| 
          瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)  
            おなかのサイズが大きくてもそうでなくても、血圧や血糖値などで異常が重な ればメタボリック症候群と同じように心筋梗塞(こうそく)や脳卒中を起こすリスク が高まることがわかった。メタボ健診の基準を検証している厚生労働省の研究 班(研究代表者=門脇孝・東京大教授)が11日、解析結果をまとめた。腹が出 ていない人たちの対策も進めるよう提言を報告書に盛り込む。将来の基準に反 映される見通しだ。 
            日本のいまの基準は、腹囲が男性85センチ以上、女性90センチ以上である のが第一条件。そのうえで血圧や血糖、脂質の検査値の異常が二つ以上ある と「メタボ」と認定する。 
            研究班は全国の40〜74歳の男女約3万人を対象に腹囲が基準を満たした 場合と満たさない場合とで調べた。 
            すると、腹囲が基準に達しない人でも、検査値の異常が増えるにつれて心筋 梗塞などの発症リスクが増えていた。また女性で発症した506人のうち、半数 以上は腹囲が基準より小さく、何らかの検査値の異常をかかえていた。 
            特定健診では、メタボに該当するか、予備群とされた人に対して特定保健指 導をする。ただ、やせていて血圧や血糖値が高い人はとりわけ日本に多く、死 亡リスクも高いことが指摘されてきた。 
            海外では昨年10月、国際糖尿病連合などが「腹囲を必須条件としない」とす る世界的な統一基準をつくった。 
            門脇教授は「やせることで効果的に病気を予防できるような人を見つける点 で、いまのメタボ基準にも意味がある」と話す。(田村建二) 
          (2010年3月12日 朝日新聞) 
  |