瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

新国立競技場建設、37事業所で違法時間外労働、東京労働



   新国立競技場の工事現場で管理業務に従事していた入社1年目の建設会
社の男性社員(当時23)が自殺した問題で、東京労働局は29日、工事現場で
業務にあたった762事業所のうち37事業所が、労使協定の上限を超えるなどの
違法な時間外労働を従業員にさせていたと発表した。管轄する新宿労働基準
監督署が同日までに是正勧告した。

  東京労働局によると、昨年12月〜今年7月に工事現場に入った762事業所
に、従業員の労働時間を書面で報告するよう求めた。1カ月の時間外労働が80
時間を超えていたのは41事業所で、元請けや一次下請けの長時間労働が目
立った。

  法令違反が疑われる128事業所の時間外労働を詳しく調べたところ、37事業
所で違法に時間外労働をさせていたことを確認した。この中には自殺した男性
が勤務していた建設会社も含まれる。新宿労基署は元請けの大成建設に対
し、下請け企業の労働時間管理に協力するよう指導した。

  自殺した男性は、昨年12月に新国立競技場の建設現場の施工管理業務に
就いた。会社の調査では今年2月の時間外労働が約193時間に上った。3月に
失踪し、4月に長野県で遺体として見つかった。男性の両親は、自殺の原因は
過重労働だとして労災申請している。

(日本経済新聞 2017年9月29日)


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