遭わないような対策を事業者に義務づける。客席面積100平方メートル以下の
小規模な飲食店などは例外として喫煙が認められるが、大半は原則屋内禁煙
(喫煙専用室は設置可)となる。

  調査によると、職場での受動喫煙について「ほとんど毎日ある」13・5%、
「時々」23・8%で、計37・3%があるとした。このうち受動喫煙を不快に感じた
り体調が悪くなったりすることがあると答えたのは38・8%に上った。一方、受
動喫煙が「ない」は62%だった。

  防止対策の課題についても聞いた。回答した8674事業所のうち、42・6%
が課題ありとした。二つまで選択可で内容を聞くと、「顧客に喫煙をやめさせる
のが難しい」34・3%、「喫煙室からたばこの煙の漏洩(ろうえい)を完全に防ぐ
ことが困難」28・5%、「喫煙室などを設けるスペースがない」25・7%と続い
た。(黒田壮吉)

(朝日新聞 2018年9月26日)


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