瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

職場の転倒災害増加 愛知で1524件、60代以上4割


  従業員が高齢化し、職場で転倒するケースが増えてきた。愛知労働局管内
では2017年に1524件の転倒災害が発生し、労災に占める割合が過去最多
の22%超に達した。60代以上が4割を占め、男性よりも女性が多いのが特徴
だ。

  休業4日以上の転倒災害は13年(1361件)から1割増えた。業種別では、
商業が336件で最も多く、次いで製造業が327件、保健衛生業が166件だっ
た。休業した日数は60日未満が1127件、60日以上が395件だった。

  対策を徹底しているのが、衣料用ナイロン繊維などをつくる東レの愛知工場
(名古屋市西区)だ。「手摺(てすり)ヨシ!」。工場内の階段に注意喚起の表示
を掲げている。階段を使う時は手すりをつかむのがルール。書類を見ながら歩く
のは禁止で、階段脇には書類やノートパソコンをいれる手提げ袋が置かれてい
る。携帯電話で話しながらの歩行も厳禁。同社環境保安課の吉竹彰さんは「無
災害を続けてまもなく10年。日常生活で当たり前にしていることも工場内では
(安全のために)禁止している。繰り返しすり込んで意識を変えていくしかない」
と話す。(細見るい)

(朝日新聞 2018年7月13日)


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