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          瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)  
            【山本知弘】残業や休日出勤を従業員に命じるときに必要な労使の協定が、 中小企業の半数超で結ばれておらず、このうち6割弱で「違法残業」があること が厚生労働省の調査で分かった。また、協定のない企業の4割弱が「協定の 存在を知らない」と答えていた。 
            4月1日時点の状況について、労働基準監督官が全国1万1575事業所(大 企業4267、中小企業7308)を実地調査したデータをもとに推計した。 
            企業が1日8時間を超えて従業員を働かせたり、休みの日に仕事をさせたり するには、労働基準法36条に基づく「36(さぶろく)協定」を労働者の代表とあ らかじめ結び、労働基準監督署に届け出ないといけない。 
            ところが、協定を結んでいるのは、大企業では9割を超えたものの、中小企 業では4割台だけだった。 
            結んでいない中小企業に複数回答で理由を尋ねると、「残業や休日労働が ない」が43・5%で最多。ただ、残りの企業では協定がないまま、残業や休日 労働をさせていた。また、結んでいない企業の36・2%が「協定の存在を知らな かった」と答えた。 
            法違反が見つかった企業には、すでに監督官が是正を求めた。厚労省は「3 6協定について、ここまで知られていないのは驚き。周知を徹底したい」(労働 条件政策課)としている。 
          (朝日新聞 2013年11月10日) 
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