瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)
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市区町村が実施する胃がん検診の対象年齢が、40歳以上から50歳以上に
引き上げられる見通しになった。バリウムを飲むX線検査に加え、内視鏡検査を 導入し、検診間隔も1年に1回から2年に1回になる。厚生労働省の専門家検 討会で30日、了承された。
検討会に提出された報告書案では、40代の胃がんの罹患(りかん)率が19
90年に比べ、半減していることなどが示された。
国立がん研究センターが4月に公表したガイドラインは、胃がんの内視鏡検
査の対象は50歳以上がのぞましく、受ける間隔は「2〜3年に1回とすることが 可能」としており、X線検査についても、50歳以上に引き上げても問題ないとの 意見でまとまった。
また、40歳以上の女性に行われている乳がん検診については、これまで推
奨してきた乳房を見て触る視触診を「任意」とし、マンモグラフィー(乳房X線撮 影)だけでもよい、とした。従来は国の指針で併用が推奨されてきたが、2012 年度は約3割の自治体が集団検診で視触診をしていなかったという。
医師の視触診の技量に差があることや、マンモグラフィーだけでも40〜74
歳で死亡率が25%減少するという研究結果なども踏まえて、判断した。
胃がん、乳がんともに、指針を改定したうえで、早ければ来春の検診から導
入される。(福宮智代)
(朝日新聞 2015年7月30日)
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