瀧本労働衛生コンサルタント事務所(大阪)

職域の男性にみられたメタボリックシンドロームの頻度と背景
因子に関する検討

論文要旨

【目的】当社京都工場の定期健康診断にみられたメタボリックシンドローム
(MetS)の頻度と背景因子に関する検討を試みた。

【方法】2005年8月から2006年7月までの定期健診を受検した35歳以上の男性
595名を対象とした(年齢46.3±8.5歳、BMI 22.8±3.1 kg/u)。

【成績】腹囲が85 cm以上の者は 35.0%(208/595)を占めた。腹囲が85 cm以
上の群(n=208)では、85 cm未満群(n=387)に比べ、年齢が有意(p<0.01)に高
く、間接部門勤務者が多かった(オッズ比1.81、p<0.01)。
 MetSの頻度は10.1%(60/595)であった。MetS群(n=60)では、Met_0-1群(n=
148、腹囲85 cm以上、かつMetSの診断基準を0または1項目しか満たさない
群)に比べ、年齢(p<0.05)、γ-GTP値(p<0.001)が有意に高く、毎日飲酒する者
が多かった(オッズ比 2.67、p<0.005)。

【結論】職域の男性におけるメタボリックシンドロームの発現には、加齢および
労働強度がより低いことに加えて、飲酒習慣(毎日の飲酒)の影響が示唆され
た。

(瀧本忠司、大東正明 大阪医学 41: 5-9, 2008)


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