瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

<ドン・キホーテ>違法な長時間労働の疑いで家宅捜索


  ディスカウントストア大手の「ドン・キホーテ」(本社・東京都目黒区)が従業員
に違法な長時間労働をさせた疑いがあるとして、東京労働局が同社の本社や
店舗を今年6月に労働基準法違反容疑で家宅捜索していたことが、関係者へ
の取材で分かった。労働局は近く同社と関係者を書類送検する方針。

  関係者によると、同社は東京都渋谷区や新宿区の店舗で、従業員に対して
労基法36条に基づく労使協定(36協定)で定めた上限を超える時間外労働を
させた疑いがある。

  労働局は同社を家宅捜索して押収した資料を分析するとともに、関係者に事
情聴取をして調査を続けていた。

  36協定は企業と従業員側が結ぶ協定。協定を結べば労基法が定める労働
時間(1日8時間、週40時間)を超える労働が可能になるが、企業が協定を結
ばないまま時間外労働をさせたり、協定で決めた時間を超えて従業員を働かせ
たりすれば同法違反になる。罰則は6カ月以下の懲役、または30万円以下の
罰金となる。

  同社は全国にディスカウントストア約280店舗を展開し、今年6月期決算の
売り上げは約4700億円。

  ドン・キホーテの持ち株会社「ドンキホーテホールディングス」広報室は毎日
新聞の取材に「現在、当局から労務管理についての調査を受けており、当社と
しても全面的に協力している。調査中の事案であるため、現時点で回答は差し
控えたい」とのコメントを出した。

  国は長時間労働がまん延し過労死の原因となっていることなどから、今年4
月に「過重労働撲滅特別対策班」(通称かとく)を東京、大阪の労働局に設置し
て対策強化に乗り出した。長時間労働の立証を得意とする監督官13人を配置
し、全国展開する企業を中心に指導、監督している。【東海林智、古関俊樹】

(毎日新聞 2015年11月21日)


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